「零」の沿革
「無」を表す「 0(零、ゼロ、ZERO)」を数の対象として考える概念の発生は、数学上の飛躍的な進歩の過程と考えられており、過去の文明が 0 の概念 を持っていたかどうかはその文明の進歩を表す指標として使われる事も多い。
古代エジプト文明やマヤ文明等では、既に 0 の概念を発達させていたとされる。シルクロードを巡るユーラシア大陸全域の東西文明の中で、最初に数の概念として 0 を考えだしたのはインドが最初であり、その後アラビア世界を中心とするオリエント地域でこの概念が発達して行った。アラビア語ではsifr(空のもの)といわれた。同時代には、ヨーロッパなどでは未だ 0 の概念を持たなかった。
古代インドに発した 0 の理念は、仏教では空、サンスクリット語ではシューニャ(sunya)として表現された。「空」の仏教的意味は「膨れ上がった」「うつろな」の意味であるが、膨れ上がった物は中が空であるとの考え方から来ている。0 とは数式上は実在するが、真に実在するものではなく、その真相は空虚であると説いている。0 は、正数や負数などに属しないものである。
* もし 0 を自然数に含めるなら、0 は最初の自然数である。
* コンピュータでは、0 による除算を行おうとするとエラー(零除算例外)を発生して、プログラムが停止するようになっている物が多い。又、処理系によっては、0 による除算は非数という特殊な値になることがある。
* 電卓によっては、0 による除算をした結果を 0 にしているものがある。これによって 0 ÷ 0 = 0 であると誤解している人がいる。
* 平面上で、点および線が占める面積は 0 であり、点は零次元とされる。
* 0! (階乗)は便宜上 1 とされる。
* 全ての要素が 0 である行列を零行列といい、 0 や O で表記される。
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