« 零詩編1 | トップページ | 零詩編3 »

2006年4月22日 (土)

零詩編2

02
   夢と現実の分離機は崩壊した
   隠喩の王権を放棄し 犬のように世界の傾斜を転落せよ!
   ある日曜日 音もなくビルから落ちる人体よ
   ぼくは女のように肌を磨いて都市の東の城門に立つ卵形の影像だ
   この夏の宵 世界ときみは幾何学的疑惑だ
   きみと世界は抒情的奇蹟だ!
   きっとアラビア数字の7のようにきみにも自殺の構造がよみがえり
   金色の柔肌を螢が包囲して
   その陣形のまま 肉体は爪先から腐上するだろう
   言葉ケス力 太陽の崩壊
   夢ケス力 太陽の再生
   魂を叩け! 空を斬れ!
エンジンよ! 第三京浜国道で燃えあがる神木のように絶叫する、ガソリンの涙に、引潮に、去ってゆく物質の後姿に、祭壇をもうけて踊り狂おうぜ、緑の仮面つけて神のように、涙を流して夜明けまで夜明けまで生命終るまで
新しい神の仮面割れて毒薬の一滴をこれら赤裸の魂の発電所に空転の剃刀の矢羽根を、言葉の戸口に永遠にかけられた雨傘濡らす数学的肉体の存在を!
さらに大量のスカーフを我々の魂の鍵盤に投下し、我々を狂気へ、流転する紫の花に変貌させたまえ
海へ 交叉する手の神殿へ 道路を剃刀で斬りながら、ドドッと吃って、アクセル踏んで、ああ 死体に会いにゆこう 李白的快速は物質を変形させる
太陽は西の岩角に落ちかける
   もう魂は言葉と交感しない
   月は昇るさ古代のようにとつぶやきながら

吉増剛造詩集『黄金詩篇』思潮社(1970)所収
http://www1.interq.or.jp/ipsenon/p/yoshimasu1.html

« 零詩編1 | トップページ | 零詩編3 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/74549/1500701

この記事へのトラックバック一覧です: 零詩編2:

« 零詩編1 | トップページ | 零詩編3 »

2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
無料ブログはココログ

羽衣ストーブ館

  • 静岡新聞 2001年5月22日記事
    フランスを中心としてヨーロッパで製造されたアンティークストーブ100点以上はひとりの日本人個人によって南仏を中心に長期コレクションされたものであります。 ◆南仏より海を渡ってやってきたアンティークストーブ100台たちは清水港へ上陸して、東海大学社会教育センターに移築した江戸時代に作られた曲り屋の屋敷のなかに展示された。 ◆鋳物ストーブ100台たちは、その後も数奇な運命をたどることになる。
フォト

22カードの意味

  • _0 愚者
    タロットアルカナの22枚には、世界の変化を表すことが記されています。カードの意味を知るには、図案のもつ表のイメージから解放されることが大切です。

オンライン状態

ペンギンタロットの原画

  • 0の愚者から21の宇宙(世界)まででひとつの話が結ばれる
    兆しを理解して現実なるものを深くたのしく感知する訓練カードです。 タロットを機能させるには慣れ親しむことからはじまります。 まだ目には見えていない物事や潜在的な事柄を導き出す道具でもあります。 各アイコンをクリックすると、21のカードが観れます。