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2006年4月23日 (日)

零詩編3

彫刻刀が、朝狂って、立ち上がる
朝焼けや乳房が美しいとはかぎらない
美が第一とはかぎらない
黄金の太刀が太陽を直視する
ぼくの意思 それは盲ることだ
いま 朝焼けにむかって
ギリシャ彫刻のよくにあう
宇宙を想像しながら 黒曜石の丘を登る
黒豹や昆虫の王 小動物たちは 断崖に露頭した血管から飛びたち
雷鳴をよび 流氷群をよび 大地を八つ裂きにして荒れくるいはじめる
ぼくは 羽撃く肉にみちびかれて 丘を登る
記憶のほそい葉脈に埋没している
美しい癈墟を 強引にあばこうとして
恒久運動の塀の外へ撥ねだす電子のように
ほんとに偶然に飛びたってきた
ぼくは 時間の大伽藍をひとめぐりして
純金の笛になって帰還するよ
一個の生命が発見したかけがいのない不信
「砂漠はどこから始まるか」という問の存在………
古い本能を透視する頭脳の塔よ!
沈黙は不可 不沈黙は不可
ただ不幸を粉砕する毒蛇のうねりが
道をはるか 燃える綱となって上昇する
   言語 記憶(この邪悪な財宝!)
03

◇◇パンクロックもなかった頃に、詩人が朗読した言葉たち。表参道の交差点近くにあったビル地下にて、詠えあげた吉増剛造の若き肉声は、過激なハードロックか祈祷ごとく響きわたった。◇◇
吉増剛造詩集『黄金詩篇』装丁=赤瀬川原平の図版
http://www.bygones-online.com/books/151-160/b_00151.html

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羽衣ストーブ館

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    フランスを中心としてヨーロッパで製造されたアンティークストーブ100点以上はひとりの日本人個人によって南仏を中心に長期コレクションされたものであります。 ◆南仏より海を渡ってやってきたアンティークストーブ100台たちは清水港へ上陸して、東海大学社会教育センターに移築した江戸時代に作られた曲り屋の屋敷のなかに展示された。 ◆鋳物ストーブ100台たちは、その後も数奇な運命をたどることになる。
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22カードの意味

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    タロットアルカナの22枚には、世界の変化を表すことが記されています。カードの意味を知るには、図案のもつ表のイメージから解放されることが大切です。

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  • 0の愚者から21の宇宙(世界)まででひとつの話が結ばれる
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