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2007年7月25日 (水)

ミロク神話

神話
1.太初
 太初においては、陰陽もなく、天地もなく、日月もなく、上下も東西南北もなく、春夏秋冬もなく、寒暑もなく、男女もなく、すべてが天真一つであった。円明覚の海が清澄になり、清濁が分かれたとき、天真から金色の光が現れた。金色の光は、一つのかたちをなし、さまざまな気を集めて、皇極天真弥勒古仏となった。
2.天地創造
 古仏弥勒は、宇宙を創造し、五行、すなわち、金、木、水、火、土をつくりだした。古仏弥勒は、その内に、八卦をつくって、九星宮を定め、天を開き、地を閉じた。古仏弥勒は、道*、すなわち、造化の力によって、陰陽を生み出し、万物を生み出した。古仏弥勒は、《聖玄中*》の内に三つの劫*をつくりだした後、三面一仏となって、各面を各劫の中に降ろして、宗教を監督した。九名の大師が、各仏のもとに下った。古仏弥勒は、時間を三つに分けて、過去、現在、未来の三際とした。この三つの時は、それぞれ三面一仏の各面に監督されている。
*道 〔中〕タオDao。造化の力、つまり、天地創造の作用のこと。ミトラ教では、聖なる言葉(聖七文字)で象徴する。*聖玄中 玄は中国語で神秘の意。《聖玄中》は、聖なる神秘の中の意。*劫(時) ごう。〔梵〕Kalpa。非常に長い期間(周期)をさす。ダフル(アイオーン)のこと。
3.古仏弥勒は太皇宮で教えを説く
 古仏弥勒の教えを聞くために、天上で大人数の集会が催されることになり、大勢の仏、祖師、三教の始祖、阿羅漢、菩薩、仙人が集まった。全員がかぐわしい香り、天上の音楽、降り注ぐ花の美しさにうっとりとしたとき、そこに古仏弥勒が現れた。全員が弥勒古仏に正しい儀式に則ってあいさつをすますと、古仏弥勒は教えを説きはじめた。 「始め、宇宙は空っぽで、人家の煙どころか、いかなる生き物もいなかった。そこで、わたし古仏弥勒は九億六千万の明性と、仏、祖師、菩薩たちをこの世に降ろし、そこに住まわせた。造化の力で陰陽を現し、それで男女を分け、ペアをつくらせ、結婚させた。しかし、彼らの欲は深まり、世俗に執着するようになってしまった。彼らは、真の故郷*に還ろうとは考えなくなり、紅塵*のなかに沈みこみ、意識がもうろうとして霧がかかったように混濁してしまった。青陽においては無極集会が、赤陽においては太極集会が催され、四万三千以上もの者が集まった。これらの集会において彼らの明性は目覚め、天上の碧玉都(西天浄土)に還り、教えを広める仕事についた。しかし、この世には、まだ九億二千万もの明性と、無数の仏、祖師、菩薩たちが残っていて、五濁の世に沈みこんで、真の故郷を忘れている」
 このとき、無極聖母(無生老母)がいった、「古仏弥勒よ、下界に下って、真の故郷を失っている明性たちを救い出し、ここに連れ帰りなさい。さもないと、世の終わりが来て、彼らは三災五厄*にまきこまれて消滅してしまいます。」
 古仏弥勒は答えていった。「紅塵にまみれた下界は重く沈み、苦海は荒れて波がさかまいています。無数の教えが無秩序に広まっているため、すっかり混乱しています。衆生の明性は、すっかり硬くこわばり、正しい道にひきもどすのは、容易なことではありません。彼らは、ごみのようなくだらぬ教えと真の教えを区別することすらできないでしょう。このように無知と暗愚に陥っている者たちを救うには、奇蹟のような道が必要です。わが母、無極聖母さま、わたしは行きたくありません。それは、あまりにも孤独で厳しい使命です。これまでになく危険で苦しい仕事です。わたしは、この碧玉都を離れたくありません。誰か別の者を東土に遣わしてください。」
 しかし、無極聖母は応じず、古仏弥勒に下界に下り、秘密のうちに教えを広め、善男善女を集め、ここ西天浄土に連れ帰るように命じた。それから、無極聖母は、仏と菩薩たちに命じて、すぐに霊山から法船をだして、弥勒を助けて、この大いなる道を広めるように命じた。そして、無極聖母は彼女の宮殿(紫陽宮)の宝物庫に収めてあった封印、護符、呪文、占術などをもって行くようにいった。
*真の故郷 中国語では《真家郷》。西天浄土のこと。西天浄土には、エメラルドの都や無影山がある。エメラルドの都にある《九つの門がある太古の白雲城》(第八章)に古仏弥勒が住み、無影山にある紫陽宮に無極聖母が住んでいる。九門白雲城のことを、『太乙金華宗旨』では、乾宮(紫微宮)と呼んでいる。*紅塵 こうじん。人間の動物魂(アストラル体)を濁らせる三欲(色欲、物欲、名誉欲)のこと。*三災五厄 さんさいごやく。周期の終わりに起こるとされる宇宙的な災害のこと。五厄は、五濁(ごじょく)のこと。五濁は、劫濁(時代の汚れ)、見濁(思想上の誤り)、煩悩濁(貪瞋癡〔とんじんち〕などの煩悩による汚れ)、衆生濁(心身が弱り苦しみが多くなること)、寿命濁(寿命が短くなり十歳に満たなくなること)の五つをさす。
4.無極聖母の大悲
 無極聖母は、古仏弥勒に、なぜ自分がこのように固い決意を抱いているのかを語って聞かせた。
 「わたしは、三宗五派の仙人、仏、祖師、菩薩たちを下界に送りこんで、新しい土地を開墾し、種をまきました。彼らは、衆生を救う活動に着手したけれど、混乱も生じました。そこで、一万一千の聖者と仙人(真人)を送りこみ、誤りを修正させ、いくつかの正しい道に収束させました。しかし、彼らは、まだ、それぞれ独自の教典を使っており、分断されています。彼らは、あなたが中土に現れ、これらを最終的に統合してくれるのを待ち望んでいるのです。彼らは中土に来て、あなたに会うことで、自分たちの教えを《根元の智慧》に結びつけるでしょう。そのとき、彼らのこれまでの活動がすべて実をむすび、すべての衆生が救われるのです。」
5.古仏弥勒は法をたずさえて下界に下る
 無極聖母は、古仏弥勒にいった。「あなたに渾沌の時から生まれた教典をあげましょう。この教典には、白蓮の教えが記してあります。ここ、真の故郷に還るための正しいお題目、瞑想法と秘儀、九蓮図、香のたき方、祈願の仕方、友を見分けるための秘密の合図などが記してあります。
 東土*についたなら、教典の聖なる言葉を注意深く守り、金丹の秘儀*を秘密裏に伝えていきなさい。 それから、守護神(七大天使)たちを与えましょう。彼らは、あなたの手足となってはたらき、いつでも、どこでも、あなたを守ります。」
 無極聖母が合図をすると、七名の守護神(大天使)が現れ、弥勒仏のまえにひざまずいた。
*東土 とうど。中国語。東の地の意。通常は中国をさす。*金丹の秘儀 きんたんのひぎ。金丹術と呼ばれる瞑想法のこと。正典『太乙金華宗旨』を参照のこと。
6.古仏弥勒は下界に降りて教えを説く
 古仏弥勒は、定天仏からは福音を、碧帝からは勅許状を、無極聖母からは金丹術を、不死の仙人からは聖なる宝を授かって、下界に降りた。古仏弥勒は、まず、無影山のまえの地、すなわち、九つの地からなる漢土(中国)に降りた。古仏弥勒は、何度も転生しながら、密かに善男善女を集めていった。そして、明性を何度も西天浄土におくりとどけた。古仏弥勒は、法界を行き来したが、さまざまなすがたに変身していたので、誰も気づかなかった。古仏弥勒は、霊と生気を集中して、老子のすがたに変身した。そして、無影の地にある町に入っていき、そこの三心講堂で教えを説いた。
 この後、古仏弥勒は、バベルの地に転生し、大摩尼と称して、教えを説いた。バベルの地に教えが根付いたのを確認すると、ふたたび漢土に転生し、今度は、無為祖師と称した。無為祖師は、弥勒教を創始し、老大仙に命じて、この教えにふさわしい善男善女を密かに集めた。弥勒童神は、ほほえんで老大仙にお礼を述べると、参列した善男善女に向かって、こう語った。

 「釈迦仏が紅陽会を催している間に、釈迦仏となんらかの縁があって救われるべき者は、みな救われ、西天浄土に還っていった。紅陽会は、りっぱにその使命を果たしたのだ。しかし、紅陽会はもう終わってしまったので、衆生との縁起が切れている。そのため、紅陽会の教えは、もはや残された人々を西天浄土に導く力を失っている。 そこで、新しい縁起を育て、残された人々を救うために、わたし弥勒が白陽会を開いているのだ。ところが、この世には、まだ紅陽会のなごり香が満ちていて、人々はまだ新しい白陽会の教えを受け入れる準備ができていない。そのようなときに、わたしが白蓮の教えをいきなり公言すると、どうなるであろうか? 人々は混乱し、反発するであろう。 そこで、わたしは、まず、名前をかくして、秘密裏に伝教し、白陽会(皇極秘密集会)の準備をすることにした。そのために、わたしとともに、守護神(七大天使)、仏、菩薩、仙人たちもこの世に下った。彼らは素性をかくして、秘密裏に伝教を進め、無数の秘密教団・秘密結社を組織して、弥勒教団創設の準備を進めている。善男善女がたくさん集まって、皇極秘密集会の力が充分に強くなったとき、いっせいに正体を現し、白陽の時代を宣言するのだ。 善男善女よ、今、わたしは、あなたがたに、最大の秘密を開示した。あなたがたは、この不思議な縁によって、わたしの友となっった。友たちよ、白陽の時代をもたらすために、ここにおられる老大仙をはじめ大師たちとともに立ち上がり、白陽の教えを広めてくれるだろうか?」 弥勒童神が、このように問い掛けると、一同は声をそろえて、弥勒童神とともに闘うことを誓った。すると、奇蹟が起こり、一同は、明性を顕わし、太陽天使になった。最初に教えを聞いて悟った者たちは、すぐに明性を目覚めさせ、三災五厄からのがれた。彼らの明性は、《玄爐》、すなわち、秘儀の門をとおって、天に還った。そして、清らかで涼しい霊山にいき、無極聖母に会って、本来の身体を復活させた。もはや永劫に、彼らが輪廻転生することはない。彼らの名前は、八宝の無限光のなかに掲げられている。天上で完成した者たちは、はかりしれない喜びに満たされている。
7.現在
 劫が去って、新たな劫が来たが、人々の多くはいまだ、紅塵にそまって酩酊している。それゆえ、無数の仏、菩薩、大師たちが今も活動を続けている。一つの灯火からもう一つの灯火に火がともり、法の火が受け継がれていき、今日に至っている。十方の聖者たちよ、この儀式の場に現れたまえ。
十方の如来たちに帰依たてまつる。
止めることなく法輪を回して、衆生を救いたまえ。
最高の教えに到達する者は、ごくわずかしかいない。
悟りを得た祖師と大師たちは、階段を降りて雲の上から地上に降りてきた。なぜなら、彼らだけがこの偉大な秘密教義を授けることができ、『九蓮宝巻』を授けることができるからだ。『九蓮宝巻』には、もっとも深遠で神秘的な教えが説かれている。この経典のなかには、万法とその根元が説かれている。この経典は、他のあらゆる経典の精髄であり、もっとも完成された経典であり、解脱のためのもっとも深甚で神秘的な入り口である*。この経典は、三千六百の傍門と、七二の顕教の精髄である。この教典は傷ついた魂をその本性へとたちかえらせ、《赴業了》、つまり、それぞれのカルマにしたがって、それぞれの魂のふさわしい場所へ還らせる。これにより、数億万の衆生が西天浄土に還る。どの一文も、聖者たちの内的な力とむすびついており、どの句も過去と現在をつらぬいており、どの章句も大いなる道を示し、真理を明かしている。この教典は《無縁之人》、つまり、縁がない者を救うことはできない。宿命的な因縁*がない者、不信心な者、教えに逆らう者は救わない。仏たち、菩薩たち、大師たちにしたがう善男善女だけを救う。
*この経典は、……入り口である。 弥勒仏の教えは、過去のすべての教えの集大成であるということを述べている。これはミトラ教の終始一貫した主張である。*宿命的な因縁 過去生におけるつながり、出会い、あるいは、過去生において行なったことが原因となって、今生でこの教えに出会えるということ。
8.来世
 白蓮の教えを奉じる友たちの見果てぬ夢・思い・願いが西天浄土に届くたびに、古仏弥勒は、その夢・思い・願いを九枚の花弁をもつ白蓮華の花に変えて、咲かせる。生前に修行を積んで悟りを得た友は、死後、白蓮華の根に助けられて、輪廻転生の輪から逃れ出て、西天浄土に転生し、自らの夢・思い・願いが咲かせた白蓮華の上に座って、安らぎに満ちた幸福な暮らしをする。 西天浄土には、数え切れぬほどたくさんの白蓮華の花が咲いて、見渡すかぎり、どこまでも広がっている。

 古仏弥勒は、救済活動が終わったとき、白蓮華の花の上に座っている友たちの見果てぬ夢・思い・願いのすべてを受け取って、自分の思いと一つにし、そのエネルギーで新しい光の時代、すなわち白陽の時代を開く。白蓮華の上で、この時を待っていた友たちは、喚起の声を上げながら、いっせいに新たな世の中に転生していく。友たちは、待ちに待った白陽の時代が始まったとき、その中に転生し、見果てぬ夢を実現させる。

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