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2007年8月 8日 (水)

アニメーター

アニメーターは、アニメーションの制作行程においてものを動かす作業を担当する者のこと。セルアニメーションなどで1枚ずつ絵を描く作画作業を担当したり、ストップモーション・アニメーションにおいて人形などを少しずつ動かして、動きを設計する作業を行なう。

[概要] プライベートアニメでは全ての作画作業を1人で行なうことが多いが、商業アニメではほとんどの場合分担制が敷かれ、作画作業は原画と動画に分けられる。原画を担当する者は原画マンと呼ばれ、演出家と担当パートの打ち合わせをし、まず絵コンテを元にレイアウトを描き起こす。レイアウト作業ではカメラワーク、背景用の原図、動きのラフ等の絵を用意する(レイアウトのみ専門的に人を立てる作品もある)。演出はレイアウト上がりがコンテの内容、演出意図とズレがないかを確認し、必要ならば指示を入れ、作画監督(作監)に渡す。演出、作画監督の修正が入り、チェック済みとなったものが、レイアウトバックとして各原画マンに戻される。原画マンが作業するのは動きのキーポイントであり、その間の絵をつなげる作業は動画が担当する。複雑な動きが要求される場合は、あらかじめ原画の間に参考を足すこともある。動画を担当する者は動画マンと呼ばれ、原画と原画の間を補間するように絵を描き、これを中割りと言う。また、ラフに描かれた原画の線を拾いクリーンナップ(清書)作業を行なうのも動画の役割である。一般的に、新人アニメーターは動画を担当し、力を認められると原画を任せられるようになる。更に原画マンが経験を積むと作画監督となる。

作画監督は動きをチェックして修正したり、原画マンごとに異なるキャラクターの解釈をキャラクターデザインに基づいて修正して画面の統一を図る。アニメーター出身の演出の中には作画監督の領域までタッチすることもある。作品によっては作画監督間の絵のバラつきを押さえるために、総作画監督を立てることもある。

複数の原画マンで作画作業を行なう場合、キャラクター毎に原画を分担させる制作体制を取ることもある。この場合、作画の能率が低くなる代わりに、1人のキャラクターを1人の原画マンが一貫して責任を持つため、演技の設計が行ないやすく、また原画マン毎によるキャラクターの解釈(演技や表情)の違いが生じないというメリットがある。これに対して、日本ではカット毎に原画作業を分担することが一般的である。この方式は外注するには都合がよく、能率的ではあるが、短いカットのみの参加だとアニメーターの演技設計がしにくく、画面や演技の統一感が得られなくなるデメリットがある。そのため、この制作体制では作画監督の存在が必要となる。
アニメーターは単に絵が描ければいいだけでなく、キャラクターに演技をつける演技者としての才能も必要である。
色付けを行う工程は「仕上げ」と言い、アニメーターとは別の役職である。

[アニメーターとCG]  1990年代後半からアニメ制作にコンピュータを使うことが一般化したが、アニメーターの作画作業はコンピュータを使わず、従来通り紙に鉛筆で描くのが普通である。動画作業の自動化技術にはトゥーンレンダリングなどが開発されているが人間や動物の表現は手描きに追いついていないのが現状である。3DCGアニメーションの制作では動きをつける者のことをアニメーターと言う。

[アニメーターの労働環境]  アニメーターのほとんどはアニメ制作会社から机を借りて仕事を請け負うフリーランスである。 と言ってもアニメ制作会社との間で人脈が形成されやすく、特定の制作会社だけで仕事をするアニメーターも多い。
賃金は動画の場合1枚いくら、原画の場合は1カットいくらという出来高制が多い。アニメーターを従業員として雇用し固定給制である制作会社はスタジオジブリなど一部しかない。たとえアニメ作品が大ヒットして莫大な収益をあげても、ほとんどのアニメーターには何も無い。1個数円の賃金で封筒貼りや造花づくりなどをするいわゆる「内職のおばちゃん」と同じレベルの扱いで長時間労働させられている、と考えれば分かりやすい。

このように、ほとんどのアニメーターの労働環境は劣悪であるため、若手は育たず、アニメーターの平均年齢を押し上げている。そのため2007年現在、有名アニメーターのほとんどが1950年代から1960年代生まれであり、人手不足に悩まされている。日本のアニメの大半は賃金の安さからも中国、韓国、フィリピンなどの制作会社に部分的に作業を下請けに出している状況である。一度肩書きが良くなってしまうと他方から駄目出しされない縦社会であるため、作画の乱れがあっても、制作した者の立場によって、駄作とされるか個性とされるかが分かれるという昔からの風潮がある。

尚、作画監督の賃金は1話20万~60万円程度が基本となっているが、福利厚生が無く1話辺りの制作期間が2ヶ月程度の為多くは掛け持ち、もしくは会社より拘束料をもらい専属の作画監督になることがある。

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