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2008年4月12日 (土)

「亀」象徴としての黒  亀[伝承,民俗〕


■1.かめ(生簀)
水面の一部を網、タケ、篭などで仕切り、その中で魚を飼っておく装置。代表的なものに、カツオ釣りの生餌として使うイワシを飼っておくいけすがある。巻網でとったイワシは、海上で角材を組んで作った木枠に網をはって作ったいけすに直接移され、基地へ曳航され、カツオ船が買いにくるまで蓄養される。いけすで1週間以上ならしたイワシを〈いけつけイワシ〉と呼ぶ。船にもいけす(活魚倉)があり、漁場まで生かして運ぶ。昔は船底に換水孔を開けて、自然換水に頼っていた。最近はポンプを使って強制換水(1時間に4~6回)するようになり、飼育環境の面でも、また船底の換水孔が不要になったため船の機能の面でも改善された。なお船のいけすのことを活間<いけま>とかかめ(甕)とか呼ぶことも多い。 従来はいけすというと比較的短期間飼っておく小規模のものが想起されたが、近年は養殖に用いられる大規模ないけすもある。内水面ではコイ、ウナギ、海面ではハマチ、マダイなどの養殖に用いられる。網いけすが使われることが最も多い(網いけす養殖)。浮動式、固定式、沈下式があるが、浮動式が最も普及している。形は正方形、長方形、六角形、八角形などさまざま。表層に浮かばせる場合、周囲を海面より高くして魚が跳ね出すのを防ぐ。また天井網をはることもある。天井網をはり、投餌用の特別の開口部をもった網いけすを中層につるしたり、海底に沈めておくことも行われる。魚の成長に合わせ、網目の大きさ、収容密度を変えていかなければならない。
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■2.亀(黒〔象徴としての黒〕)
くろい意を表す漢字は黒のほかに玄があり,古くはむしろこちらのほうが多く使わ れた。玄の字は黒い糸を束ねた形で,かすかで見にくいところから天の色とされ,ま た北方の色とされた。四神の一つ玄武は北方の神で亀または亀と蛇の組合せで表され る。玄武は黒帝ともいう。一般に黒は白の対色である場合と白黒未分の原初の状態の 色を指す場合とを分けて考える必要がある。後者はすべての創造の根源の色であり( これを白とすることもある),その意味でインドのビシュヌ神(創造の根源的エネル ギーの化身),エジプトからギリシア,中世に至る母神(イシス,キュベレ,〈黒い 聖母〉など),ヒンドゥー教のカーリー神,イスラムの聖地メッカの神殿カーバ(お よび,そこにはめこまれた〈聖なる黒石〉)などの黒色が理解される。しかしまた, 黒は地下の色であって,そこから再生,豊饒を意味する色となり,それゆえに母神な どと結びついたともいえる。一般に地下は冥府として地上と対立し,その意味で黒は 生に対する死,光に対する闇,善に対する悪として理解される。まず黒が死ないし喪 <も>の色であることは世界に普遍的な現象で(ただし中国など白の場合もある), 死の国と関係する諸神(エジプトのオシリス,アヌビスなど)に黒を身色とするもの が多い。黒は現世の悦楽を断つという意味で禁欲の色であり,キリスト教,イスラム などの聖職者の黒衣や仏僧の墨染めの衣がこれを示す。さらに進んで,黒を光に対す る闇,善に対する悪を象徴する色とすることも一般的で,黒は悪神・悪霊の身色とな る。なおインドの4階級(カースト)を象徴する4色(白,赤,黄,黒)のうち,黒 は第4のシュードラ(隷属民階級)の色である。
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■3.カメ(妙見)
妙見菩薩の略。北極星を神格化したものといわれ、国土を守護し、災厄を除き、福寿 を増益するという菩薩。尊星王,北辰菩薩ともいう。形像は一定しないが,二臂像, 四臂像の形で,雲中に結跏趺坐する姿,青竜に乗る姿などに描かれる。天台宗園城寺 (三井寺)では吉祥天と同体と説く。これを勧請し延命や除災,とくに眼病平癒のた め修する法を▽北斗七星法という。日本の妙見信仰は平安時代すでに行われていたと みられ,《日本霊異記》には妙見神が霊験を現した話が収められている。妙見菩薩が 異形を現じて盗人をあらわしたという話と,海に漂流していたとき妙見菩薩を念じて 助かった話がそれで,その信仰はかなり広まっていたとみられる。中世には武士の守 護神として敬われ,千葉氏,相馬氏,大内氏など地方の豪族たちによって信仰された が,これは北斗七星中の第七星が破軍星と呼ばれるところから,弓箭の神として崇拝 されたことによる。鎌倉時代の末期に,日蓮宗が千葉氏の帰依を受けると,法華経寺 (現,千葉県市川市)に妙見神が守護神として勧請され,寺領が寄進された。仏教信 仰に属する妙見信仰が,妙見宮に鎮守神としてまつられるようになったのは,このこ ろからであろう。その後,日蓮宗の寺院に多くまつられ,近世初頭に勧請された大阪 府豊能郡能勢町にある真如寺の妙見堂は,〈▽能勢妙見〉として広く名を知られてい る。現在の日蓮宗では,《法華経》を擁護する善神の一つとして,確かな地位を得て いる。東京都墨田区業平にある法性寺は,境内の妙見宮が柳島の妙見として有名で, 江戸の町人から熱狂的な信仰を集めた。妙見宮の前には影向松<ようごうのまつ>が あり,妙見神がこの霊樹に降臨した日(1年に12回)には参詣者でにぎわった。日 蓮宗寺院では毎月朔日<ついたち>が縁日とされ,洗米,神酒,菓子,花などを供え て,七星九曜二十八宿を供養することが行われ,星祭と呼ばれている。なお,現在も 妙見社の多く分布する相馬地方では,勝善神と習合して牛馬の守護神となっており, 熊本県八代市の妙見宮には中国より漂着したという伝説が伝わり,熊本県下の妙見社 は水神的要素が強い。妙見社をまつる地域でカメを飼わないとされているのは,▽四 神のうち北方守護神が,カメとヘビの合体した玄武であることによる。
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■4.亀(竜〔中国〕)
中国では鱗介類(鱗<うろこ>や甲羅を持った生物)の長<かしら>だとされる。 竜は平素は水中にひそみ,水と密接な関係をもち,降雨をもたらすとされる。しかし 竜のより重要な性格は,時がいたれば水を離れて天に昇<のぼ>ることができるとい う点にあり,この地上と超越的な世界を結ぶことに竜の霊性の最大のものがある。仙 人となった黄帝が竜に乗って升天したり,死者が竜あるいは竜船に乗って▽崑崙山に 至るとされるのも,竜のそうした霊性を基礎にした観念である。天子の象徴として竜 が用いられるのもその超越性によるものであり,竜の出現が新帝の即位をあらわす祥 瑞とされ,また天子が儀礼に用いる衣服の文様,十二章の中でも竜が最も重要なもの である。また竜の隠れるもの,変化きわまりないもの(たとえば竜は大きくも小さく もなれる)という特質から,大きな才能をもちながら世に現れぬ人物の比喩にも用い られる。孔子が老子を〈竜の猶<ごと>し〉と言ったのがそれである。  こうした超越的な動物である竜の原像となったのが何であったかについては,さま ざまな推測がなされている。蛇との関係を指摘するのは水との結びつきにより,その 鼻の形から豚,四足のある所から鰐<わに>と関係があるとされ,また天地を結ぶと ころから竜巻を原形としたとする説もある。出土遺物からみれば,後世の竜とつなが る文様や竜形の玉器はすでに新石器文化の中に出現しており,卜辞にも竜の字が方国 ,部族名として見える。▽甲骨文の竜の字に特徴的なのは,その頭上にアンテナのよ うな飾りを戴くことで,これがのちには尺木と呼ばれる竜の角となるもので,竜は尺 木があるので天に升<のぼ>れるのだとされる。《礼記<らいき>》では,竜は鳳, 麟,▽亀とともに四霊の一つとされ(▽鳳凰<ほうおう>,▽麒麟<きりん>),漢 代に成立した▽四神の観念の中では,東方に位置づけられて青竜と呼ばれる。四神の 観念の成立にともなって竜の図像も多数出現するようになるが,そこでの竜は立派な たてがみと足とを持ち,馬との類似性が大きい。竜は天帝の馬だとされ,逆に大きい 馬が竜と呼ばれるのも,竜と馬との習合を示唆しよう。  仏教伝来にともない,仏法を守護する八部衆の一つとしての竜(▽竜王)が中国古 来の竜と重なり合い,四海竜王の観念が中国に定着するのもそうした結果である。仏 典の中では竜王が人間的に活躍するが,中国の小説や戯曲の中に竜王や竜女の物語が 展開するのもまた,そうした外来文化の影響によったものであろう。現在の民話の中 に竜王や竜女がしばしば出現するほか,旧暦2月の春竜節には冬のあいだ眠っていた 竜を呼びおこす種々の行事があり,また▽端午節には竜船の競争が行われるなど,季 節の行事の中に水と豊作をつかさどる竜の農業神的な性格をみることができる。
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■5.亀〔寿命〕
〈鶴は千年、亀は万年〉といわれるが、一般には30~50年のものが多い。飼育 記録としてはアルダブラゾウガメの152年(推定180歳)、カロライナハコガメ の138年、ヨーロッパヌマガメの120年以上というのが知られている。
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■6.亀[伝承,民俗〔中国〕]
《礼記<らいき>》に四つの神秘的な動物,四霊の一つとして,麟<りん>,鳳< ほう>,竜とともに亀が並べられ,亀は甲虫(甲羅をかぶった動物)の長だとされる 。亀のもつ霊力はさまざまな面に現れるが,その第1は未来を予知する能力があると されることである。その予知能力は同じく占いの道具である筮竹<ぜいちく>に勝る とされ,両者の卜占<ぼくせん>の結果が異なったときには▽亀卜の予兆のほうを取 るべきだとされた。殷代に盛んに亀卜が行われたことは,殷墟出土の多量の遺物から も知られ,また周王朝においても先王からの宝亀が伝えられ,政治的な事件や危機の 際に亀卜が行われたことが《尚書》や《詩経》に記されている。《周礼<しゆらい> 》にも亀卜に関係する職務として大卜,卜師,亀人,〓人,占人などの官が整備され ている。亀卜に際しては,亀甲は単に道具として扱われるのではなく,なお生命のあ るもののごとく遇された。卜占に先立って,亀甲に向かって占うべき内容をいいふく めるため〈命亀の辞〉が告げられるのもその現れである。《史記》亀策列伝に,卜占 用の亀甲が月旦(ついたち)ごとに清水で清め卵で祓の礼が加えられるとあるのも, その霊力を保存するための呪術であろう。  亀に未来予知の能力があるのは,その長寿と関連するとされる。亀は千載にして1 尺2寸の大きさとなる。天子はその1尺2寸の亀を占いに用い,諸侯は8寸,大夫は 6寸,士民は4寸と,用いる亀の大きさに身分による差別があって,その大きさは亀 の年齢とも関係して予知の能力の差ともなると考えられていたのであろう。あるいは 亀は三千歳の寿命を得て神秘な能力を示すともいう。その三千歳の亀を火にあぶり突 きくだいて服用すれば,人間も千歳の寿命を得ると《抱朴子<ほうぼくし>》佚文< いつぶん>にいう。亀が長寿であるのは導引など特殊な呼吸法を用いるからだとされ る。亀が行う導引のことはすでに《史記》に見えるが,後漢末の雑記集《異聞記》に は次のような物語が見える。張広定という人物が戦乱から避難する際に,まだ十分に は歩けない幼い女の子を村はずれの墓の中に入れたままにして逃げる。3年の後,も どってきた彼はその骨だけでも捨おうと墓のところにいってみたところ,女の子はま だ生きていた。尋ねてみると,その子は墓中の大きな亀が〈伸頚呑気〉を行っている のをまねて生きのびたのであった。  亀が担うもう一つの重要な神話的な役割は,大地の下にあって大地を支えることで あった。馬王堆漢墓出土の帛画<はくが>にも見られるように,この大地の底には水 生の動物がいると考えられていたが,日本のナマズの伝承につながる大魚などのほか ,亀の一類が地底にあって大地を支えていると考えられる場合もあった。《列仙伝》 には鼇<ごう>(大亀)が蓬莱山を背にのせているとあり,また《列子》にも東海の 三神山が鼇の上にのるという寓話が見える。より古くは,東海の神山ではなく,この 大地自体が亀の背に支えられているという伝承があったものであろう。《淮南子<え なんじ>》に女■<じよか>が鼈(スッポン)の足を断って四極(大地の端にある4 本のむね柱)を立てたとあるのも同じ伝承につながる。また道教経典の中で▽西王母 が〈亀山〉にいるとされるのも,西王母の大地を鎮める女神としての性格と結びつい て,大地の下に亀がいるという観念の反映であろう。沂南<きなん>の画像石墓では ,神山の上に座る西王母の下に亀が描かれている。  なお,元,明のころより,亀は,妻の淫奔<いんぽん>を阻止できない夫の意とし て,ののしりのことばに用いられるようになること,《■余叢考》諱亀の条などに詳 しい。近世になり亀の価値が,このようにほとんど逆転することについてはいくつか の説明があるが,その基礎にあるのは次のような観念の変質であろう。すなわち四霊 の後をうける四神のうち,北方に位置する玄武が亀と蛇とがからみ合った形で描かれ ていて,その背後には冬の季節に世界の復活をもたらす宇宙的な聖婚が行われるとい う観念が存在したことをうかがわせるが,その聖婚の性的な意味が俗化して淫奔と受 けとられるようになった。これが亀に対する価値観の転換をもたらしたと考えられる のである。
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■7.亀[伝承,民俗〔日本〕]
日本では亀は長寿の象徴であり縁起のよいものとして鶴と並べて祝いの飾りに用い られる。これを長寿とするのは冬季地下に入って春に出現するのを再生と考えたから であろう。この背に緑藻が付着しているものは蓑亀<みのがめ>と呼ばれてとくに喜 ばれた。海亀は古くから海の神の使者と考えられ,浦島太郎の伝説のようにこれによ って海神の宮に往復しうると考えられた。とくに南海に多く見られる青海亀は漁民に 珍重され,これを見ると酒を飲ませて放ち豊漁を祈る。海浜にきて砂中に産卵するが ,その場所がなぎさに近いか遠いかでその年の波の高さ,すなわち荒天の有無を判断 し,産卵の場所にしめ縄を張って孵化,成育を祈らせる土地も淡路島などにあった。 他方で,近世この甲に加工して櫛,笄<こうがい>などをつくり,南洋産の玳瑁<た いまい>甲の模造品とするようになった。また,淡水産の亀であるスッポンは精力を つけるとして食用とされるが,甲羅が円形なので,形が似ながらまったく異なるもの のたとえとして〈月とすっぽん〉のことわざがある。
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■8.亀[伝承,民俗〔インド,その他〕]
亀はその特殊な形状,強い生命力などからして,世界各地で種々の象徴的意味を担 った。インドの世界創造神話(《シャタパタ・ブラーフマナ》VII:5:1:2) では,創造者のプラジャーパティPrajapatiによってつくられた亀の腹の甲 が地に背の甲が天に,亀の体は大気になったという。丸く盛り上がった背の甲は天空 を,平たい腹の甲は地を思わせるからである。ビシュヌ神の十の化身の一つクールマ アバターラは亀(クールマ)の姿をとる。またインドでは亀はヤムナー川の女神の乗 物の役をも務めている。中国,韓国では亀跌<きく>と称して石碑の台に亀の石彫を 用いるのがふつうである。中国では亀は神亀,霊亀などと称され,その甲の文様(亀 甲紋,亀背紋)は吉祥の意味をもって衣料,家具その他に多用される。古代西アジア の陶器画に描かれる亀は,おそらく水の象徴であろう。北アメリカの原住民の神話に も亀は主要な役を担っている。
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■9.亀[伝承,民俗〔西洋〕]
《イソップ物語》の〈兎と亀〉の話が示すように,亀はもっぱら堅実・勤勉の象徴 とされるが,同書には鷲の忠告を聞かず飛ぶことを望んで墜落した頑固者の亀の話も ある。図像表現では豊饒<ほうじよう>多産のほか,特異な寓意として女性の貞節( 家=甲羅から出ず寡黙)を表す。なお,俊足のアキレウスがのろい亀を追いこせない というパラドックスは,エレアのゼノンの名とともに有名。
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中国古代文字、甲骨文字に使われた亀甲他
亀・カメ・かめに関する情報が満載興味深いHP 亀博物館 http://www.delco.co.jp/designmuseum/muse-de-turtese/kame_home.html

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