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2008年12月20日 (土)

伊藤若冲の大作「象鯨図屏風」、北陸の旧家で見つかる

江戸時代中期の画家で、細密描写による花鳥画で知られる伊藤若冲(じゃくちゅう)(1716~1800)の「象鯨図屏風(ぞうくじらずびょうぶ)」が、北陸地方の旧家で見つかった。画風や落款から、若冲が最晩年に描いたと推定され、専門家は「高齢になってからの大作は少なく、若冲を研究するうえで重要な発見だ」と話している。

 屏風は、六曲一双(各縦1・59メートル、横3・54メートル)で、右隻に波際に、うずくまって鼻を高く上げる白象、左隻には潮を噴き上げる鯨が水墨で描かれている。

 今年8月、北陸地方の旧家を訪れた美術関係者が発見し、滋賀県甲賀市の美術館「MIHO MUSEUM」で鑑定。屏風には、「米斗翁八十二歳画」の落款があるほか、「若冲居士」の朱印が押されていた。

 若冲は晩年、「米斗翁(べいとおう)」と名乗ったとされ、波頭の独特な描写などからも真作と判断した。1795年頃の作品とみられる。

 屏風は現在、同館で保管されており、一部に修復が必要だが、保存状態は良いという。同館の辻惟雄館長は「若冲が最晩年まで力強い表現力を持っていたことがわかり、大変、興味深い」と話している。

 河野元昭・東京大名誉教授(日本近世絵画史)の話「白と黒の対比による美しさ、屏風からはみ出んばかりの大胆な構図など、想像力に圧倒される。若冲の水墨画の大傑作といえるだろう」
【読売新聞 2008年12月20日】

若冲、最晩年の大作屏風 北陸の旧家で『象鯨図』発見

 江戸時代半ばに活躍した日本画家伊藤若冲(じゃくちゅう)の「象鯨図屏風(びょうぶ)」が、北陸地方の旧家から見つかった。最晩年の大作とみられる。これまで存在は研究者にも知られておらず、貴重な発見となりそうだ。 
 屏風は六曲一双(各縦一五九・四センチ、横三五四・〇センチ)で、右隻(うせき)に鼻を空に向けて水辺にうずくまる白いゾウが、左隻には潮を吹き上げながら水中に潜ろうとする黒いクジラが、中国伝来という紙に墨で描かれている。

 石川県の美術関係者を通じて、MIHO MUSEUM(滋賀県)の辻惟雄(のぶお)館長に鑑定の依頼があった。辻館長は▽波頭の独特な描写▽スケールの大きさ▽ゾウを描いた他作品との酷似-などから真作と判断した。一七九五年ごろの作と推定される。

 図柄が似た屏風は一九二八(昭和三)年、大阪美術倶楽部(くらぶ)の売り立て目録に掲載後に行方不明となった幻の作品がある。今回の作品は渦巻く波の迫力が増し、ゾウの尾やボタンの花が加わった点などが異なる。

 確認された屏風からは若冲の号などを示す「米斗翁八十二歳画」の落款や「若冲居士」の印が読み取れる。箱書きはないが、辻館長は「前作の評判が良かったことからもう一枚描いたのでは」と話す。同館によると、所有者の祖父の代からあり、ここ数十年は箱に入ったまま蔵で眠っていたという。保存状態は比較的良好だが一部修復が必要で、公開は早くても二〇〇九年秋以降になる見通し。

 <伊藤若冲> 1716-1800年。京都の青物問屋の長男として生まれ、20代で絵を学んだ。大胆な構図と細密な描写から“奇想の画家”とも呼ばれる。代表作に「仙人掌(さぼてん)群鶏図」(重要文化財)「菜虫譜」など。
【東京新聞 2008年12月20日 夕刊】

Iwylsjm
伊藤 若冲 1716 - 1800
http://www.shokoku-ji.or.jp/jotenkaku/person/ito_jakuchu.html

「若冲と江戸絵画」展 公式ブログフォトライフ
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