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2009年2月15日 (日)

一つの蒸気、一つの水滴もこれを殺すのに十分である

人間は、自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない。しかしそれは考える葦である。
L'homme n'est qu'un roseau, le plus faible de la nature; mais c'est un roseau pensant.

これを押し潰すのに宇宙全体が武装する必要はない。 一つの蒸気、一つの水滴もこれを殺すのに十分である。
しかし宇宙がこれを押し潰すとしても、そのとき人間は、人間を殺すこのものよりも、崇高であろう。
なぜなら人間は、自分の死ぬことを、それから宇宙が自分よりずっと勝っていることを知っているからである。宇宙は何も知らない。

パスカルの断片集『パンセ』

Pensées

好奇心は虚栄以外のなにものでもない。ほとんどの場合、話すためにだけ、人は知ることを欲する。
Curiosité n'est que vanité. Le plus souvent, on ne veut savoir que pour en parler.
神は無限の球である。その中心は到るところにあり、その円周はどこにもない。
Dieu est une sphère infinie, dont le centre est partout et la circonférence nulle part.
死はその危険なしにそれを考えるよりも、それを考えずに受けたほうが、より容易である。
Entre nous, et l`enfer ou le ciel, il n`y a que vie entre deux, que est la chose du monde le plus fragile.
すべてのものが確かであるということは確実ではない。
Il n'est pas certain que tout soit certain.
真の道徳は道徳から楽しみをもたらす。
La vraie morale se moque de la morale.
感情には、理性にはまったく知られぬ感情の理屈がある。
Le coeur a ses raisons que la raison ne connaît point.
クレオパトラの鼻。もしそれがもう少し低かったら、世界の顔は変わったであろう。
Le nez de Cléopâtre : s'il eût été plus court, toute la face de la terre aurait été changé.
沈黙していることは最大の責め苦である。聖人でさえ己に沈黙を課し得ない。
Le silence est la plus grande persécution; jamais les saints ne se sont tus.
すべての人間は、本性によって、互いを憎み合う。
Tous les hommes se haïssent naturellement l'un l'autre.
哲学を嘲笑するものこそ、真に哲学者である。
Se moquer de la philosophie, c'est vraiment philosopher.

正義が守られえないところでは、力が正義とされる。
Ne pouvant fortifier la justice, on a justifié la force.
己が真理を保持していると信じるのは人間の生まれつきの病である。
C'est une maladie naturelle à l'homme de croire qu'il possède la vérité.

パンセ (Wikipedia)
パンセ(仏:pensée あるいは Pensées)とは、フランス語で「思想」、「思考」の意味。日本では主にブレーズ・パスカルの断片集『パンセ』を指して使われる。『パンセ』は、パスカルが晩年に、ある書物を構想しつつ書きつづった断片的なノートを、彼の死後に編纂して刊行した遺著。

[] バージョン
『パンセ』初版の正式題名の和訳は、『宗教および他のいくつかの問題に関するパスカル氏の諸考察 — 氏の死後にその書類中より発見されたるもの』。 初版であるポール・ロワイヤル版は1669年に印刷され、1670年に発刊された。 編者により収録される断片に異同があるため数種の『パンセ』が存在し、断章番号はそれぞれで異なる。ブランシュヴィク版、パリ国立図書館蔵の自筆原稿集、第一写本、第二写本、ポール・ロワイヤル版、ラフュマ版などの各版があり、現在でも新たな編集の試みが続けられている。 日本では、これまでに『瞑想録』などの和訳題名により紹介された。

[] ジャンル
『パンセ』全体は様々なジャンルに属する、と人々から見なされてきた。傑出した知性による思索の書、人生論、モラリスト文学、宗教書、等々。もともとパスカルの意図としては、護教書執筆の構想があり、それの材料となる断片を書きためていたらしいということが諸研究により次第に明らかになってきた。もっとも、それを踏まえたとしても『パンセ』はその思索・思想の奥深さと、つきつけてくるテーマの多様性と鋭さなどにより、やはり護教書に留まるものではないと見なされている。人間の欲望の構造、個人と共同体の問題、他者の存在によって想像的な自我が生ずること、認識と視点・言語との関係、テキスト解釈と暗号の問題、等々の重要で深遠なテーマが扱われており、特定の思想的・宗教的な立場を超えており、現代でもそのテーマの重要性は変わっていない。それゆえ現代でも世界中の人々によって読み継がれているのである。

『パンセ』は箴言を多数含んでいることでも知られている。 例えば「人間は考える葦である」(にんげんはかんがえるあしである)という有名な言葉も『パンセ』の中にパスカルが残した言葉である。「人間はひとくきの葦にすぎず、自然の中で最も弱いものである。しかし、考える葦である。」がおおよその訳である。 “葦のように人間はひ弱いものであるが、思考を行う点で他の動物とは異なっている”という事を示す言葉と言われている。

また「クレオパトラの鼻。それがもっと短かったなら、大地の全表面は変わっていただろう。」も有名である。この表現を聞く現代人の中には「バタフライ効果」や「複雑系」という用語を連想する人もいるのではないだろうか。

「心情は、理性の知らない、それ自身の理性を持っている。」は、1990年にベストセラーになった「7つの習慣」でも引用されている。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ブレーズ・パスカル(1623年6月19日 - 1662年8月19日)
フランスの数学者・物理学者・哲学者

言葉はいろいろに配列され、いろいろの意味をとる。また意味はいろいろに配列されて異なる効果を生む。

同じ思考でも配置を換えるなら別のメッセージになるはずなのである。同じ言葉でも、並べ方を変えるなら、別の思想を構成するはずなのだ。

著作を拵えていて一番あとに気がつくことは、何を一番初めに置いたらよいかを知らなければならないということである。

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