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2009年12月26日 (土)

未来を予測するコンピューターが記録した童話 1

 一人の少年がいた。
 少年は、海底油田の見習工だった。あるとき、油田所属の電波塔の修理の手伝いをしながら、なにかのはずみで、空中服をつけずに、海面におどり出るるということがあって以来、その不思議な感覚を忘れられなくなってしまった。しかしこういうことは、健康管理のうえからも厳禁されていたことだ。見つかれば罰をうけなければならない。
少年は誰にも言わず、こっそり自分だけの秘密にしておかなければならなかった。
 
 だが、風がが皮膚から何かをうばっていく、あの不安な感じが忘れられず、さそわれるように、街をはなれて、遠くに泳ぎだすことが多くなった。
 行く先は、きまって昔陸地だったといわれる、高台だった。そういう場所では、潮が満ち干する時刻、とくべつ流れの早い水の帯や渦ができて、海底の泥がまきあがり、縞になったり、動く岩の形になったり、靄の壁になったりする。
 少年はそれを見て、地上の雲のことを想像した。むろん今だって、空には雲があるし、理科の時間には、フィルムで実物を見せてもらったこともある。だが、現在の雲は単調だ。昔、まだ大きな陸地が地球を覆っていた時代、その複雑な地形は、雲の形にも無数の変化をあたえたものだという。空一面に、そんな、夢のような物のかたちが浮んでいるなんて、昔の地上人たちは、一体どんな気持でそれを見ていたのだろう?

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羽衣ストーブ館

  • 静岡新聞 2001年5月22日記事
    フランスを中心としてヨーロッパで製造されたアンティークストーブ100点以上はひとりの日本人個人によって南仏を中心に長期コレクションされたものであります。 ◆南仏より海を渡ってやってきたアンティークストーブ100台たちは清水港へ上陸して、東海大学社会教育センターに移築した江戸時代に作られた曲り屋の屋敷のなかに展示された。 ◆鋳物ストーブ100台たちは、その後も数奇な運命をたどることになる。
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    タロットアルカナの22枚には、世界の変化を表すことが記されています。カードの意味を知るには、図案のもつ表のイメージから解放されることが大切です。

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    兆しを理解して現実なるものを深くたのしく感知する訓練カードです。 タロットを機能させるには慣れ親しむことからはじまります。 まだ目には見えていない物事や潜在的な事柄を導き出す道具でもあります。 各アイコンをクリックすると、21のカードが観れます。