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2009年12月 4日 (金)

『アイヌ神謡集』を語るル・クレジオ

シンポジウム:ル・クレジオさん招き 少数民族の価値観の重要性で意見交換 /北海道

 08年のノーベル文学賞を受賞したフランスの作家、ル・クレジオさんを迎えてのシンポジウム「先住民族の語りと文学」が2日夜、札幌市北区の北海道大学学術交流会館であった。アイヌ民族の口承文芸や少数民族の価値観の重要性などについて意見を交わした。

 北大アイヌ・先住民研究センターが主催。「アイヌ神謡集」著者、知里幸恵さんの記念館設立に尽力する作家の津島佑子さん▽札幌市在住の作家の池澤夏樹さん▽アイヌ民族のアーティストグループ「アイヌ・アート・プロジェクト」の結城幸司代表も出席し、約400人が集まった。

 アイヌ神謡集の仏語版にも協力し、世界の少数民族に造詣が深いル・クレジオさんは「文学の真意は平和のイメージを与えることではないか。一方、語り手の芸術は、平和や静かな生活に資することであり、文学者の使命と重なる」と指摘し、「アイヌ民族など少数民族は、現代の産業社会で我々が陥っている問題の一つの解決方法を示唆してくれる」と話した。

 津島さんは「19歳で亡くなった知里さんが、もしあと10年長く生きていたら、今の文学や日本の民族性は違っていたのではないか。逆に言うと、それだけ文学には力があるということを示してくれている」と話した。

 シンポの幕開けにアイヌ語と日本語によるホロケウカムイ(オオカミ)の語りを披露した結城さんは「かわいそうだと思われる目線よりも、必要だと言われることがこんなに勇気をもらえる」と感想を語った。
【毎日新聞2009年12月4日 地方版】

『アイヌ神謡集』について
 アイヌの伝承文学の中で、物語性をもったものは大きく分けて「神謡」(カムイユカラ、オイナ)「英雄叙事詩」(ユーカラ、サコロペ、ハウキ)「散文説話」(ウエペケレ、トゥイタク)の三つに分けることができるそうです。
 このうち、「神謡」は、短く繰り返されるメロディに乗せて、個々の物語に固有のリフレインがひんぱんに挿入される点を特徴とします。語られるときの所要時間は数分から十数分程度で、動物や自然現象などの神が、神々の世界や人間世界で体験した自分の身の上を物語る、というかたちをとっています。
 編訳者の知里幸惠の死後、大正12(1923)年に東京郷土研究社から出版された『アイヌ神謡集』の中には、13編の「神謡」が収められています。アイヌである知里幸惠自らが、口伝で伝えられてきたアイヌ語を、出来るだけ発音に近いようにローマ字で書き表し、それらを、平易で洗練された日本語に口語訳しています。
 『アイヌ神謡集』は、アイヌ自身の手によって最初に出版された伝承文学集として、現在も大きな意義をもっていると言えるのではないでしょうか。
http://www.nextftp.com/y_misa/sinyo/chiri.html

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