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2010年1月18日 (月)

ひとは何も知ってはいない

Am6

帆船にのせて私を連れさってください
古くてやさしい帆かけ船に船首にでも
お望みあらば泡の中を
そして私を捨ててくれ遠くへ遠くへ
馬車の馬の間に
雪のニセ物のビロードの上に
犬ぞりの犬の荒い息遣いの中を
枯葉のしなびた群れの中を
私を連れさってくれ私を壊すことなく
接吻につつんで盛り上がったりへこんだりする胸の中で
手のひらのカーペットの上その微笑の中で運んでくれ
骨と関節からなる廊下の中を
私を連れさってくれあるいはむしろ埋めてくれ

アンリ・ミショーは社会的不適応や自己と社会との齟齬、現実社会での居心地を詩に表した。社会への不適応によって次第に孤独となり、船乗りという道を選択した。
1920年代ダダイスムにつづいて「シュールレアリスム」の流れをくんだ。ヘーゲルの哲学、フロイトの深層心理学、アポリネールの詩法、キリコの画風などの影響のもとに、意識下の世界や不合理・非現実の世界を探求し、既成の美学・道徳とは一線を隔した絵画とポエジーの実験を繰り広げる。

Kitazawa01 ----------------------------------------------------------------------------
アンリ・ミショーの著作
「循環する狂気の場合」(1922) 「かつての私」 (1927) 「エクアドル」「わが領土」(1929)
「プリュームという男」(1930)  「アジアにおける一野蛮人」(1933) 「夜動く」(1935)
「グランド・ガラバーニュの旅」「中心と不在の間で」(1936) 「プリューム~遠き内部」(1938)
「魔法の国にて」「熱帯樹」(1941) 「試練・悪魔祓い」(1945)
「ここ、ポドマ」「アパリシオン」「絵画とデッサン」(1946) 「われら今も二人」(1948) 
「襞の中の人生」(1949) 「パッサージュ」(1950) 「閂に向き合って」(1954)
「みじめな奇蹟」(1956) 「荒れ騒ぐ無限」(1957) 「砕け散るものの中の平和」(1959)
「深淵による認識」(1961) 「風と埃」(1962) 「精神の大いなる試練」(1966) 「夢の見方・目覚め方」(1969) 「角の杭」(1971) 「噴出するもの~湧出するもの」(1972) 「様々な瞬間」(1973) 「逃れゆくものに向き合って」「中国の表意文字」(1975) 「被災者」(1976) 「不服従への道」(1980)
「だまして」「発端」「熱狂せる庭園」「顔の叫び」(1983)
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 彼はほんの少し前から描いている。想像的な活動において位置を変えることは、それ自体最も奇妙な旅の一つである。奇妙なうっ血除去、話す、書くという自我の一部分を眠らせること(部分ではなくて、むしろ結合のシステム)。描き始める時は、操車場を変えるのだ。言葉/思考、言葉/イメージ、言葉/感情という言葉の建造物は姿を消し、めまいを伴いながらひどく簡単に見失われる。それは、もうそこには存在しない。発芽は停止する。夜。局部的な死。さらなる願望、話す欲求。最も興味を感じていた頭の部分がさめてしまう。それは驚くべき経験である。別の窓から世界を見出す時の、やはり奇妙な感動。まるで子どものように、歩くことを覚えねばならない。

ひとは何も知ってはいない。
『絵画』 (1939年) アンリ・ミショー

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