« 自民離党者は週明けもつづく | トップページ | 「正しい戦争」は本当にあるのか »

2010年4月 5日 (月)

『戦争解禁』―アメリカは何故、いらない戦争をしてしまったのか

藤原 帰一

世界はさらなる戦火へ。負け続けるアメリカの、次の手を読む。
「イラク戦争は終わっていません。それどころか拡大して、アメリカは負けつつある」
「私はすべての戦争に反対するという立場は取らない。だからといって、すべての戦争に賛成する必要はないし、不必要は戦争は避けなければいけない」

アメリカが間違っているのは手段か、それとも目的か。アフガン戦争、イラク戦争に「正解」はあるのか。ベトナム戦争とイラク戦争はどう違うのか。<憎しみの連鎖>を断ち切る方法はあるのか。世界は戦争に「慣れて」いくのか。

ロングセラー『「正しい戦争」は本当にあるのか』に続く、ロッキング・オンからの藤原帰一本第2弾! 日本を代表する国際政治学者、藤原帰一は9・11事件からイラク戦争、そして現在までの流れを誰よりも正確に分析、予言してきた。
本書は著者の本領である、21世紀の世界の大きな流れをあくまでも冷静にわかりやすく解説すると同時に、著者がなぜ、これほど「当たる」分析ができるのか、その思考回路の軌跡もたどれる。時事評論インタヴューの体裁ながら、実は、戦争の論理、平和の論理、テロリズムの論理、覇権国の軍事パラドクス、そしてアメリカ、アジア、中東、ヨーロッパの未来、そのすべてがわかる、貴重な一冊です。 (「BOOK」データベースより)

Kiichi
 9・11直後から最近までのインタビューをまとめて読み返すと,藤原教授の分析の多くが,インタビュー後,現実に「的中」していたことが分かる,という趣向の一冊。
 アメリカは,テロに対して刑事警察的に(テロ予防中心に)対応すべきだったのに,テロ組織相手に戦争を仕掛けてしまった,という分析がメインだが,この分析に納得する人は戦争を回避し,納得しない人は日本においても戦争を解禁せよと息巻くことでしょう。
 藤原教授のシニカルで冷静な言葉をかみしめつつ,歴史分析の意義を味わえば,民主主義のための戦争を全面的には肯定できなくなるはずです。
 『「正しい戦争」は本当にあるのか』の続編として,今後読み継がれる価値のあるインタビューです。インタビュアー(渋谷陽一)のロック魂も,意外と爽やかです。
【Amazonレビュー】

 藤原の本は『「正しい戦争」は本当にあるのか』(03)に続いて、実はたった2冊目。そう断った上で言わせてもらえば、この人は理論や法則を立てるより、このインタビューみたいに時々刻々の国際情勢を分析する方に長けている気がする。
 もちろん、例えば何度か繰り返される「米国は植民地を直接支配しない」っていう言明は、歴史的一貫性を持つ米国という主体を理論的に想定している。でも、そういう作業仮説や概念や図式の抽象度を必要以上に高めることには、とても禁欲的。だから相当に込み入った話でも、言葉が平明で頭にスッと入ってくる。つまり、知的で上品。
 「戦争解禁」というのは、本来は刑事事件として対処すべきだった9・11に米国が報復戦争で応じてしまった事実が、核兵器使用も含めた安易な戦争の解禁サインを世界に発してしまったのでは、という含意。私はそう思わないが、藤原は楽観的見通しの盲点を見つける能力に自信を持っているようだから、そうかもしれない。
 今、米国はオバマの勝利宣言で沸いていて、本邦でもオバマと同音の自治体が盛り上がったりしているワケだが、藤原の「中東はこれから、どんどん悪くなります」という断言は重い。イラクの安定という観点から考えて米国の直接統治か撤兵か、いずれが望ましいのかという質問に、ゲストの酒井啓子は、結局イラク人同士が血を流して決着をつけない限り、最終的な解決はないという答え方をした。それを藤原が、ここまで壊れたら簡単には手は出せない、犠牲が出ることは承知で待つしかないと補う。政治学者というのも、因果な商売だ。
 戦争は国家の当然の権利だ、自分は絶対平和論者ではないと強調する藤原の頭の中で、現在の国際情勢において肯定され得る戦争としては、例えば北朝鮮の暴発に対する日本の防衛戦争が想定されているのではないかと、私は想像する。ま、その前にやるべきことは多いのだが…
【Amazonレビュー】   

季刊誌『SIGHT』に2001年から2007年まで連載されていたインタビュー集。
専門分野の知識がなくても、戦争政治を理解できる内容が痛快だ。
雑誌ではほとんど読んでいたが、単行本という編集工程の重要さを感じさせる。

« 自民離党者は週明けもつづく | トップページ | 「正しい戦争」は本当にあるのか »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
無料ブログはココログ

羽衣ストーブ館

  • 静岡新聞 2001年5月22日記事
    フランスを中心としてヨーロッパで製造されたアンティークストーブ100点以上はひとりの日本人個人によって南仏を中心に長期コレクションされたものであります。 ◆南仏より海を渡ってやってきたアンティークストーブ100台たちは清水港へ上陸して、東海大学社会教育センターに移築した江戸時代に作られた曲り屋の屋敷のなかに展示された。 ◆鋳物ストーブ100台たちは、その後も数奇な運命をたどることになる。
フォト

22カードの意味

  • _0 愚者
    タロットアルカナの22枚には、世界の変化を表すことが記されています。カードの意味を知るには、図案のもつ表のイメージから解放されることが大切です。

オンライン状態

ペンギンタロットの原画

  • 0の愚者から21の宇宙(世界)まででひとつの話が結ばれる
    兆しを理解して現実なるものを深くたのしく感知する訓練カードです。 タロットを機能させるには慣れ親しむことからはじまります。 まだ目には見えていない物事や潜在的な事柄を導き出す道具でもあります。 各アイコンをクリックすると、21のカードが観れます。