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2010年6月25日 (金)

「悪魔祓い」ル・クレジオ (岩波文庫)

インディオの世界をはじめて眼にしたときの驚きと、無文字社会に生きながらも、あらゆる書字言語(エクリチュール)に先行する叡智を保持し、近代人の病である〈所有〉という概念に抵抗するインディオ社会の宇宙観。

西欧世界とはまったく異質な輪郭と色彩をもつインディオの世界認識のありかたを称揚し、ヨーロッパ文明とインディオ社会のヴィジョンの対立をストレートに描く、ル・クレジオの記念碑的著作。失われた土着の宇宙観とその残照を擁護する、現代文明批判の書。

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「20年ほど前のこと、1970年から1974年まで、ぼくはパナマのダリエン地方に住むアメリカ先住民の人々、エンベラ族およびその親族にあたるワウナナ族と、生活をともにする機会を得た。この経験は、ぼくの人生をすっかり変えた。世界および芸術についての考え方、他の人々との付き合い方、歩き方、食べ方、愛し方、眠り方、さらには夢にいたるまで、すべてを変えた。」

「激しい肉体的衝撃でした。生活は本当にきつかった。暑かったし、遠くまで徒歩でかけずり回らねばなりませんでした。自己鍛錬が必要でした。(……)この瞬間から、私は純粋に頭脳だけの人間であることをやめました。自分はそれを目指さなければいけない、こうした非頭脳性こそが、将来書く本の糧となりうるだろう、と気づいたのです。」
「〔インディオの世界とわれわれの世界では〕何もかも違っています。時間についての考え方、人間の魂についての考え方、人生の目的についての考え方。たとえば私たちは、必ずしも産み殖やしたり子供たちに実のある遺産を遺したりするために、この世に生きているわけではありません。私たちの役割はきっと、自分たちの生きる環境を損なわずに、そのあるがままの状態を子供たちが受け継ぐことができるようにすることでしょう。」

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