« つりたくにこ 1947~1985 | トップページ | 若林 奮 Dog Field DRAWING 1980-1992 »

2010年7月11日 (日)

「セブンローズ」とは何を示しているのか

井上ひさし「東京セブンローズ」
「あるとき文部省を辞めた人が神田の古本屋にやってきた。それが占領軍のローマ字化計画に関する秘密資料だった。われわれの世代は軍国主義の大きな流れにさらされ、その後、今度はローマ字旋風に巻き込まれた。どうしてこうも右往左往しなければならないのか。手にいれた資料で『ああそうだったのか』と分かった。それでどうしても書きたいと思った」
井上ひさしさんが『東京セブンローズ』を書いたのは豊かな表記法のある言葉へ想いだった。作品はすべて旧字、旧仮名で書かれて、読み進むうちに表記法も魅力となっていく。

77rose GHQの日本語簡略化担当官が「きみたち日本人のためを思って」とローマ字化を押し付けるのだが、主人公の団扇屋は反対した。文字政策、言語政策というものを動かしてほしくない。「一生懸命に生きているうちに自然と思想犯になってしまった」占領目的阻害の疑いで三度思想犯として逮捕される。
「こんなに簡單に人間の考へが變へられるといふなら、なぜ娘が燒夷彈の直撃を喰らふ前に變へてくれなかつたのだ」と何度留置場に入れられれば気が済むことやら。そして「東京セブンローズ」と呼ばれる七人の高級娼婦ふたりは団扇屋の娘なのだが米軍高官を手玉にとっていくのだった。「セブンローズ」とは何を示しているのか驚きと笑いが仕掛けられている。

●井上ひさし「東京セブンローズ」を巡る
昭和20年当時の東京とその近郊がよく書かれており何回読み直しても面白い長編小説。
主人公は「本郷区根津宮永町三十五番地。団扇職人兼団扇店経営。現在は請材料不足のため無職。」、と書かれており、俗にいうと根津の団扇屋なのです。この主人公は山中信介53歳で、昭和20年4月から昭和21年4月までの一年間を日記風に書いています。
http://www.tokyo-kurenaidan.com/inoue-seven1.htm

« つりたくにこ 1947~1985 | トップページ | 若林 奮 Dog Field DRAWING 1980-1992 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ

羽衣ストーブ館

  • 静岡新聞 2001年5月22日記事
    フランスを中心としてヨーロッパで製造されたアンティークストーブ100点以上はひとりの日本人個人によって南仏を中心に長期コレクションされたものであります。 ◆南仏より海を渡ってやってきたアンティークストーブ100台たちは清水港へ上陸して、東海大学社会教育センターに移築した江戸時代に作られた曲り屋の屋敷のなかに展示された。 ◆鋳物ストーブ100台たちは、その後も数奇な運命をたどることになる。
フォト

22カードの意味

  • _0 愚者
    タロットアルカナの22枚には、世界の変化を表すことが記されています。カードの意味を知るには、図案のもつ表のイメージから解放されることが大切です。

オンライン状態

ペンギンタロットの原画

  • 0の愚者から21の宇宙(世界)まででひとつの話が結ばれる
    兆しを理解して現実なるものを深くたのしく感知する訓練カードです。 タロットを機能させるには慣れ親しむことからはじまります。 まだ目には見えていない物事や潜在的な事柄を導き出す道具でもあります。 各アイコンをクリックすると、21のカードが観れます。