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2010年8月17日 (火)

「夜を想像せよ」ジャン・チボードー

 それゆえ夜を想像せよ、夜を想像せよ、想像せよそれがそうであるに違いないところを思い見よ、深さと爽やかさ、この角度から、想えそして、限を開き、つねにずっと前から開いた両眼をもって、最初は分け入りがたいこの闇のなかに、それがどんなものかを見よ、あなたが想い、見つめ、今や、存在するものを見よ、例えば影があらゆる場所を覆っているにもかかわらず、しかしそれはついに明るくなり立ち上り、結局説明しえない色だがすみれと強烈な育と白に彼処夜は色づき、あなたは、まわりを、壁の上をよぎるもっと薄色の霜のような縁取りに気つく、そしてそのときこんどは、じきに、なんという現実感であろう。

そして。落ちて行く途中に、そんなにすばやく、限を閉じて。狂った。テーブルの上で、テーブル掛けはなんどもなんどもぐるぐる巻きにされ、明るい光る木地の上に下着や敷布が拡げられている。外の、魔の上には、だんだん厚く、だんだん白くなる雪の層。すべてが混じり合い、すべての物音が封じこめられていくままに。そして私は寒く、狂った、それは述べおえられた、物語

Jean Thibaudeau
ジャン・チボードーは1935年フランス北西部のラ・ロッシュ=シュル=ヨンに生れれる。少年期をフランスとアフリカで過したが、二十五歳のとき発表した処女作「王の儀式」でフェネオン賞を受け、その後ソレルス、J・P・ファイユらと前衛的な文芸誌「テル・ケル」 の同人としてユニークな創作活動を続け、かたわら「フランシス・ポンジュ論」などの作家論やサンギネティーカプリツィオ・イタリアーノ」の翻訳にも手を染めている。
 「夜を想像せよ」は、前作「序曲」と同じく「テルケル」誌に発表され、1968年テルケル叢書の一冊として刊行されたもので、「序曲」につながる作品だが、前作が甘美でイノセントな生と愛をめぐって展開される《私》の意識を中心に、意識をよぎる死の予兆のような翳りが点在する生々しい実存感覚を言葉の感触によって〔現在〕化し〔言語〕化していくのが、この作品では、青春の不安を象徴する暗闇の世界を求心的に志向し、その内臓的な強迫感覚のなかで重苦しくのしかかってくる死の意識を原点として慕える《私》の意識の軌跡を描きあげている。

Une ceremonie royale, Paris, ed. de Minuit, 1960.
Ouverture, Paris, editions du Seuil, 1966.
Ponge, Paris, Gallimard, Collection La bibliotheque ideale, 1967
Imaginez la nuit, roman, Paris, ed. du Seuil, Collection Tel Quel, 1968
Mai 1968 en France, precede de Printemps rouge par Philippe Sollers, Paris, ed. du Seuil, Collection Tel Quel, 1970. Re-edition Phonurgia Nova, 1998.
Socialisme, avant-garde, litterature : interventions, Paris, ed. sociales, 1972.
Ouverture... Roman noir ou Voila les morts, a notre tour d'en sortir, Paris, ed. du Seuil, 1974.
L'Amour de la litterature, Paris, Flammarion, 1978.
L'Amerique, Paris, Flammarion, Collection Digraphe, 1979.
Journal des pirogues, Paris, L'Un dans l'autre, Collection Palimpsestes, 1984.
Memoires : album de familles, Seyssel, ed. Comp'Act, Collection Liber, 1987.
Souvenirs de guerre : poesies et journal, suivi de Dialogues de l'aube, Paris, Hatier, Collection Haute enfance 1991.
Comme un reve : roman et autre histoires, Paris, ed. Ecriture, 1994.
Mes annees "≪ Tel quel ≫ : memoire, Paris, Ed. Ecriture, 1994.
Lettres a Jean Thibaudeau, Francis Ponge. Presentation et notes du destinataire, Cognac, Le Temps qu'il fait, 1999.
Prehistoires, Monaco / Paris, ed. du Rocher, Collection Esprits libres, 2004.

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