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2010年10月18日 (月)

『生きているのはひまつぶし』深沢七郎

「忘れるっていうことは、人間に大切なことですよ」「忘れることで頭の中はちょうどいいぐあいに片づけられるからね」「自然死(自殺ではなく)は人間にとって一番ありがたいこと」。四十歳を過ぎて小説『楢山節考』でデビュー。放浪の果ての農耕生活、作家としてのオンリー・ワンの生き方を貫いた深沢七郎。未発表作品集として刊行された(「BOOK」データベースより)

Himatsubusi

人間、死ななかったらとんでもないことになる。
必ず死ぬことがわかっているから、人は毎日生きていられる。
永久に死ななかったらたいへん。
年をとるから、若い時代が楽しいし、
死ぬことは本当にありがたいことだ。
死ぬことがなければ人間の量が増え、
この世は荒涼たる人生になるよ。
それだから死ぬ。
自然死は人間にとって一番ありがたいこと。
人間の一番あこがれるよいことだ。
今まで地球に生まれた人は、みんな死ぬという事業をやった。
こんなやさしいことはない。

オレには生きていることが青春だからね。死ぬまではずーっと青春の暇つぶしだね。人生とは何をしに生まれてきたのかなんてわからなくていい。
三千年前に悟りを開いたお釈迦様は「それは、わからない」と悟ったから悟りを開いたんだね。此の世は動いている。日や月が動いているのだから人の生も死も人の心の移り変わりも動いている。人間も芋虫もその動きの中に生まれてきて死んでいくということだね。まあ、暇をつぶしながら、死ぬまではボーっと生きている。それが俺の人生の道、世渡り術というものだよ。

Life

深沢 七郎 1914年山梨県生まれ。職業を転々とし、ギタリストなどをしながら、’56年中央公論社新人賞の「楢山節考」でデビュー。日本文学史上の事件とまで言われた。’60年の短編「風流夢譚」が右翼による嶋中事件を起こし放浪を余儀なくされる。’65年に埼玉県にラブミー農場を開き念願の農耕生活に入る。『人間滅亡的人生案内』は当時の若者の心を捉え、『みちのくの人形たち』で谷崎潤一郎賞を受賞。’87年に亡くなるまで庶民の眼差しと生き方を貫く(「BOOK」データベースより)

風流夢譚(三つの浪漫的小品より)深沢七郎
http://azure2004.sakura.ne.jp/s_hukazawa/huryumutan.htm

『これがおいらの祖国だナ日記』深沢七郎 昭和34年10月号「中央公論」
http://hello.ap.teacup.com/koinu/1163.html

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