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2010年11月25日 (木)

『ユリシーズ』(Ulysses)

アイルランド出身の小説家ジェイムズ・ジョイスの小説。全18章からなる。1922年刊行。

ダブリンのある1日(1904年6月16日)に起こった出来事を、様々な文体で、意識の流れなどの
実験的な手法を用いて描写している。当初、猥褻な描写があるとしてイギリス・アメリカでは発売禁止処分を受けた。

主人公は小説家志望のスティーヴンと広告取りのブルームで、構成はホメロスの『オデュッセイア』のパロディになっている。例えば、英雄オデュッセウスはさえない中年男ブルームに、息子テレマコスは他人のスティーヴンに、貞淑な妻ペネロペイアは浮気妻モリーに、20年にわたる辛苦の旅路はたった1日の出来事に、それぞれ置き換えられている。また、ダブリンの街を克明に記述しているため、ジョイスは「たとえダブリンが滅んでも、『ユリシーズ』があれば再現できる(One could recreate the city of Dublin, piece by piece, from Ulysses)」と語ったという。
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1.テーレマコス Telemachus
海岸のマーテロ塔に住むスティーヴンと、同居の友人たちの会話(自然主義的)。
モデルになったマーテロ塔はダブリンに実在しておりジョイスの記念館になっている。元はナポレオン戦争時代にイギリスがフランス海軍の来襲に備えて築いた砦である。
2.ネストール Nestor
スティーヴンの勤め先の小学校での授業風景。校長から給料を受け取り、投稿原稿を新聞社に届けるよう頼まれる(自然主義的)。
3.プロテウス Proteus
スティーヴンが海岸で思索にふける(内的独白)。
4.カリュプソー Calypso
もう1人の主人公ブルームの朝の食事。妻モリーと会話を交わす。
5.食蓮人たち Lotus-Eaters
ブルームは郵便局で文通相手からの手紙を受け取る。競馬好きの知人ライアンズに会う。
6.ハーデス Hades
ブルームは酒の飲みすぎで死んだディグナムの埋葬に立ち会う。
7.アイオロス Aeolus
ブルームの新聞社での仕事ぶり。一方、スティーヴンは新聞社に校長の原稿を届ける(修辞学の実例と内的独白と新聞の見出しのパロディ)。
このブルームの足取りを示す14枚の金属板が、新聞社から国立図書館に至るダブリン市内の路上に埋め込まれている(但し最初の1枚は道路工事で撤去されてしまった)。
8.ライストリュゴン人 Lestrygonians
ブルームは街に出て昔の恋人とばったり会う。その後1人で昼食を取る。
9.スキュレーとカリュブディス Scylla and Charbydis
スティーヴンは図書館でシェイクスピアを巡る文学論を戦わせる(対話)。
10.さまよえる岩 The Wandering Rocks
ダブリン市内の様々な場面が描かれる。スティーヴンの家族も登場。ブルームは「罪の甘さ」という好色本を買う。
11.セイレーン Sirens
ボイラン(妻の浮気相手と疑っている)を見かけたブルームは後を追う。ボイランはホテルのバーに入って飲む。ブルームは苦悩しながら文通相手に返事を書く(フーガの技法による言葉の楽曲)。
12.キュクロープス Cyclops
ブルームは酒場へ行く。周りの客たちはブルームが競馬で大穴を当てたと誤解しており、ブルームをいびる(叙事詩、医学論、新聞記事などの文体のパロディ)。
この章は下品な口調で書かれているが、翻訳家柳瀬尚紀は犬の視点で書かれていると主張している。
13.ナウシカア Nausicaa
ブルームは浜辺へ行き(白夜のため周囲はまだ明るい)、子どもたちと遊ぶ美しい少女を見かけ、妄想を抱いて自慰を行う(婦人雑誌の小説のパロディ)。
14.太陽神の牛 Oxen of the Sun
ブルームは妻の友人が出産のため入院しているのを見舞う。ここで酒を飲んでいるスティーヴンに会う(古代から中世、近世、近代の様々な英語文体史のパロディ)。
15.キルケー Circe
スティーヴンの後を追うブルーム。泥酔したスティーヴンは娼婦宿に迷い込み、娼婦たちと騒ぎになる。ブルームはスティーヴンを連れて逃げる。現実と幻覚が交差する(『ファウスト』のワルプルギスの夜を思わせる戯曲風)。
16.エウマイオス Eumaeus
ブルームとスティーヴンは馭者溜まりで休む。
17.イタケー Ithaca
ブルームがスティーヴンを連れて帰宅し、文学談義などをする。泊まるよう勧めるがスティーヴンは帰宅する。ブルームはベッドに浮気の痕跡を見つける(カトリックの教義問答の文体)。
18.ペネロペイア Penelope
妻モリーがベッドの中でブルームとの思い出などを回想する(句読点のない長い内的独白が続く)。

(Wikipedia)

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