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2011年1月31日 (月)

★エルンストの≪物霊≫★ 

 未知へ向う思いがけざるさまぎまな動きの或る満喫の味わいがエルンストにあり,しかも,私がつねづね繰り返し感じいるエルンストの質の高さは,彼が私達に覗き見せてくれると思いがけぬ未知の動きがついに終ることなく,停らないという一点にこそあるのである.それを見るものすべてから心の動きの不停止性をひきだすエルンストは,無限に向ってとどまることのない事物の動きの驚くべき透視者であるといえよう.
私はやはり驚くべき深い透視者であるブレークの版画をみるたびに肉体を覆いまた肉体から離れてゆく精霊に眼がとまってそのまま長く凝視めつづけてしまうことになるが,そのブレークの精霊に対比していえば,エルンストの描く絵に向きあうと、《物霊(ディングガイスト)》とでもいうべき新しい造語をおこないたくなるのであって,そこでは確かに事物の霊が絶えず自分のなかから踏みでて動きだし,互いに押しあい轟きあっているのであって,それらはもはや永劫に侍ることがないのである.★埴谷雄高★

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マックス・エルンスト『百頭女』
巌谷國士訳 河出書房新社 
★マックス・エルンスト頌★ 百頭女のために」
・瀧口修造「奇遇」・澁澤龍彦「目で見る暗黒小説」・赤瀬川原平「コラージュ体験」・加藤郁乎「クライマックス」(詩)・埴谷雄高「エルンストの《物霊(ディングガイスト)》」

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マックス・エルンスト『カルメル修道会に入ろうとしたある少女の夢』
巌谷國士訳 河出書房新社 
 「コラージュとか何か? それは視覚的イメージの錬金術のようななにものかである。さまざまな存在および物体を、それらの物理的ないし解剖学的な外観を修正しあるいは修正しないで、全面的に変形させてしまうという奇跡である」 
(「ウィスキー海底への潜行」より)

マックス・エルンスト『慈善週間または七大元素』
巌谷國士訳 河出書房新社

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  • 静岡新聞 2001年5月22日記事
    フランスを中心としてヨーロッパで製造されたアンティークストーブ100点以上はひとりの日本人個人によって南仏を中心に長期コレクションされたものであります。 ◆南仏より海を渡ってやってきたアンティークストーブ100台たちは清水港へ上陸して、東海大学社会教育センターに移築した江戸時代に作られた曲り屋の屋敷のなかに展示された。 ◆鋳物ストーブ100台たちは、その後も数奇な運命をたどることになる。
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    タロットアルカナの22枚には、世界の変化を表すことが記されています。カードの意味を知るには、図案のもつ表のイメージから解放されることが大切です。

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