『ロック冒険記』BOX 手塚治虫
単行本化に際してラストが大幅に変更された『ロック冒険記』は少年クラブに1952年7月号から1954年4月号まで連載された。文明批評の物語は当時のマンガ読者にとって高度な内容となって、考案された構成とおりには完成することができず連載打ち切りの尻つぼみとなった作者が語っている。
しかし成し遂げれなかった主題は『〇マン』や『鳥人体系』といった、長編大作へ受け継がれて開花されている。創作の上での冒険的な意欲が結実させられていることを思うと『ロック冒険記』は大変に意義のあった初期長編であると思う。
ロック冒険記 1
太陽をはさんで、地球の軌道のちょうど反対側を公転していたディモン星。この星の公転が次第に遅くなり、地球に大接近して、地球の終わりもかくやという凄まじい暴風をもたらし、世界は破滅の危機に瀕する。
http://www.kurata-wataru.com/t-osamu/osamu007.html
ロック冒険記 2
ロックと大助の指導のもと、鳥人たちは急速に文明の階段を駆けあがり、文明の利器(と兵器)を身に付けてゆく。
最初にディモン星にやってきて、鳥人たちの災厄の原因をもたらしたロックである。鳥人たちは、鳥人の代弁者と人間側代表との交渉会議の様子を、テレビでロックたちに見せる。交渉が決裂したら、火焙りである。鳥人の代弁者は、鳥人の解放と、ヨーロッパ大陸及びアフリカ大陸の、無条件引き渡しを要求する。
http://www.kurata-wataru.com/t-osamu/osamu008.html
『ロック冒険記』最終回
http://www.asahi-net.or.jp/~hi5k-stu/tezuka/rock_saisyukai.htm
ダイヤモンドコミクスとコダマプレス
http://zerodama.com/akita/daiamond.html
いろいろ読み比べると『ロック冒険記』は加筆されている
コダマプレス版以降バージョンが作者の決定稿であることが明白である。
だから暇とゆとりがある人以外は、コレクターBOXは御勧めはしない。