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2011年11月19日 (土)

『骨餓身峠死人葛』『卍ともえ』野坂昭如/講談社

純文学作家が書いた怖い小説『骨餓身峠死人葛』は妖美の世界。

(以下冒頭)
 入海からながめれば、沈降海岸特有の、複雑に入り組んだ海岸線で、針葉樹におおわれた岸辺、思いがけぬところに溺れ谷の、陸地深く食いこみ、その先きは段々畠となって反りかえる。南に面した地方のそれとことなり、玄海の潮風まともに受けるこのあたりでは、耕して天空にいたるといった旅人の感傷をすら許さぬ気配、人間の孜々たる営みを自然のあざわらうようで、それは、いずれも尖端にちいさいながら激しい瀬をもつ岬の、屋根となって谷あいをかこみつつ、背後の、せいぜい標高四百メートルに満たぬ丘陵にのびる、その高さに似合わぬ険しい山容のせいでもあろう。
(「骨餓身峠死人葛」より)

Photo

野坂昭如はじめての時代小説『卍ともえ』は油問屋を舞台としてる。
大阪天満油屋の黄櫨屋は人骨を使っての精油法を秘伝とし殷賑をきわめていた。

「藝というものは実と虚の皮膜(ひにく)の間にあるもの也」

仏の骨ないがしろにした怨念の油は、黄櫨屋の伊平次を鬼畜としてゆく。
「こら燃えつきろ、炎にくるまれて跡かたもなく消えてしまえ」
伊平次の放った油壺は火の手を拡げて大阪天満を炎上して、
街並みと人々を焼き尽くしてしまうのだった。

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野坂昭如オフィシャルホームページ
http://nosakaakiyuki.com/
公式サイト。プロフィール、メディア情報。

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