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2012年5月28日 (月)

久米仙人

昔吉野の竜門寺に籠って神通飛行術の得とくの修行をしていた二人の青年がいた。
アツミとクメ。竜門岳にのぼって山中をかけめぐり、滝に打たれたりしては厳しい修行した。アツミは秘術を先に修得して仙人となり雲にのぼった。後のクメも更に修行に励み、やっと空を飛べるようになった。

Kume

吉野川を越える時、川のほとりで若い娘が着物を洗っていた。裾を捲り上げて白い脛をあらわな脚に見とれてしまった。長い間の修行した神通力は消えて、女の前に落っこちた。クメはもとの人間となりその娘を妻として夫婦仲良く暮らした。

天皇は高市に都を造ろうとクメを呼び出された。
他の人夫達に「あのクメはもと仙人、スケベ心さえ起こさなかったらこんな辛い仕事をさせられなくてよかったのに」。
この話しが役人に伝わり、行事官はたわむれに「この木材を手で運ぶよりは、仙術で山からここへ飛ばしてもらえれば早いものだがなァ」という。

クメは7日間も断食をして再修業をした。そして8日目の朝、にわかに雲がくもり暗夜のごとくなったかと思うと雷が鳴り渡り雨が激しく降って、あたりが見えなくなった。やがて空は晴れ渡り、その時沢山の木材が南の山から飛んできて都を造ろうとしている場所に積み重ねられた。

これを知った天皇は恩賞として免田三十町を久米に与えられ、クメは喜んでこの田をもらい、一生楽しく暮らした。
その土地に建てた寺が橿原神宮のそばにある久米寺。寺を建ててからの久米は、薬師如来をまつり、自分の姿までを木像にして寺に残し、一生病気にかからんという竹の箸も作ってみんなに配ったという。

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