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2012年9月 1日 (土)

ヘミングウェイ『エデンの園』(The Garden of Eden)

1986年に遺作として出版されたヘミングウェイ最後の長編小説。
「人が必ず失わなければならない楽園の幸福」について思う時に開かれる本。
南仏カマルグ新婚旅行中の米国人作家の夫婦が若い美女に出会う物語。彼女が加わることによって奇妙な愛と不安がはじまる。そして不倫と同性愛の三角関係より、生きることへ倒錯してゆくのであった。

未完の原稿ということもあって『エデンの園』は最後まで読まないで、何度も途中から引き返してはページをめくる。バリ島やサイパンの南国などに滞在している時にも本書は同行されて、南仏生活していたヘミングウェイのことを想念するのだった。エデンの蛇の象徴されたものを夢想しては、未完の原稿より完成された小説を妄想で作り出しては、読み継ごうとして決して終わらせることのない読書。ウロボロスの尻尾を辿るように、在りえない想念にまみれて、果てしない時が横たわる空想する贅沢。これが許される数少ない長編小説は貴重な宝物である。今夏は開かれた神の戸にて。

P1140006_2

☆フェミニズムの視点から読む(当方とは60度づれな視点の読書)
http://archives.bukkyo-u.ac.jp/infolib/user_contents/repository_txt_pdfs/bungaku95/B095L073.pdf
これは上條淳士あたりが現代劇にしたら読みやすい内容かも。

ヘミングウェイもジェイムズ・ティプトリー・ジュニア(1915-1987)も人生に終止符を自ら討つように猟銃で自殺している。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E6%AE%BA%E3%81%97%E3%81%9F%E6%9C%89%E5%90%8D%E4%BA%BA%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7


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羽衣ストーブ館

  • 静岡新聞 2001年5月22日記事
    フランスを中心としてヨーロッパで製造されたアンティークストーブ100点以上はひとりの日本人個人によって南仏を中心に長期コレクションされたものであります。 ◆南仏より海を渡ってやってきたアンティークストーブ100台たちは清水港へ上陸して、東海大学社会教育センターに移築した江戸時代に作られた曲り屋の屋敷のなかに展示された。 ◆鋳物ストーブ100台たちは、その後も数奇な運命をたどることになる。
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    タロットアルカナの22枚には、世界の変化を表すことが記されています。カードの意味を知るには、図案のもつ表のイメージから解放されることが大切です。

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    兆しを理解して現実なるものを深くたのしく感知する訓練カードです。 タロットを機能させるには慣れ親しむことからはじまります。 まだ目には見えていない物事や潜在的な事柄を導き出す道具でもあります。 各アイコンをクリックすると、21のカードが観れます。