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2012年10月21日 (日)

ジュディ・バドニッツ「奇跡」(岸本佐知子訳)

「文學界」11月号より岸本佐知子の翻訳シリーズ開始される。
処女長編小説『イースターエッグに降る雪』でオレンジ賞の最終候補となる期待の新人作家のひとり。マンハッタン在住の作家ジュディ・バドニッツ。
岸本翻訳による『空中スキップ』がマガジンハウス (2007/2/22) より出版されている。彼女がニューヨーク大学の創作科に在籍していた1998年に発表した処女短篇集。訳者あとがきに≪この本を読むということは、たとえばラジオのつまみを回して飛び込んでくるいろいろな周波数の電波に耳を傾けるような、見知らぬ遊園地の乗り物に次から次に乗せられるような≫とある。
そんな変化と奇想の楽しさを求める人には、チャンネルが幾重にも開く短編。
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 ***
「出てきたとき、ちょっと青くても驚かないでください」
「ちょっと……青、ですか。はあ」
「いや、誇張でなく」と医者は言う。「正常な呼吸が始まる前、まだ全身に酸素が行きわたらない段階の話ですけどね。打ち身みたいな、あんな薄い青じゃない。正真正銘の青です、これくらいの」そう言って、医者は彼女のはいているウエストゴムのジーンズを指でつつく。
 ***

生まれてきた赤ん坊が、二人の生活へ訪れる。その描写がエイリアンか未知の生物のようで色彩の演出が卓抜である。岸本佐知子の翻訳シリーズは愉しみな連載となった。
http://www.bunshun.co.jp/mag/bungakukai/

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羽衣ストーブ館

  • 静岡新聞 2001年5月22日記事
    フランスを中心としてヨーロッパで製造されたアンティークストーブ100点以上はひとりの日本人個人によって南仏を中心に長期コレクションされたものであります。 ◆南仏より海を渡ってやってきたアンティークストーブ100台たちは清水港へ上陸して、東海大学社会教育センターに移築した江戸時代に作られた曲り屋の屋敷のなかに展示された。 ◆鋳物ストーブ100台たちは、その後も数奇な運命をたどることになる。
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22カードの意味

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    タロットアルカナの22枚には、世界の変化を表すことが記されています。カードの意味を知るには、図案のもつ表のイメージから解放されることが大切です。

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  • 0の愚者から21の宇宙(世界)まででひとつの話が結ばれる
    兆しを理解して現実なるものを深くたのしく感知する訓練カードです。 タロットを機能させるには慣れ親しむことからはじまります。 まだ目には見えていない物事や潜在的な事柄を導き出す道具でもあります。 各アイコンをクリックすると、21のカードが観れます。