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2013年6月 2日 (日)

「井上ひさし展 -21世紀の君たちに-」

井上ひさし作品の魅力のひとつは、主人公たちが未来へ向かう姿にある。 政府に愛想をつかした東北の一農村の独立運動を描いた「吉里吉里人」、子どもたちの漂流記「ひょっこりひょうたん島」(山元護久との共作)。 過酷な状況にありながら、笑いを忘れず、仲間と共にユートピアを追い求める姿は、 困難に立ち向かうた希望を与えてくれる。

展示は3部構成
1部 生い立ちから作家になるまでを母の手紙などからたどる。〈明日の光に生きませう〉。夫亡き後、一人で子供たちを育てた母は手紙で、施設に預けた息子を励まし続けた。〈私が作文が少し人より巧かったのは結局環境がそうしてくれたものだらうと思って居ます〉今にも壊れそうな「家族」という小さな共同体を支えていた。

2部『ひょっこりひょうたん島』や『吉里吉里人』などの作品で、ユートピアを作ろうとした人々を描いた創作の秘密。プロットを書いた原稿用紙は、長さは8メートル30。日本から独立しようとした東北の一寒村の1日半の出来事が、時系列で書き込まれている。創作ノート8冊には、農業、医療、廃棄物の問題点まで細かに調べられた「遅筆堂」の実体。

3部 新作を書くたび古書店街から消えるほど、作品分野の膨大な資料を集め、気になる言葉を書き留められるよう「書抜き帳」を持ち歩いた作家の日常。〈書物を読むことで過去は、現在のうちによみがえる〉と記して、自身を過去を生きた人々の思いを今に、そして未来へとつなぐ「中継走者」だと考えていた。
書物に遺された過去を物語に再生し、 同時代、そして未来の人たちへ手渡す創作活動を、蔵書や創作メモ、愛用の文具などで展覧 総数約350点。

http://www.kanabun.or.jp/te0170.html

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羽衣ストーブ館

  • 静岡新聞 2001年5月22日記事
    フランスを中心としてヨーロッパで製造されたアンティークストーブ100点以上はひとりの日本人個人によって南仏を中心に長期コレクションされたものであります。 ◆南仏より海を渡ってやってきたアンティークストーブ100台たちは清水港へ上陸して、東海大学社会教育センターに移築した江戸時代に作られた曲り屋の屋敷のなかに展示された。 ◆鋳物ストーブ100台たちは、その後も数奇な運命をたどることになる。
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    タロットアルカナの22枚には、世界の変化を表すことが記されています。カードの意味を知るには、図案のもつ表のイメージから解放されることが大切です。

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