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2013年6月30日 (日)

堀辰雄「不器用な天使」1

 カフエ・シヤノアルは客で一ぱいだ。硝子戸を押して中へ入つても僕は友人たちをすぐ見つけることが出來ない。僕はすこし立止つてゐる。ジヤズが僕の感覺の上に生まの肉を投げつける。その時、僕の眼に笑つてゐる女の顏がうつる。僕はそれを見にくさうに見つめる。するとその女は白い手をあげる。その手の下に、僕はやつと僕の友人たちを發見する。僕はその方に近よつて行く。そしてその女とすれちがふ時、彼女と僕の二つの視線はぶつかり合はずに交錯する。
 そこに一つのテイブルの周りを、三人の青年がオオケストラをうるささうに默りながら、取りまいてゐる。彼等は僕を見ても眼でちよつと合圖をするだけである。そのテイブルの上には煙りの中にウイスキイのグラスが冷く光つてゐる。僕はそこに坐りながら彼等の沈默に加はる。
 僕は毎晩、彼等と此處で落ち合つてゐた。

 僕は二十だつた。僕はいままで殆ど孤獨の中にばかり生きてゐた。が、僕の年齡はもはや僕に一人きりで生きてゐられるためのあらゆる平靜さを與へなかつた。そして今年の春から夏へ過ぎる季節位、僕に堪へがたく思はれたものはなかつた。
 その時、この友人たちが彼等と一緒にカフエ・シヤノアルに行くことに僕を誘つた。僕は彼等に氣に入りたいと思つた。そして僕は承諾した。その晩、僕は彼等の一人の槇が彼の「ものにしよう」として夢中になつてゐる一人の娘に會つた。
 その娘はオオケストラの間に高らかに笑つてゐた。彼女の美しさは僕に、よく熟していまにも木の枝から落ちさうな果實のそれを思はせた。それは落ちないうちに摘み取られなければならなかつた。
 その娘の危機が僕をひきつけた。
 槇はひどい空腹者の貪慾さをもつて彼女を欲しがつてゐた。彼のはげしい欲望は僕の中に僕の最初の欲望を眼ざめさせた。僕の不幸はそこに始まるのだ。……

 突然、一人が彼の椅子の上に反り身になつて僕の方をふり向く。そして何か口を動かしてゐる。が、音樂が僕にそれを聞きとらせない。僕は彼の方に顏を近よせる。
「槇は今夜、あの娘に手紙を渡さうとしてゐるのだ」
 彼はすこし高い聲でそれを繰り返す。その聲で槇ともう一人の友人も僕等の方をふり向く。眞面目に微笑する。そしてまた、前のやうな沈默に歸つてしまふ。僕はひとり顏色を變へる。僕はそれを煙草の煙りで隱さうとする。しかし、今まで快く感じられてゐた沈默が急に僕には呼吸苦しくなり出す。ジヤズが僕の咽頭をしめる。僕はグラスをひつたくる。僕はそれを飮まうとする。が、そのグラスの底に見える僕の狂熱した兩眼が僕を怖れさせる。僕はもうそれ以上そこに居ることが出來ない。
 僕はヴエランダに逃れ出る。そこの薄くらがりは僕の狂熱した眼を冷やす。そして僕は誰からも見られずに、向うの方に煽風機に吹かれてゐる娘をぢつと見てゐることが出來る。風のために顏をしかめてゐるのが彼女に思ひがけない神々しさを與へてゐる。ふと、彼女の顏の線が動搖する。彼女がこちらを向いて笑ひだす。一瞬間、僕はヴエランダから彼女をぢつと見てゐる僕を認めて彼女が笑つたのだと信じる。が、僕はすぐ自分の過失に氣づく。うす暗いヴエランダに立つてゐる僕の姿は彼女の方からは見える訣がない。彼女は誰かに來いと合圖をされたのだらうか。僕はそれが槇ではないかと疑ふ。彼女は思ひ切つたやうにこちらを向いて歩き出す。
 僕は僕の手を果實のやうに重く感じる。僕はそれをヴエランダの手すりの上に置く。手すりは僕の手を埃だらけにする。

2013年6月29日 (土)

堀辰雄「不器用な天使」2

 その夜、疾走してゐる自轉車が倒れるやうに、僕の心は急に倒れた。僕は彼女から僕のあらゆる心の速度を得てゐたのだ。それをいま、僕は一度に失つてしまつた。僕にはもう自分の力だけでは再び起ち上ることが出來ないやうに思はれるのだ。
「電話ですよ」母がさう云つて僕の部屋に入つてくる。僕は返事をしない。母は僕に叱言を云ふ。僕はやつと母の顏を見上げる。そして「このままそつとして置いて下さい」僕は母にさういふ表情をする。母は氣づかはしげに僕を見て部屋から出て行く。
 夜になつても、僕はもうカフエ・シヤノアルに行かうとしない。僕はもう彼女のところに、友人たちのところに行かうとしない。僕は自分の部屋の中にぢつと動かないでゐるのだ。そして僕は何もしないためにあらゆる努力をする。僕は机の上に肱をついて、兩手で僕の頭を支へてゐる。僕の肱の下には、いつも同じ頁を開いてゐる一册の本がある。そしてその頁にはこんな怪物が描き出されてある。――彼は自分にも支へられないくらゐに重い頭蓋骨を持つてゐる。そしていつもそれを彼のまはりに轉がしてゐる。彼はときどき腮
あご
をあけては、舌で、自分の呼吸で濕つた草を剥

ぎ取る。そして一度、彼は自分の足を知らずに食べてしまふ。――そしてこの怪物くらゐ、僕になつかしく思はれるものはなかつたのだ。
 しかし人は苦痛の中にそのやうにしてより長く生きることは不可能な事だ。僕はそれを知つてゐた。それなのに、何故、僕は自分をその苦痛から拔け出させようとしないでゐたのか。僕は實は自分でもすこしも知らずに待つてゐたのだ。――彼女の愛してゐるのが槇ではなくて僕であることを、友人の一人が愕いて僕にそれを知らせにくることを、一つの奇蹟を、僕は待つてゐたのだ。
 ある夜の明方、僕は一つの夢を見た。僕は槇と二人で、上野公園の中らしい芝生の上にあふむけになつて眠つてゐる。ふと僕は眼をさます。槇はまだよく眠つてゐる。僕は、芝生の向うから、いつのまにか彼女がもう一人のウエイトレスと現はれ、何か小聲に話しながら、僕等に近づいてくるのを見る。彼女は相手の女に、彼女の愛してゐるのは實は僕であることを、そして槇が僕の手紙を渡してくれたのかと思つたら、それは槇自身の手紙であつたことを話してゐる。そして彼女等は、僕等に少しも氣づかずに、僕等の前を通り過ぎる。僕は異常な幸福を感じる。僕は槇をそつと見る。槇はいつの間にか眼をあけてゐる。
「よく眠つてゐたね」僕が云ふ。
「僕がかい?」槇は變な顏をする。「眠つてゐたのは君ぢやないか」
 僕はいつの間にか眼をつぶつてゐる。「そら、また眠つてしまふ」さういふ槇の聲を聞きながら僕は再びぐんぐんと眠つて行く。
 それから僕はベツドの上で本當に眼をさました。そしてその夢ははつきりと僕に、自分でも氣づかないでゐた奇蹟の期待を知らせた。その奇蹟の期待は、再び僕の中に苦痛を喚び起しながら、それによつて一そう強まる。そしてそれは夜の孤獨の堪へがたさと協力して、無理に僕をカフエ・シヤノアルに引きずつて行つた。
 カフエ・シヤノアル。そこでは何も變つてゐない。同じやうな音樂、同じやうな會話、同じやうに汚れてゐるテイブル。僕はさういふものの間に、以前と少しも變らない彼女とそれから槇を見出すことを、そして僕一人だけがひどく變つてゐるのであることを欲する。が、すぐ僕は暗い豫感を感じる。僕には彼女が僕の眼を避けてゐるとしか見えない。
「なんだ、ばかに悄げてゐるぢやないか」
「どうかしたのかい」
 僕は平生のポオズを取らうと努力しながら、友人に答へる。
「ちよつと病氣をしてゐたんだ」
 槇が僕を見つめる。そして僕に云ふ。
「さう云へば、この間の晩、ひどく苦しさうだつたな」
「うん」
 僕は槇を疑ひ深さうに見つめる。僕は僕が苦しんでゐるのを人に見られることを恐れる。それなのに、自分の傷を自分の指で觸つて見ずにゐられない負傷者の本能から、僕は僕を苦しませてゐるものをはつきりと知りたい欲望を持つた。僕は無駄に彼女の顏をさがしてから、再び槇を見つめながら云ふ。
「どうなつたの、あの娘
メツチエン
は?」
「え?」
 槇はわざと分らないやうな顏をして見せる。それから急に顏をしかめるやうに微笑をする。するとそれが僕の顏にも傳染する。僕は自分が自分の意志を見失ひ出すのを感じる。
 突然、友人の聲がその沈默を破る。
「槇はやつとあいつを捕まへたところだ」
 それから別の聲がする。
「今朝が最初の媾曳
ランデブウ
だつたのさ」
 今まで經驗したことのない氣持が僕を引つたくる。僕はそれが苦痛であるかどうか分らない。友人はしきりに口を動かしてゐる。しかし僕はもうそれからいかなる言葉も聞きとらない。僕はふと、僕の顏の上にまださつき傳染した微笑の漂つてゐるのを感じる。それは僕自身にも實に思ひがけないことだ。しかし僕はさういふ自分自身の表面からも僕が非常に遠ざかつてしまつてゐるのを感じる。それによつて潛水夫のやうに、僕は僕の沈んでゐる苦痛の深さを測定する。そして海の表面にぶつかりあふ浪の音が海底にやつと屆くやうに、音樂や皿の音が僕のところにやつと屆いてくる。
 僕は出來るだけアルコオルの力によつて浮き上らうと努力する。
「彼は孔のやうに食

む」
「彼は苦しさうだ」
「彼の脣はふるへてゐる」
「何が彼を苦しめてゐるのだ」
 僕は少しづつ浮き上つて行きながら、漸くさういふ友人たちの氣づかはしさうな視線に對して可感になる。しかし彼等はすつかり僕を見拔いてゐない。僕は彼等に僕が病氣であることを信じさせるのに成功する。僕はもう彼女の顏をさがすだけの氣力すらない。
 カフエ・シヤノアルを出て友人等に別れると、僕は一人でタクシイに乘る。僕は力なく搖すぶられながら、運轉手の大きな肩を見つめる。あたりが急に暗くなる。近道をするために自動車は上野公園の森の中を拔けて行くのである。「おい」僕は思はず運轉手の肩に手をかけようとする。それが急に槇の大きな肩を思ひ起させたからである。しかし僕の重い手は僕の身體を殆んど離れようとしない。僕の心臟は悲しみでしめつけられる。ヘツドライトが芝生の一部分だけを照らし出す。その芝生によつて、今朝の夢が僕の中に急によみがへる。夢の中の彼女の顏が、僕の顏に觸れるくらゐ近づいてくる。しかし、その顏は僕を不器用に慰める。

2013年6月28日 (金)

堀辰雄「不器用な天使」3

 眞夏の日々。
 太陽の強烈な光は、金魚鉢の中の金魚をよく見せないやうに、僕の心の中の悲しみを僕にはつきりと見せない。そして暑さが僕のあらゆる感覺を麻痺させる。僕には僕のまはりを取りまいてゐるものが何であるか殆どわからない。僕はただフライパンの臭ひと洗濯物の反射と窓の下を通る自動車の爆音の中にぼんやりしてゐる。
 が夜がくると、僕には僕の悲しみがはつきりと見え出す。一つづつ樣々な思ひ出がよみがへつてくる。公園の番になる。するとそれだけが急に大きくなつて行つて、他のすべての思ひ出は、その後ろに隱されてしまふ。僕はこの思ひ出を非常に恐れてゐる。そしてそれを僕から離さうとして僕は氣狂のやうにもがき出す。
 僕は何處でもかまはずに歩く。僕はただ自分の中に居たくないために歩く。彼女や友人たちからばかりでなく、僕自身からも遠くに離れてゐる事が僕には必要なのである。僕はあらゆる思ひ出を恐れ、又、僕に新しい思ひ出を持つてくるやうな一つの行爲をすることを恐れる。そのために僕は僕自身の影で歩道を汚すより他のことは何もしようとしない。
 或夜、黄色い帶をしめた若い女が、僕を追ひこしながら、僕に微笑をして行く。僕はその女の後を、一種の快感をもつて追つて行く。が、その女が或る店の中に入つてしまふと、僕は彼女を少しも待たうとしないでそこを歩き去る。僕はすぐその女を忘れる。それから二三日して、僕は再び群集の中に黄色い帶をしめた若い女が歩いてゐるのを認める。僕は足を早める。が、その女に追ひついて見ても、僕にはもうそれが二三日前の女かどうか分らなくなつてゐる。そしてそれほどぼんやりしてゐる自分自身を見出すことは、僕の悲しみに氣に入るのである。
 時々、歩道に面した小さな酒場が僕を引つぱりこむ。煙りでうす暗くなつてゐるその中で、僕は僕のテイブルを煙草の灰や酒の汚點
しみ
できたなくする。そしてしまひにはその汚れたテイブルが、僕に、その晩中僕の影のよごしてゐた長い長い歩道を思ひ出させる。僕は非常な疲れを感じる。僕はそこを出ると、すぐタクシイに飛びこみ、それからベツドに飛びこむ。そして僕は石のやうに眠りの中に落ちて行くのである。

 或夜、僕は群集の中を歩きながら、向うから來る一人の青年をぼんやりと見つめてゐた。するとその青年は僕の前に立止つた。それは僕の友達の一人だつた。僕は突然笑ひ出しながら彼の手を握つた。
「なんだ、君か」
「おれを忘れたのかい」
「ああ、すつかり忘れちやつた」
 僕はわざと快活さうに言つた。しかし僕は、彼を見てゐながら、彼と氣づかなかつたことが、それほど僕のぼんやりしてゐることが、彼を悲しませてゐるらしいのを見逃さなかつた。
「どうして俺たちのところに來なかつたのだ」
「僕は誰にも會はなかつたのだ。誰にも會ひたくなかつたのだ」
「ふん……ぢや、槇のことも知らないな」
「知らないよ」
 すると彼は一言も云はずに默つて歩き出した。僕は彼がこれから槇について話さうとしてゐることが、再び僕の心を引つくり返すにちがひないのを豫感した。しかし、僕は犬のやうに彼に從いて行つた。

「あの女は天使だつたのさ」
 彼はその天使と云ふ言葉を輕蔑するやうに發音した。
「槇はあの女を連れてよく野球やシネマに出かけて行つたのだ。最初、あの女は槇の言葉で云ふと、とても蠱惑的
シヤルマン
だつたのださうだ。ところが、槇が一度婉曲に、女に一しよに寢る事を申込んだのだ。すると女が急に彼に對する態度を一變してしまつた。そしてそれからの女の冷淡さと言つたら、槇を死ぬやうに苦しませたほどだつた。一體あの女は、男の心を少しも知らないのか、それとも男を苦しませることが好きなのか、どつちだかわからない。あいつは生意氣なのか、馬鹿なのか、どつちかだ。――おい、ウイスキイ! 君は?」
「僕はいらないよ」僕は頭をふつた。僕はそれを他人の頭のやうに感じた。
「それから」僕の友人は續けた。「槇は突然何處かに行つてしまつたのだ。どうしたのかと思つてゐたら、昨日、ひよつくり歸つてきやがつた。一週間ばかり神戸へ行つてゐて、毎日バアを歩きつては、あいつの膨脹した欲望をへとへとにさせてゐたんださうだ。もうすつかり腹の蟲が納まつたやうな顏をしてゐる。あいつは思つたより實際派
リアリスト
だな」
 僕は僕の頭の中がだんだん蜜蜂のうなりで一ぱいになるのを感じながら、友人の話を默つて聞いてゐた。僕はその間、時々、友人の顏を見上げた。それは僕に、さつき群集の中でその顏を見つめながら、彼だと氣づかなかつたほどぼんやりしてゐた僕自身を思ひ出させ、それから僕をそれほどにしてゐた僕の苦痛の全部を思ひ出させた。

2013年6月27日 (木)

堀辰雄「不器用な天使」4

 その數日前から、僕は少しも彼女の顏を思ひ出さないやうに、自分を慣らしてゐた。それが僕に彼女はもう無いものと信じさせてゐた。が、それは自分の部屋の亂雜に慣れてそれを少しも氣にしなくなり、多くの本の下積みになつてゐるパイプをもう無いものと信じてゐるやうなものであつた。その本を取りのける機會は、その下にパイプを發見させる。
 そのやうにして、再び僕の前に現れた彼女は、その出現と同時に、彼女に對する僕の以前と少しも異らない愛を僕の中によみがへらせた。僕の理性はしかし、僕と彼女との間に、一度傷つけられた僕の自負心を、あらゆる苦痛の思ひ出を、堆積した。それにもかかはらず、それらのものを通して、一つの切ない感情が、彼女の本當に愛してゐるのはやはり僕だつたのではないかといふ疑ひが、僕の中に浸入して來るのである。それは愛の確實な徴候だ。そしてそれを認めることによつて、僕はどうしても、自分の病氣から離れられない病人の絶望した氣持を經驗した。
 時間は苦痛を腐蝕させる。しかしそれを切斷しない。僕は寧ろ手術されることを欲した。その僕の性急さが、僕一人でカフエ・シヤノアルに彼女に會ひに行くといふ大膽な考へを僕に與へたのである。

 僕は始めて入つた客のやうにカフエの中を見まはす。僕を見て珍らしさうに笑ひかける見知つたウエイトレスの顏のいくつかが、僕の探してゐるものから僕の眼を遮る。僕の眼はためらひながら漸つとそれらの間に彼女を見出す。彼女は入口に近いオオケストラ・ボツクスによりかかつてゐる。その不自然な姿勢は僕に、僕の入つて來たのを知りながら彼女はまだそれに氣づかない風をしてゐるのだと信じさせる。僕は手術される者が不安さうに外科醫の一つ一つの動作を見つめるやうに、彼女の方ばかりを見てゐる。
 突然オオケストラが起る。彼女はそつとボツクスを離れる。そして僕を見ずに僕の方に何氣なささうに歩いてくる。そして僕から五六歩のところで、すこし顏を上げる。彼女の眼が僕の眼にぶつかる。すると彼女は急に微笑を浮べながら、そのまま歩きにくさうに、僕に近よつてくる。そして僕の前に默つて立止まる。僕も默つてゐる。默つてゐることしか出來ない。
 手術の間の息苦しい沈默。
 僕は彼女の手を見つめてゐるばかりだ。あまり強く見つめてゐるので、眼が疲れて來たせゐか、その手が急にふるへてゐるやうに見える。すると眩暈
めまひ
が僕の額を暗くし、混亂させ、それから漸く消えて行く。
「あら、煙草の灰が落ちましたわ」
 手術の終つたことを知らせる彼女の微妙な注意。

 僕の手術の經過は全く奇蹟的だ。彼女の顏が急に生き生きと、信じられないほど大きい感じで僕の前に現れ、もはやそこを立去らない。それは、クロオズアツプされた一つの顏がスクリインからあらゆるものを消してしまふやうに、槇の存在、僕の思ひ出の全部、僕の未來の全部を、僕の前から消してしまふ。これは眞の經過であるか、それとも一時的な經過に過ぎないのか。しかし、そんなことは僕にはどうでもよい。僕の前にあるのは、唯、彼女の大きく美しい顏ばかりだ。そしてその他には、その顏が僕の中に生じさせる、もはやそれ無しには僕の生きられないやうな、一種の痛々しい快感があるだけである。
 僕は再び毎晩のやうにカフエ・シヤノアルに行き出してゐる自分自身を發見する。僕の友人は今はもう誰もここへは來ない。それは反つて僕に、友人たちの間にゐた時には僕に全く缺けてゐた大膽さを起させ、そしてそれが僕の行動を支配した。

 そして彼女は――
 或夜、僕が註文した酒を待つてゐた間、丁度彼女が隣りの客の去つたあとのテイブルを片づけてゐたことがあつた。その時、僕はぢつと彼女を見ながら、彼女が非常にゆるやかな手つきで、殆ど水の中の動作のやうに、皿やナイフを動かしてゐるのを發見した。その動作のゆるやかさは僕に見つめられ、僕に愛されてゐることの敏感な意識からおのづから生れてくるやうに思はれた。僕はそのゆるやかさを何か超自然的なものに感じ、僕が彼女から愛されてゐることを信じずにはゐられなかつた。

 別の夜、一人のウエイトレスが僕に言ふ。
「あなた方のなさること、私達にはわからないわ」
 その女が「あなた方」と言ふのは明らかに僕や槇たちのことを意味してゐるらしかつた。しかし僕は故意にそれを僕と彼女とのことだと取つた。僕はその女が金齒を光らせて笑つたのが厭だつた。僕はその女を輕蔑して、何も返事をしないでゐた。

 さういふ風にして、微妙な注意の下に、僕が彼女から愛の確證を得つつある間、僕はときどきは發作的な欲望にも襲はれるのであつた。彼女のしなやかな手足は僕に、それらと僕の手足とをネクタイのやうに固く結びつける快感を豫想させた。そして僕は彼女の齒を、それと僕の齒とがぶつかつて立てる微かな音を感ぜずには、見ることが出來なくなつた。
 槇が彼女と一しよに公園やシネマに出かけてゐたことが、思ひ出すごとに僕に苦痛を與へずにはおかないその思ひ出そのものが、同時に僕にその空想の可能性を信じさせるのであつた。僕はそれをどういふ風に彼女に要求したらいいか? 僕は槇の方法を思ひ出した。愛の手紙による方法。しかしその不幸な前例は僕を迷信的にした。僕は他の方法を探した。そして僕はその中の一つを選んだ。機會を待つてゐる方法。

 最もよい機會。僕のグラスがからつぽになる。僕はウエイトレスを呼ぶ。彼女が僕のところに來ようとする。それと同時に、他のウエイトレスもまた僕のところに來ようとする。二人はすぐそれに氣づいて、微笑しながら、ためらひあふ。その時、彼女が思ひ切つたやうに僕の方に歩き出す。さういふ彼女が僕に思ひがけない勇氣を與へる。
「クラレツト!」僕は彼女に言ふ。「それからね……」
 彼女は僕のテイブルから少し足を離しかけて、そのまま彼女の顏を僕に近づける。
「明日の朝ね、公園に來てくれない。一寸君に話したいことがあるんだ」
「さうですの……」
 彼女はすこし顏を赤らめながら、それを僕から遠のかせる。そして足をすこし踏み出してゐた以前の姿勢に返ると、そのまま顏を下にむけて行つてしまふ。僕は、よく馴れた小鳥をそれが又すぐ戻つてくるのを信じながら自分の手から飛び立たせる人のやうな氣輕さをもつて待つてゐる。果して、彼女は再びクラレツトを持つて來る。僕は彼女に眼で合圖をする。
「九時頃でいいの」
「ああ」
 僕と彼女はすこし狡さうに微笑しあふ。それから彼女は僕のテイブルを離れて行く。

 僕はカフエ・シヤノアルを出ると、それから明日の朝までの間をどうしてゐたらいいのか全く分らなかつた。僕にはその間が非常に空虚なやうに思はれた。僕は少しも睡眠を欲しがらずにベツドに入つた。ふと槇の顏が浮んできた。が、すぐ彼女の顏がその上に浮んで、狡さうに笑ひながら、それを隱してしまつた。それから僕はほんの少しの間眠つた。――そして僕がベツドから起き上つたのは、まだ早朝だつた。僕は家中を歩きまはり、誰にでもかまはず大聲で話しかけ、そして殆ど朝飯に手をつけようとしなかつた。僕の母は氣狂のやうに僕を扱つた

2013年6月26日 (水)

堀辰雄「不器用な天使」5

 漸く彼女が來る。
 僕はステツキを落しながらベンチから立上る。僕の心臟は強く鼓動する。僕には彼女の顏が正確に見えない。
 僕は再び彼女と共にベンチに腰を下す。僕は彼女の傍にゐることにいくらか慣れる。僕は彼女の顏をはじめて太陽の光によつて見るのであることに氣づく。それは電氣の光でいつも見てばかりゐた顏と少し異ふやうに見える。太陽は彼女の頬に新鮮な生
なま
な肉を與へてゐる。
 僕はそれを感動して見つめる。彼女は僕にそんなに見つめられるのを恐れてゐるやうに見える。しかし彼女は注意深くしてゐる。彼女は殆ど身動きをしない。そしてときどき輕い咳をする。僕はたえず何か喋舌つてゐる。僕は沈默を欲しながら、それを恐れてゐる。僕の欲してゐるのは、彼女の手を握りながら、彼女の身體に僕の身體をくつつけてゐることのみが僕等に許すであらう沈默だからだ。
 僕は僕自身のことを話す。それから友達のことを話す。そしてときどき彼女のことを尋ねる。しかし僕は彼女の返事を待つてゐない。僕はそれを恐れるかのやうに、又、僕自身のことを話しはじめる。そして僕の話はふと友達のことに觸れる。突然、彼女が僕をさへぎる。
「槇さんたちは私のことを怒つていらつしやるの?」
 彼女の言葉がいきなり僕から僕の局部を麻痺させてゐた藥を取り去る。
 僕は前に經驗したことのある痛みが僕の中に再び起るのを感じる。僕はやつと、あれから槇には自分も會はないと答へる。そして僕は呼吸
いき
の止まるやうな氣がする。僕はもう一言も物が云へない。その僕の烈しい變化にもかかはらず、彼女は前と同じやうに默つてゐる。さういふ彼女が僕にはひどく冷淡なやうに思はれる。そのうちに彼女は、だんだん不自然になつてくる沈默を僕がどうしようともしないのを見て、それを彼女の力で破らうと努力し出す。しかしそのためには、僕が默り込んでしまつてから妙に目立つて來た彼女の輕い咳を、不器用に利用する事しか出來ない。
「こんなに咳ばかりしてゐて。私、胸が惡いのかしら」
 僕は彼女を急に感傷的
センチメンタル
に思ひ出す。僕には彼女の心臟が硬いのか、脆いのか、分らなくなる。僕はただ、ひどい苦痛の中で、彼女の結核菌が少しづつ僕の肺を犯して行く空想を、一種の變な快感をもつて、しはじめる。
 彼女は彼女の努力を續けてゐる。
「昨夜
ゆうべ
、店をしまつてから、私、犬を連れて、この邊まで散歩に來たのよ。二時頃だつたわ。ずゐぶん眞暗だつたわ。さうしたら誰だか私の後をつけてくるの。でもね、私の犬を見たら、何處かへ行つてしまつたわ。それはとても大きな犬なんですもの」
 僕はすつかり彼女のするままになつてゐる。彼女はどうにかかうにか僕の傷口に藥をつけ直し、それをすつかり繃帶で結はへてしまふ。そして僕は、彼女と共にゐる快さが、彼女と共にゐる苦痛と、次第に平衡し出すのを感じる。
 一時間後、僕等はベンチから立上る。僕は彼女の着物の腰のまはりがひどく皺になつてゐるのを見つける。そのベンチのために出來た皺は僕の幸福を決定的にする。
 僕等は別れる時、明日の午後、活動寫眞を見に行く事を約束する。

 翌日、僕は自動車の中から、公園の中を歩いてゐる彼女を認める。僕の小さな叫びは自動車を急激に止めさせる。僕は前に倒れさうになりながら、彼女に合圖をする。それから自動車は彼女を乘せて、半轉をしながら走り出し、一分後には、午後なので殆ど客の入つてゐない、そしてウエイトレスの姿だけのちらと見えるシヤノアルの前を通り過ぎる。この小さな冒險は臆病な僕等に氣に入る。
 シネマ・パレス。エミル・ヤニングスの「ヴアリエテ」。僕はその中に入りながら、人工的な暗闇の中に彼女を一度見失ふ。それから僕は僕のすぐ傍に彼女らしいものを見出す。しかし僕はそれが彼女であることをはつきり確めることが出來ない。そのために、彼女の手を探し求めながら僕の手はためらふ。そして、僕の眼はといへば實物より十倍ほどに擴大された人間の手足が取りとめもなくスクリインの上に動いてゐるのを認めるばかりだ。
 彼女は地下室のソオダ・フアウンテンでソオダ水を飮みながら、僕にエミル・ヤニングスを讚美する。何といふすばらしい肩。さう言つて、彼女はヤニングスが殺人の場面を彼の肩のみで演じたのを僕に思ひ出させようとする。その時僕の眼に浮んだのは、しかしヤニングスの肩ではなく、それに何處か似てゐる槇の肩である。僕はふと、六月の或日、槇と一しよに町を散歩してゐたときの事を思ひ出す。僕は彼が新聞を買つてゐるのを待ちながら、一人の女が僕等の前を通り過ぎるのを見てゐた。その女は僕を見ずに、槇の大きな肩をぢつと見上げながら、通り過ぎて行つた。……その思ひ出の中でいつかその見知らない女と彼女とが入れ代つてしまふ。僕はその思ひ出の中で彼女が槇の肩をぢつと見つめてゐるのを見る。そして僕は、彼女がいま無意識のうちにヤニングスの肩と槇の肩をごつちやにしてゐるのだと信じる。しかし僕は不公平でない。僕は槇の肩を實にすばらしく感じる。そしてそのどつしりした肩を自分の肩に押しつけられるのを、彼女が欲するやうに、僕も欲せずにはゐられなくなる。
 僕はもはや僕が彼女の眼を通してしか世界を見ようとしないのに氣づく。我々の心がネクタイのやうに固く結び合はされるとき我々に現はれて來る一つの徴候。それは氣を失はせるやうな苦痛をいつも伴つてゐる。
 僕は、もう僕の中にもつれ合つてゐる二つの心は、どちらが僕のであるか、どちらが彼女のであるか、見分けることが出來ない。

堀辰雄「不器用な天使」6

 僕等が別れようとした時、彼女は
「いま何時?」と僕に訊いた。僕は腕時計をしてゐる手を出した。彼女は眼を細めながらそれをのぞきこんだ。僕はその表情を美しいと思つた。
 僕は、一人になつてから暫くすると、急にその腕時計を思ひ浮べた。僕は歩きながら、僕の父から貰つた金がもうすつかり無くなつてしまつてゐることを考へてゐた。僕は自分で何とかして小遣を少しこしらへなければならなかつた。僕は先づ、かういふ場合に何度も賣拂つた僕の多くの本のことを思ひ浮べた。しかし本はもう殆ど僕のところには殘つてゐなかつた。僕が突然僕の腕時計を思ひ浮べたのは、この時であつた。
 しかし僕はかういふものを金に替へるにはどうしたらいいか知らなかつた。僕はさういふ事に慣れてゐる友人の一人を思ひ出した。僕はそれを彼に頼むために思ひ切つて彼のアパアトメントに行く事にした。
 僕は、顏を石鹸の泡だらけにして髭を剃つてゐるその友人を、彼の狹苦しい部屋の中に見出した。彼の傍には、僕の知つてゐるもう一人の友人が椅子によりかかつて、パイプから大きな煙りを吐き出してゐた。それからもう一人、壁の方を向いて、ベツドの上に大きな袋のやうになつて寢ころがつてゐるものがあつた。僕にはそれが誰だか分らなかつた。
「誰だい」
「槇だよ」
 僕等の聲を聞いて彼は身體をこちらに向き變へた。
「おお、君か」彼は薄眼をあけながら僕を見た。
 僕は神經質な、怒つたやうな眼つきで槇を見つめかへした。僕は彼と隨分長く會はなかつたことを思つた。しかし、僕と彼女との昨日からの行動がもう彼等に知れ渡つてゐて、それが皮肉に僕の前に持ち出されはしないかといふ不安が、さういふ一切の感情を僕から奪ひ去つた。しかし三人ともメランコリツクに默つてはゐたが、その沈默には、僕に對するさういふ非難めいたものは少しも感じられなかつた。僕はそれをすぐ見拔いた。すると僕は大膽になつて、以前のままの親密な氣持を彼等に再び感じながら、槇の寢ころがつてゐるベツドのふちに腰を下した。
 しかし僕には以前と同じやうに槇を見ることが出來なかつた。僕の槇を見る視線には、どうしても彼女の視線がまじつて來るのだつた。僕は彼の顏にうつとり見入りながら、それを強く妬まずには居られないのである。僕は、さういふ僕の中の動搖を彼等から隱すために、新しい假面の必要を感じた。僕は煙草に火をつけ、僕の顔の上に微笑をきざみつけながら、思ひ切つて言つた。
「この頃どうしてゐるの? もうシヤノアルには行かないの?」
「うん、行かない」槇はすこし重苦しく答へた。それから友人の方に急に顏を向けて、「あんなところよりもつと面白いところがあるんだな」
「ジジ・バアか」友人は剃刀を動かしながら、それに應じた。
 僕のはじめて聞いたバアの名前。僕の想像は、そこを非常に猥褻な場所のやうに描き出す。僕はさういふ「惡所」を、彼の中に鬱積してゐる欲望を槇が吐き出すためには一番ふさはしい場所のやうに思つた。そして僕は、どこまでも悲しさうにしてゐる自分自身に比べて、彼のさういふ粗暴な生き方を、ずつと強く見出した。そして僕は何か彼に甘えたいやうな氣持になつた。
「今夜もそこへ行くの?」
「行きたいんだが、金がないんだ」
「お前ないか」剃刀が僕をふり向く。
「僕もないよ」
 僕はその時、僕の腕時計を思ひ浮べた。僕は彼等に愛らしく見える事を欲した。
「これを金にしないか」
 僕はその腕時計を外して、それを槇に渡した。
「これあ、いい時計だな」
 さう言ひながら、僕の腕時計を手にとつて見てゐる槇を、僕は少女のやうな眼つきで、ぢつと見つめてゐた。

 十時頃、ジジ・バアの中へ僕等は入つて行つた。入つて行きながら、僕は椅子につまづいて、それを一人の痩せた男の足の上に倒した。僕は笑つた。その男は立上つて、僕の腕を掴まへようとした。槇が横から男の胸を突いた。男はよろめいて元の椅子に尻をついた。そして再び立上らうとするのを、隣りの男に止められた。男は僕等を罵つた。僕等は笑ひながら一つの汚ないテイブルのまはりに坐つた。するとそこへ薄い半透明な着物をきた一人の女が近づいて來た。そして僕と槇との間に無理に割り込んで坐つた。
「飮むかい」槇は自分のウイスキイのグラスを女の前に置いた。
 女はそのグラスを手に持たうとしないで、それを透かすやうに見てゐた。友人の一人が一方の眼をつぶり、他方の眼を大きく開けながら、皮肉さうに彼等を僕に示した。僕は眼たたきをしてそれに答へた。
 その女はどこかシヤノアルの女に似てゐた。その類似が僕を非常に動かした。しかし、それは僕に複製の寫眞版を思ひ起させた。この女の細部の感じは後者と比べられないくらゐ粗雜だつた。
 女はやつとウイスキイのグラスを取上げて、一口それを飮むと、再び槇の前に置きかへした。槇はその殘りを一息に飮み干した。女はだんだん露骨に槇に身體をくつつけて行きながら、彼を上眼でにらんだり、脣をとがらしたり、腮
あご
を突き出したりした。さういふ動作はその女に思ひがけない魅力を與へた。それが僕の前で、シヤノアルの女の内氣な、そのため冷たいやうにさへ見える動作と著しい對照をなした。僕はこの二人が何處か似てゐるやうで實は何處も似てゐないことを、つまり二人は全てを除いて似てゐるのであることを知つた。そして僕はそこに槇の現在の苦痛を見出すやうな氣がした。
 その槇の苦痛が僕の中に少しづつ浸透してきた。そしてそこで、僕と彼と彼女のそれぞれの苦痛が一しよに混り合つた。僕はこの三つのものが僕自身の中で爆發性のある混合物を作り出しはしないかと恐れた。
 偶然、女の手と僕の手が觸れ合つた。
「まあ冷たい手をしてゐることね」
 女は僕の手を握りしめた。僕はそれにプロフエシヨナルな冷たさしか感じなかつた。しかし僕の手は彼女の手によつて次第に汗ばんで行つた。
 槇が僕のグラスにウイスキイを注いだ。それが僕によい機會を與へた。僕は女から無理に僕の手を離しながら、そのグラスを受取つた。しかし僕はもうこれ以上に醉ふことを恐れてゐる。僕は醉つて槇の前に急に泣き出すかも知れない自分自身を恐れてゐる。そして僕はわざと僕のグラスをテイブルの上に倒してしまつた。

 一時過ぎに僕等はジジ・バアを出た。僕等の乘つたタクシは僕等四人には狹かつた。僕は無理に槇の膝の上に乘せられた。彼の腿は大きくてがつしりとしてゐた。僕は少女のやうに耳を赤らめた。槇が僕の背中で言つた。
「氣に入つたかい」
「ちえつ、あんなとこが……」
 僕は彼の胸を肱で突いた。その時、僕は頭の中にジジ・バアの女の顏をはつきりと浮べた。すると一しよにシヤノアルの女の顏も浮んできた。そしてその二つの顏が、僕の頭の中で、重なり合ひ、こんがらかり、そして煙草の煙りのやうに擴がりながら消えて行つた。僕は僕が非常に疲れてゐるのを感じた。僕は何の氣なしに指で鼻糞をほじくり出した。僕はその指がまだ白粉でよごれてゐるのに氣づいた。

「不器用な天使」新鋭文學叢書、改造社 1930(昭和5)年7月3日発行
「文藝春秋 第七巻第二号」 1929(昭和4)年2月1日発行

2013年6月25日 (火)

11ぴきのねこ

11匹のねこたちが力を合わせ怪魚を捕まえる物語。かわいらしい絵と意外なストーリー展開が特徴。シリーズ全般に子供向けでありながら、11匹いることによる集団心理、団結することによる効果、「とらねこたいしょう」によるリーダーシップなどが描かれている。
11pikino

1967年 「11ぴきのねこ」馬場のぼる
1972年 「11ぴきのねことあほうどり」
1976年 「11ぴきのねことぶた」
1982年 「11ぴきのねこふくろのなか」
1989年 「11ぴきのねことへんなねこ」
1992年 「絵巻えほん 11ぴきのねこマラソン大会」
1996年 「11ぴきのねこどろんこ」
11piki

「まじめなものをおかしさの中にくるんで表現するからこそ逆に心に残る」チャップリンが演じる喜劇のような絵本が目標だった。
『11ぴきはけっして優等生ではない。意地悪もするし、悪知恵を働かせて、ひとのよい動物たちをおとし入れようとたくらみもする。コロッケが好きで、ちゃっかりひとの食べものを奪ったりもする。のん気でひょうきんで威勢がよい時もある。いろんな性格・行動パターンをもちながらも、とにかく根本的にはみんないいねこなのだ。ねこを見ているとなにかしらほっと心がなごむのだ。11ぴきのねこたちがかたぶつの優等生、正義の味方ばかりであったら、こんな安心感はないだろう』馬場のぼる

2013年6月24日 (月)

三保松原も!富士山の世界遺産登録、喜び頂点に

ユネスコの諮問機関イコモス」から「三保松原」の除外が勧告されていたが、これを含む25件の構成資産全ての登録が認められた。
国内の世界文化遺産としては、2011年の「平泉」(岩手県)に次いで13件目。自然遺産を含めると17件となる。

世界遺産登録決定から一夜明け、富士宮口や構成資産は観光客でにぎわった。三保松原(静岡市清水区)では、計400台の駐車場が午前中に満車となるなど、登録効果がさっそく表れた。
登録を祝うのぼり旗が海岸まで続く階段脇に掲げられ、松原近くで60年以上営業する売店「天つ苑」は「諦めかけていただけに、思いがけない結果だった。普段の休日の3~4倍の客入りです」と忙しそうに賑わった。

三保松原も!富士山の世界遺産登録、喜び頂点に
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20130623-OYT1T00259.htm?from=popin

“富士山登録”静岡・山梨両県は喜びに沸く

ユネスコの世界遺産委員会は「富士山」を世界文化遺産に登録することを決定した。
「富士山からの距離が遠く、その一部とは考えられない」と除外を勧告していた静岡市の「三保松原」も逆転での登録となり「これからの世代の子供たちに、こんなきれいな所を残してあげたい」と喜びを爆発させた。

優美な稜線で知られる現在の富士山の姿は、数千年前の噴火活動でその原形ができた。記録に残る最古の噴火は781(天応元)年。8世紀に噴火を鎮める浅間神社の創建が始まり、万葉集に詠まれるなど人々の畏敬や感動の対象になった。鎌倉時代後半には信仰登山が盛んになり、登山道が開かれた。

江戸時代になると、民間信仰「富士講」が現世利益と結び付き庶民の間で大流行。葛飾北斎の浮世絵「冨嶽三十六景」は西洋芸術に大きな影響を与えた。最後の噴火「宝永噴火」は1707(宝永2)年。
明治5年に女人禁制を解禁。夏目漱石の小説「三四郎」に登場し、昭和期の太宰治は「富嶽百景」で「富士には、月見草がよく似合う」との名文を残した。

2013年6月23日 (日)

【富士山世界遺産決定】安倍首相のコメント

富士山は日本の誇り、日本人の心のよりどころでもあるから本当にうれしい。
『私たちの富士山』が『世界の富士山』になった。
ゴッホの絵にも描かれた富士山は、まさにクールジャパンの元祖。
政府も海外への発信を強化し、多くの外国の方々にも日本に足を運んでもらい、富士山を見てほしい。(安倍晋三:内閣総理大臣)

Portrait_of_pere_tanguy

タンギー爺さん(仏: Le Pere Tanguy、英: Portrait of Pere Tanguy)
1887年夏頃及び冬頃にオランダの画家、フィンセント・ファン・ゴッホによって描かれ た油彩の絵画。

2013年6月22日 (土)

富士山、世界文化遺産へ9合目…審議始まる

 【プノンペン】カンボジアで開かれている国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は、21日から富士山を含む新規登録案件の審議に入った。

 審議は順調に進んでおり、日本政府代表団によると、22日午後にも富士山の世界文化遺産登録が決まる見通し。

 この日は新規案件の全30件のうち11件が審議された。

 文化庁の近藤誠一長官は21日午前、「(登録は)目の前まできている」と審議入りを前に心境を語った。富士山の登録を勧告したユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」が、構成資産から除外するよう求めた「

三保松原

(

みほのまつばら

)

」(静岡市)については、「かなりの数の委員国と話をしたが、難しい状況が続いている」との見通しを示した。

2013年6月20日 (木)

スフィンクスの謎

Sphinx

幾何学からも地形からもスフィンクスは謎だられである。

2013年6月19日 (水)

富士山

Fuji201303

2013年6月18日 (火)

玉ねぎの効能・効用

日本で古くから民間療法として 「風邪のひき始めに、玉葱をたっぷり使った味噌汁やスープを飲むと解熱効果がある」という。ネギと同じユリ科に属し、日本では明治時代に入ってから本格的に栽培されるようになりました。

玉ねぎには血液凝固を遅らせる働きがあります。高血圧の予防に有効です。玉葱の皮だけを煎じた液を飲むと非常に効果的ですが、摂りすぎると血圧が下がりすぎることもあるので要注意。
茶色の皮の部分には様々な効用を持つケルセチンというポリフェノールが豊富に含まれています。ケルセチンは黄色い色素で、たまねぎの苦味成分です。たまねぎの皮にはこのケルセチンが白い部分の約30倍も含まれています。ケルシチンには、脂肪の吸収を抑制し、体内の脂肪を排出し、コレステロールを減らす効用があり、ダイエットに有効です。

ビタミンCの5倍以上あるといわれる抗酸化作用や、体に有害な物質を取り除くデトックス効果、花粉症やぜん息、湿疹、じんましん等のアレルギー疾患を改善する効用もあります。

ケルセチンを摂ることにより、毛細血管が丈夫になり、動脈硬化や高血圧の予防、抗がん作用、糖尿病の改善、肩こりや風邪がよくなるなどの効用が期待できます。

たまねぎの皮には他に、硫化アリル、ビタミンA・B1・B2・C、カルシウム、カリウム、鉄、リン等のミネラルが含まれています。

2013年6月17日 (月)

木と羽のバランスパフォーマンス!

日本人女性が見せた「バランス神技」に世界が衝撃を受ける!
「完全に言葉を失った」「これこそ “アート” だ!」
日本人女性「シダ ミヨコ」さんが、スペインのテレビ番組「Tu Si Que Vales」で披露したその神技は、まさに目を見張るほどのインパクトと美しさを持った技であり、これは見とれずにはいられない。
彼女の神技を映した動画「Miyoko Shida Rigolo 」には称賛の声が次から次へ。 
http://rocketnews24.com/2013/05/14/328295/

人生は、バランスを保たなければならない。
すべてのものが重要であり、一番小さな羽でさえも、そのバランスを崩し得る。

「極めた人間は、神様に限りなく近い。木と羽のバランスパフォーマンス!
最後に羽根を一つ、外した瞬間の映像は、高速撮影したら美しいフォルムだろう。」
そのように感じた舞踏に思えました。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=dnDeo0yhIws

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=dnDeo0yhIws
http://www.youtube.com/watch?v=SHrSgFI24zU

http://www.myspace.com/miyoko.shida
Miyoko Shida 広島県福山市出身。山口大学人文学部(国文学)卒。
クラッシックバレエをウェイン・バイヤー、舞踏を大野義人、上杉貢代、能と日本舞踊を大門四郎、有科珠々、歌(ソプラノ)をイザベル・サブリエ、そして、舞台演劇をアラン・ギンツブルジャー等に学ぶ。2012年には、ロシアで開催された国際サーカスフェスティバルにおいて、銀賞と特別賞の2冠を受賞。

https://www.youtube.com/embed/7IgLdu8ODuE?list=FLVTnozowqGRthafIm8iByeA

2013年6月16日 (日)

現代思潮社 古典文庫

1967年から現代思潮社の古典文庫というのがあった。
背表紙は布装で装丁もなかなかしゃれて、
文庫だが大判でハードカバーで厚表紙。

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『魔女』 ジュール・ミシュレ(Jules Michelet)
『疫病流行記』 ダニエル・デフォー(Daniel Defoe)
『ドン・ジュアンとファウスト』 C・D・グラッベ(Christian Dietrich Grabbe)
『唯一者とその所有』 マックス・シュティルナー(Max Stirner)
『テスト氏・未完の物語』 ポール・ヴァレリー(Paul Valéry)
『革命論集』 オーギュスト・ブランキ(Louis Auguste Blanqui)
『気球乗りジャノッツオ』 ジャン・パウル(Jean Paul)
『放浪の女ぺてん師クラーシェ』 ハンス・グリンメルスハウゼン(Hans Jakob Christoffel von Grimmelshausen)
『太陽の都』 トンマーゾ・カンパネッラ(Tommaso Campanella)
『夜警』 ボナヴェントゥーラ(Bonaventura)
『無限、宇宙と諸世界について』 ジョルダー・ブルーノ(Giordano Bruno)
『ドン・キホーテに関する思索』 ホセ・オルテガ=イ=ガセット(José Ortega y Gasset)
『キリスト教暴露』 P・ドルバック(barn, Paul Henri Thiry d'Holbach)
『阿呆船』 S・ブラント(Sebastian Brant)
『幻視者』 ジェラール・ド・ネルヴァル(Gerard de Nerval)
『書物合戦・ドレイピア書簡』 ジョナサン・スウィフト(Jonathan Swift)
『キリスト教の精神とその運命』 ゲオルク・ヘーゲル(Georg Hegel)
『ルソー、ジャン=ジャックを裁く』 ジャン・ジャック・ルソー(Jean Jacques Rousseau)
『パリの夜』 ニコラ・エドム・レチフ・ド・ラ・ブルドンヌ(Retif de la Bretonne)
『テレマックの冒険』 フランソワ・フェヌロン(Francois de Fenelon)
『不運な旅人』 トマス・ナッシュ(Thomas Nash)
『プルードン』 サント・ブーヴ(Charles Augustin de Sainte-Beuve)
『エレジー・唄とソネット』 ジョン・ダン(John Donne)
『日記・花粉』 ノヴァーリス(Novalis)
『寛容論』 ヴォルテール(Voltaire)
『言語起源論』 ジャン・ジャック・ルソー(Jean Jacques Rousseau)

『不運な旅人』 トマス・ナッシュ(Thomas Nash)
『プルードン』 サント・ブーヴ(Charles Augustin de Sainte-Beuve)
『エレジー・唄とソネット』 ジョン・ダン(John Donne)
『日記・花粉』 ノヴァーリス(Novalis)
『寛容論』 ヴォルテール(Voltaire)
『言語起源論』 ジャン・ジャック・ルソー(Jean Jacques Rousseau)
『巨人』 ジャン・パウル(Jean Paul)
『プガチョーフ叛乱史』 アレクサンドル・プーシキン(Aleksandr Pushkin)

『ハンブルク演劇論 』 ゴットホルト・レッシング(Gotthold Ephraim Lessing)
『ローマ皇帝伝』 ガイウス・スエトニウス(Gaius Suetonius Tranquillus)
『義務について』 マルクス・トゥッリウス・キケロー(Marcus Tullius Cicero)
『言語起源論』 ジャン・ジャック・ルソー(Jean Jacques Rousseau)
『テスト氏・未完の物語』 ポール・ヴァレリー(Paul Valéry)  
『ペルシャ神仙譚』 フランセス・オルコット(Frances Jenkins Olcott)
『ロシア民話集』 アレクサンドラ・アファナーシエフ(Aleksandr Afanas'ev)
『スコットランドの民話と伝奇物語』 ジョージ・ダグラス(Sir George Brisbane Scott Douglas)
『中世近世日欧交渉史』 R・ヒルドレス(Richard Hildreth)
『悲劇の哲学』 レフ・シェストフ(Lev Shestov)
『四運動の理論』 シャルル・フーリエ(Charles Fourier)

これらは学生時代にバイトしていた現代思潮新社の本社での棚卸などでよく在庫を運んだ古典文庫シリーズである。今でも現代思潮新社は出版活動を続けているみたいだ。
http://www.gendaishicho.co.jp/search/s19.html

2013年6月15日 (土)

大友克洋の崩壊するイメージでみる世界

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2013年6月14日 (金)

漫画カメラにて

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舞台となる景色がある

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2013年6月13日 (木)

『季刊リトケイ』05号 「美しい島々」特集

椎名誠さんによる島エッセイ、佐渡島出身のパルシステム山本理事長のインタビュー、
五島列島福江島出身でジブリ映画 等の背景画家の山本二三さん原画とメッセージetc

●山本二三● アニメーション美術監督1953年、長崎県五島市生まれ。24歳で「未来少年コナン」の美術監督されて以降、ジブリの映画などで詩情あふれる背景世界を手がけている。「天空の城ラピュタ」「火垂るの墓」人間と自然の共生を問う「もののけ姫」の神々しい森「時をかける少女」の夏空やY字路―キャラクターと物語が躍動する最高の舞台。「師は自然。故郷・五島列島で生まれ育った影響は大きい」と自ら語る通り、山・海・空など自然の描写に定評があり、ボリューム感のある雲は「二三雲」と呼ばれています。ライフワーク山本二三「五島百景」制作。
https://ritokei.stores.jp/#!/items/51626fbe9de2f00d3700007b

山本二三ライフワーク「五島百景」
五島列島の文化と自然を守り、世に広めるための活動の主幹となる作品集。
http://www.yamamoto-nizo.com/gotou.html

2013年6月12日 (水)

映画「しわ」イグナシオ・フェレラス(Ignacio Ferreras)

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平成23年度の第15回文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞に輝いた、スペインの漫画家パコ・ロカの同名作を、『東京オンリーピック』にも参加し、若手アニメーターとして注目を浴びるイグナシオ・フェレーラスが監督した長編アニメ。

認知症で養護老人施設に送られた老人の姿を、手描きによる温かいタッチで描き出す。
映画「しわ」2013年6月22日(土)公開

2013年6月11日 (火)

『熱風』6月号特集『しわ』

「しわ」に寄せる自称・しわ世代応援団長の雑感 (アニメ批評・山口康男)

"ペコロスの母"のこと、そして「しわ」 (漫画家・岡野雄一)

素敵な思い出にはリボンをかけて (エッセイスト・しまおまほ)

卓越したストーリーテリングで認知症に寄り添う
--スペインのアニメーション「しわ」を観て (映画監督・関口祐加)

「老い」や「病気」は一種のチャンスだと思うから、私は嫌ではないんです。 (女優・樹木希林)

Siwa

イグナシオ・フェレーラス監督 インタビュー
高畑作品に出会っていなければ、
「しわ」の物語を紡ぐことはできませんでした。

小冊子『熱風』特集しわ
http://www.ghibli-museum.jp/shiwa/news/009322/

2013年6月 9日 (日)

戦争漫画シリーズ「勝利の日まで」第4部「南方基地篇」

手塚治虫が終戦直前の10代半ばに描いた戦争漫画シリーズ「勝利の日まで」の第4部「南方基地篇」が見つかった。出世作「新宝島」(昭和22年)の2年前の作品。
戦時中に原稿が空襲で焼失するのを防ぐため同級生に預けることがあり、古書店に出回ったのを手塚プロダクションが一昨年に入手した。
「南方基地篇」は8ページのモノクロで未完。B5判の紙の表裏にペンで描かれている。昭和20年春公開の長編アニメ映画「桃太郎 海の神兵」に感動して手掛けたといわれる。

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孤島にある南方基地に「ダン吉島」から飛行機が飛来、ダン吉島の最後の突撃を知った上官が出陣を決意する内容。部下のウサギの兵隊たちが躍動感いっぱいに描かれている。
手帳に記していた構想によると「勝利の日まで」は全6部。戦意高揚の風潮を受けて描いたシリーズで、他には第1部「空襲篇」しか見つかっていない。
「南方基地篇」は「手塚治虫とキャラクターの世界」(三栄書房)に掲載される。

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2013年6月 8日 (土)

○早歩きのポイント

早歩きは脂肪燃焼に効果があり、心肺機能を高め、血管に弾力性を与えてくれます。
歩くときに意識して早歩きにするだけで十分です。
  1 胸を張り、背すじを伸ばしましょう
  2 視線をやや遠くにしましょう
  3 かかとから着地するようにしましょう
  4 いつもより、歩幅を広げましょう
  5 いつもより、歩調をリズミカルにしましょう

「早歩き」は血管の老化を防ぎ、代表的な有酸素運動で筋力低下の防止も図れる。
http://www.tyojyu.or.jp/hp/page000000400/hpg000000343.htm

『インドを語る』 松山俊太郎著

  • 『インドを語る』 松山俊太郎著の画像

東京大学の印度哲学科で、酒とケンカに明け暮れつつ梵文学(サンスクリット語)を専攻。サンスクリット、パーリ語に英独仏語とアラビア語を自在に操り、仏教から古今東西の歴史、芸術、文学に通暁した希代のインド学者にして蓮の研究家。また澁澤龍彦との交友で知られ、小栗虫太郎などの幻想文学研究のパイオニアでもある知の巨人こと松山俊太郎。神田神保町の美学校でおこなわれ、今や伝説ともなった講義の内容に加筆した珠玉の文化論。

『インドを語る』復刊リクエスト投票(復刊ドットコム)
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(内容紹介・目次)

インドなんて分からない・・・・・・・・9ページ
 人間にとって〈わかる〉ということ
 〈心理〉とは何か

インドは幻・・・・・・・・18
 日本人の〈世界〉観
 人もだましたいし、自分もだまされたい
 インド文化の衰退
 善悪の緊張したバランス

豊穣な国インド・・・・・・・・30
 思想のスケールの複雑さと単純性
 〈我〉とは何か
 諸行は無常

お釈迦様のさとり・・・・・・・・41
 無明と明
 さとりと理性
 理想主義のゆくえ

インド人の思想について・・・・・・・・53
 インドの思想は個人主義
 仏教の救済の根本にあるもの
 空の中に住んでいる日本人
 インド文化は深遠かつ幼稚
 あらゆる思想を空ずる立場

思想とはどういうものか・・・・・・・・67
 思想の誘惑
 〈愛〉とは何か
 思想と倫理と美学と
 思想をもたなくともいいという思想?
 思想の効用というもの
 思想の影響について

華厳経の宇宙・・・・・・・・102
 〈十の百乗〉という誤差
 途方もない最大数=不可説
 小は大よりも大きい
 透明かつ不透明
 〈心〉と〈世界〉

百科事典のつくれない国・・・・・・・・135
 インド文化の厖大さ
 やっぱりインドは分からない

インド学と当世学問事情・・・・・・・・148
 インドへの正当なる関心
 学者の教養について
 功利主義がすべてを駄目にする
 飽食時代のニヒリズム

宇宙における人間の地位 ― あとがきにかえて・・・・・・・・168

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梵文学者松山俊太郎先生の近況報告をするブログです。
http://matsuyamainukai.blog.fc2.com/

2013年6月 7日 (金)

薔薇十字社とその軌跡

天声出版の雑誌『血と薔薇』の廃刊後、1969年、天声出版出身の内藤三津子が澁澤龍彦、堀内誠一、種村季弘たちの協力のもとに創業。『血と薔薇』で中途半端に終ってしまった企画や連載を引き継ぐ形で書籍として刊行した。島崎博・三島瑤子共編『定本三島由紀夫書誌』(1972年)の校正を担当していたのが、後の芥川賞作家黒田夏子であった。
1972年、都市出版社の矢牧一宏が薔薇十字社に合流。1973年に薔薇十字社が6000万円の負債を抱えて倒産した後、内藤と矢牧は共に出帆社を設立した。
/wiki/薔薇十字社

10g


内藤/三津子 1937年、中国上海市東洋街生まれ。1960年、青山学院大学文学部英米文学科卒業。玄光社・コマーシャルフォト編集部、中山書店生物学大系編集部を経て、1962年、新書館入社。「フォア・レディース」の担当など編集長として四年間在籍。その後「話の特集」を一年間手伝い、1968年、天声出版にて雑誌『血と薔薇』を企画、その三号までの編集に携わる。1969年、薔薇十字社設立。73年倒産。その後出帆社を経て、1982年~2002年、編集プロダクションNアトリエ主宰(BOOK情報より)

「70年代零細版元の潰れ方の研究あるいは薔薇十字社外伝」(『彷書月刊』2002年3月号)
http://www.art-blue.jp/houshogekkan/2002/200203.html

2013年6月 6日 (木)

薔薇十字社刊行書一覧

コクトオ(澁澤龍彦訳)『ポトマック』
A5判。角背上製クロス装。貼凾入帯付。昭和44年12月25日刊。定価1600円。

堂本正樹『男色演劇史』
A5判。角背上製紙装。貼凾入帯付。昭和45年4月1日刊。定価1300円。村上芳正装。帯文澁澤龍彦。口絵写真あり。

種村季弘『吸血鬼幻想』 
A5変形判。角背上製布装。貼凾入。昭和45年7月15日刊。定価2300円。野中ユリ装。

渡辺温『アンドロギュノスの裔』
A5判。角背上製布装。貼凾入帯付。昭和45年9月1日刊。定価1500円。谷崎潤一郎他の追悼文、年譜等収録。装丁挿画渡辺東(温の姪)。

シュペルヴィエル(澁澤龍彦訳)『ひとさらい』
A5判。角背上製クロス装。貼凾入帯付。昭和45年10月20日刊。再版昭和47年3月20日刊。定価1300円。ハンス・アルプ挿画。

加藤郁乎詩集『ニルヴァギナ』
大判。角背上製本。貼凾入。定価2500円。昭和46年8月20日刊。限定999部記番。装幀堀内誠一。

澁澤龍彦『黄金時代』  
A5判。角背上製クロス装。貼凾入帯付。昭和46年7月10日刊。定価1800円。意匠澁澤龍彦。構成勝川浩司。後に出帆社からも発売された。

塚本邦雄『悦楽園園丁辞典』
角背上製本布装。貼凾入帯付。昭和46年2月5日刊。定価1800円。装幀横山明。

中田耕治『ド・ブランヴィリエ侯爵夫人』
A5判。角背上製紙装。貼凾入帯付。昭和46年5月1日刊。定価1300円。宇野亜喜良装。本文紺色刷。

今西博子『巴里より愛するママへ』
四六判。並装カバー付。昭和46年5月発行。定価680円。装幀挿画・渡辺藤一。口絵写真2頁。

尾崎翠作品集『アップルパイの午後』
四六判。角背上製本クロス装。貼凾入帯付。昭和46年11月10日刊。定価900円。谷川晃一装。

『定本三島由紀夫書誌』特装本
A5判。丸背上製継表紙クロス装。総革ブックカバー装。小口天は三島瑤子手彩。外凾入帙付。編者墨筆署名入。限定45部。昭和46年11月25日刊。定価36000円。

島崎博・三島瑶子編『定本三島由紀夫書誌』
A5判。丸背上製継表紙クロス装。貼凾入帯ビニカバ付。昭和47年1月25日刊。定価5000円。限定1000部。

吉田八岑『悪魔考 神に叛くかれた者たち』 
四六判。角背上製紙装。貼凾入帯付。再版昭和47年4月18日刊。野中ユリ装幀。定価1500円。

『大坪砂男全集』全2巻(澁澤龍彦・都筑道夫編・解説)
A5判。丸背上製クロス装。貼凾入帯付。月報付。本文2段組。昭和47年5月26日刊。定価2000円。松本杲夫装。

種村季弘『薔薇十字の魔法』
A5判。角背上製紙装。貼凾入帯付。本文茶色刷。昭和47年6月22日刊。定価1600円。堀内誠一装。

トポール『マゾヒストたち』(澁澤龍彦編)
並装。機械凾入帯付。昭和47年8月10日刊。定価680円。堀内誠一装。

加藤郁乎『かれ発見せり』
A5判。角背上製紙装。貼凾入帯付。昭和47年8月15日刊。定価1800円。堀内誠一装。

『西脇順三郎対談集 詩・言葉・人間』  
四六判。並装。機械凾入帯付。昭和47年8月18日刊。定価900円。装丁中西夏之。

マンスール(巖谷國士訳)『充ち足りた死者たち』
A5判変形。丸背上製布装。硬質ビニルカバ付。栞入。昭和47年8月30日発行。定価1200円。野中ユリ装。栞文澁澤龍彦。

窪田般彌『孤独な色事師ジャコモ・カザノヴァ』
A5判。角背上製紙装。貼凾入帯付。昭和47年9月30日刊。定価1600円。

プルースト(窪田般彌訳)『楽しみと日々』
四六判。丸背上製紙装。貼凾入帯付。昭和47年11月10日刊。定価1500円。

ユイスマンス(田辺貞之助訳)『腐爛の華 スヒーダムの聖女リドヴィナ』
A5判。角背上製紙装。貼凾入帯付。昭和47年11月20日刊。定価1700円。野中ユリ装。

加藤郁乎『エトセトラ』
A5判。角背上製クロス装。貼凾入。昭和48年1月29日発行。定価1600円。斉藤和雄装。

ジィップ(森茉莉訳)『マドゥモァゼル・ルウルウ』
四六判。並装。貼凾入帯付。昭和48年2月15日刊。定価900円。本文2色刷。序文与謝野晶子。堀内誠一装。

久生十蘭『紀ノ上一族』<Collection Juranesque>
四六判。並装パラ貼込。貼凾入帯付。昭和48年3月8日刊。定価1400円。2段組。解説中井英夫。

ポオ(日夏耿之介訳)『大鴉』
大判。角背上製クロス装。貼凾入帯付。再版昭和48年3月13日刊。定価1200円。旧漢字旧仮名使い。ポオ原文、ドレ挿画入。

久生十蘭『黄金遁走曲』<Collection Juranesque>
四六判。並装パラ貼込。貼凾入帯付。昭和48年5月4日刊。定価1400円。2段組。解説塚本邦雄。

種村季弘編訳『ドラキュラ・ドラキュラ』
四六判。並装。カバー帯付。昭和48年5月21日発行。定価1000円。四谷シモン装。

鷲巣繁男『戯論〈メディアム加藤郁乎〉あるいは詩をめぐっての逍遥游』
A5判。丸背上製布装。カバー付段ボール機械凾入。昭和48年6月8日刊。限定1000部記番。定価3800円。

内田愃詩集『航海』
A5判変形。角背上製紙装。貼凾入付。昭和48年8月1日発行。定価1200円。跋文渋沢龍彦。安達東彦画。
☆薔薇十字社最後の出版物、発売はされたがゾッキ本となってで流れた。
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ディヴィッド・バーガミニ(いいだもも訳)『天皇の陰謀』(全2冊)
並装機械凾入帯付。前篇昭和47年刊。後篇昭和48年刊。れおぽーる書房刊。薔薇十字社発売。
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2013年6月 5日 (水)

『三島由紀夫短篇全集』全2巻(新潮社、1987.11)

上 1987.11.20
 
酸模(スカンポウ)…………………………10
座禅物語………………………………………20
鈴鹿鈔…………………………………………24
暁鐘聖歌………………………………………29
館………………………………………………33
彩絵硝子(ダミヱガラス)…………………61
花ざかりの森…………………………………80
苧菟と瑪耶………………………………… 106
みのもの月………………………………… 122
うたはあまねし…………………………… 137
玉刻春(タマキハル)…………………… 138
世々に残さん……………………………… 155
祈りの日記………………………………… 204
曼陀羅物語………………………………… 235
朝倉………………………………………… 239
中世に於ける一殺人常習者の遺せる哲学的日記の抜萃…… 246
エスガイの狩……………………………… 253
菖蒲前……………………………………… 262
煙草………………………………………… 279
贋ドン・ファン記………………………… 289
岬にての物語……………………………… 313
中世………………………………………… 332
恋と別離と………………………………… 357
軽王子と衣通姫…………………………… 365
夜の仕度…………………………………… 395
鴉…………………………………………… 413
ラウドスピーカー………………………… 421
春子………………………………………… 433
サーカス…………………………………… 463
帰徳………………………………………… 469
接吻………………………………………… 481
伝説………………………………………… 484
白鳥………………………………………… 487
哲学………………………………………… 491
蝶々………………………………………… 494
殉教………………………………………… 507
親切な男…………………………………… 518
家族合せ…………………………………… 530
人間喜劇…………………………………… 547
ツタンカーメンの結婚…………………… 563
頭文字……………………………………… 568
慈善………………………………………… 581
宝石売買…………………………………… 599
好色………………………………………… 619
罪びと……………………………………… 631
不実な洋傘………………………………… 639
山羊の首…………………………………… 654
獅子………………………………………… 662
序章………………………………………… 699
幸福といふ病気の療法…………………… 708
大臣………………………………………… 720
恋重荷……………………………………… 731
毒薬の社会的効用について……………… 744
魔群の通過………………………………… 753
侍童………………………………………… 778
天国に結ぶ恋……………………………… 791
訃音………………………………………… 792
舞台稽古…………………………………… 812
星…………………………………………… 824
薔薇………………………………………… 825
退屈な旅…………………………………… 828
親切な機械………………………………… 839
孝経………………………………………… 864
火山の休暇………………………………… 883
怪物………………………………………… 895
花山院……………………………………… 910
果実………………………………………… 917
鴛鴦………………………………………… 924
修学旅行…………………………………… 932
日曜日……………………………………… 944
遠乗会……………………………………… 956
孤閨悶々…………………………………… 968
日食………………………………………… 985
食道楽……………………………………… 987
牝犬…………………………………………1001
女流立志伝…………………………………1023

『三島由紀夫短篇全集』全2巻(新潮社、1987.11)

下 1987.11.20
 
家庭裁判………………………………………10
偉大な姉妹……………………………………26
箱根細工………………………………………60
椅子……………………………………………77
死の島…………………………………………86
翼………………………………………………96
右領收仕候(ミギリヤウシウツカマツリサウラフ)…… 106
手長姫……………………………………… 123
朝顔………………………………………… 141
携帯用……………………………………… 145
離宮の松…………………………………… 157
クロスワード・パズル…………………… 168
学生歌舞伎気質…………………………… 184
近世姑気質………………………………… 199
金魚と奥様………………………………… 212
真夏の死…………………………………… 225
二人の老嬢………………………………… 259
美神………………………………………… 273
江口初女覚書……………………………… 277
雛の宿……………………………………… 288
旅の墓碑銘………………………………… 302
急停車……………………………………… 318
卵…………………………………………… 336
不満な女たち……………………………… 346
花火………………………………………… 362
ラディゲの死……………………………… 372
陽気な恋人………………………………… 384
博覧会……………………………………… 403
芸術狐……………………………………… 413
鍵のかかる部屋…………………………… 425
復讐………………………………………… 461
詩を書く少年……………………………… 469
志賀寺上人の恋…………………………… 480
水音………………………………………… 491
S・O・S …………………………………… 509
海と夕焼…………………………………… 521
新聞紙……………………………………… 529
商ひ人……………………………………… 534
山の魂……………………………………… 542
屋根を歩む………………………………… 551
牡丹………………………………………… 563
青いどてら………………………………… 567
十九歳……………………………………… 569
足の星座…………………………………… 577
施餓鬼舟…………………………………… 593
橋づくし…………………………………… 602
女方………………………………………… 615
色好みの宮………………………………… 632
貴顕………………………………………… 647
影…………………………………………… 666
百万円煎餅………………………………… 679
スタア……………………………………… 691
憂国………………………………………… 728
苺…………………………………………… 746
帽子の花…………………………………… 756
魔法瓶……………………………………… 764
月…………………………………………… 780
葡萄パン…………………………………… 793
真珠………………………………………… 806
自動車……………………………………… 816
可哀さうなパパ…………………………… 827
雨のなかの噴水…………………………… 841
切符………………………………………… 848
剣…………………………………………… 861
月澹荘綺譚………………………………… 898
三熊野詣…………………………………… 913
孔雀………………………………………… 951
朝の純愛…………………………………… 965
仲間………………………………………… 978
英霊の声…………………………………… 981
荒野より……………………………………1011
時計…………………………………………1023
蘭陵王………………………………………1035

『三島由紀夫短篇全集』全2巻(新潮社、1987.11)

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2013年6月 4日 (火)

「三島由紀夫憲法草案」

実質的には「楯の会憲法研究会」が作成した「憲法改正案」なるもので、概略は下記の通り標題に「維新法案」とある。

【天皇】
天皇は国体である
天皇は神勅を奉じて祭祀を司る
皇位は世襲であって、その継承は男系子孫に限ることはない
天皇の国事に関するすべての行為は、顧問院が輔弼し、内閣がその責任を負う
顧問院は天皇に直属し、国体を護持する
顧問院は勅撰議員によって構成される
天皇は議会、内閣、裁判所を設置する
天皇は国軍の栄誉の源である
天皇は統帥権の運用および軍の最高指揮権を顧問院ならびに内閣に委ねる
天皇は衆議院の指名に基づき内閣総理大臣を任命する
天皇は内閣の輔弼により最高裁判所長官を任命する
天皇は顧問院の輔弼により検事総長、教育長官を任命する
天皇は国会(注・一院制)を召集し、衆議院を解散する

【国防】天皇に言及のある条文のみ抜粋
日本国軍隊は、天皇を中心とするわが国体、その歴史、文化を護持することを本義とし、国際社会の新倚と日本国民の信頼の上に健軍される

【非常事態法】
天皇は不測の事態により国の安寧秩序が脅かされる時は、公共の安全を保持し、またはその災厄を避けるため、戒厳令を宣告する
戒厳の要件および効力は法律で之を定める

(出典 『血滾る三島由紀夫「憲法改正」』(松藤竹二郎著 毎日ワンズ 2003年12月8日 発行)

2013年6月 3日 (月)

『三島由紀夫戯曲全集』全2巻

上 1990.9.10
東の博士たち………………………………… 7
狐会菊有明……………………………………22
あやめ…………………………………………26
火宅……………………………………………34
愛の不安………………………………………49
灯台……………………………………………60
ニオベ…………………………………………84
聖女………………………………………… 102
魔神礼拝…………………………………… 122
邯鄲………………………………………… 185
綾の鼓……………………………………… 208
艶競近松娘………………………………… 225
卒塔婆小町………………………………… 233
紳士………………………………………… 245
只ほど高いものはない…………………… 246
夜の向日葵………………………………… 291
室町反魂香………………………………… 371
地獄変……………………………………… 382
葵上………………………………………… 397
若人よ蘇れ………………………………… 409
溶けた天女………………………………… 476
ボン・ディア・セニョーラ……………… 514
鰯売恋曳網………………………………… 537
ボクシング………………………………… 551
班女………………………………………… 562
恋には七ツの鍵がある…………………… 573
熊野………………………………………… 576
三原色……………………………………… 583
船の挨拶…………………………………… 598
白蟻の巣…………………………………… 605
芙蓉露大内実記…………………………… 654
大障碍……………………………………… 665
鹿鳴館……………………………………… 677
オルフェ…………………………………… 733
道成寺……………………………………… 739
ブリタニキュス…………………………… 753
朝の躑躅…………………………………… 825
薔薇と海賊………………………………… 846
むすめごのみ 帯取池…………………… 906
 

下 1990.9.10
 
熊野…………………………………………… 7
女は占領されない……………………………19
熱帯樹…………………………………………80
プロゼルピーナ…………………………… 135
弱法師……………………………………… 143
十日の菊…………………………………… 157
黒蜥蜴……………………………………… 214
源氏供養…………………………………… 279
喜びの琴…………………………………… 288
美濃子……………………………………… 346
恋の帆影…………………………………… 374
聖セバスチァンの殉教…………………… 429
サド侯爵夫人……………………………… 567
憂国………………………………………… 626
アラビアン・ナイト……………………… 641
朱雀家の滅亡……………………………… 684
ミランダ…………………………………… 730
わが友ヒットラー………………………… 738
癩王のテラス……………………………… 786
椿説弓張月………………………………… 842
文楽 椿説弓張月………………………… 880
附子………………………………………… 889
LONG AFTER LOVE ………………………… 894
*初演一覧………………………………… 899

『三島由紀夫戯曲全集』全2巻(新潮社、1990.9)

三島由紀夫 戯曲作品 五十音分類
http://www.geocities.jp/eisuke75691125/mishimap/pgroup.html

2013年6月 2日 (日)

「井上ひさし展 -21世紀の君たちに-」

井上ひさし作品の魅力のひとつは、主人公たちが未来へ向かう姿にある。 政府に愛想をつかした東北の一農村の独立運動を描いた「吉里吉里人」、子どもたちの漂流記「ひょっこりひょうたん島」(山元護久との共作)。 過酷な状況にありながら、笑いを忘れず、仲間と共にユートピアを追い求める姿は、 困難に立ち向かうた希望を与えてくれる。

展示は3部構成
1部 生い立ちから作家になるまでを母の手紙などからたどる。〈明日の光に生きませう〉。夫亡き後、一人で子供たちを育てた母は手紙で、施設に預けた息子を励まし続けた。〈私が作文が少し人より巧かったのは結局環境がそうしてくれたものだらうと思って居ます〉今にも壊れそうな「家族」という小さな共同体を支えていた。

2部『ひょっこりひょうたん島』や『吉里吉里人』などの作品で、ユートピアを作ろうとした人々を描いた創作の秘密。プロットを書いた原稿用紙は、長さは8メートル30。日本から独立しようとした東北の一寒村の1日半の出来事が、時系列で書き込まれている。創作ノート8冊には、農業、医療、廃棄物の問題点まで細かに調べられた「遅筆堂」の実体。

3部 新作を書くたび古書店街から消えるほど、作品分野の膨大な資料を集め、気になる言葉を書き留められるよう「書抜き帳」を持ち歩いた作家の日常。〈書物を読むことで過去は、現在のうちによみがえる〉と記して、自身を過去を生きた人々の思いを今に、そして未来へとつなぐ「中継走者」だと考えていた。
書物に遺された過去を物語に再生し、 同時代、そして未来の人たちへ手渡す創作活動を、蔵書や創作メモ、愛用の文具などで展覧 総数約350点。

http://www.kanabun.or.jp/te0170.html

2013年6月 1日 (土)

ヨハネス・フェルメール(1632~75)

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羽衣ストーブ館

  • 静岡新聞 2001年5月22日記事
    フランスを中心としてヨーロッパで製造されたアンティークストーブ100点以上はひとりの日本人個人によって南仏を中心に長期コレクションされたものであります。 ◆南仏より海を渡ってやってきたアンティークストーブ100台たちは清水港へ上陸して、東海大学社会教育センターに移築した江戸時代に作られた曲り屋の屋敷のなかに展示された。 ◆鋳物ストーブ100台たちは、その後も数奇な運命をたどることになる。
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  • _0 愚者
    タロットアルカナの22枚には、世界の変化を表すことが記されています。カードの意味を知るには、図案のもつ表のイメージから解放されることが大切です。

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  • 0の愚者から21の宇宙(世界)まででひとつの話が結ばれる
    兆しを理解して現実なるものを深くたのしく感知する訓練カードです。 タロットを機能させるには慣れ親しむことからはじまります。 まだ目には見えていない物事や潜在的な事柄を導き出す道具でもあります。 各アイコンをクリックすると、21のカードが観れます。