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2013年7月30日 (火)

忘れられた作家・島田清次郎

白日の太陽の下に照されては、
瘠せ細った骨格、露わな肋骨、光沢のないもつれ毛、血色の悪い蒼白な肉身も、
夜の無限な魅力のうちに、エレキの白光に照らし出されては、
一切は豊潤な美とみずみずしさを現わすのである。
くろぐろと宝玉のような光輝をもつ黒髪も美しければ、
透明で白い肉身の膚に潮のように浮かぶ情熱の血の色も美しい。
軽やかな水色、薄桃色、藤紫色の色彩に包まれた肉体の動揺の生み出す明暗の美しさを何にたとえようか——
(島田 清次郎『地上 ― 地に潜むもの』 (季節社)p. 90)

Shimadaseijiro

天才か、狂人か。ベストセラー作家から地に堕ちた男。
大正時代を流星の如く駆け抜けた作家、島清こと島田清次郎。わずか二十歳で上梓したデビュー作『地上』が空前の大ベストセラーとなり、有名批評家もこぞって絶賛。一躍文学青年たちのカリスマとなっていく。
アメリカ、ヨーロッパを外遊し、アメリカではクーリッジ大統領、イギリスではH.G.ウェルズとも面会するが、「精神界の帝王」「人類の征服者」と自称するなど傲岸不遜な言動は文壇で嫌われ、おまけに海軍少将令嬢を誘拐監禁したというスキャンダルによって人気は一気に急落。出版社からも作品を受け取ってもらえなくなり、吉野作造や菊池寛らの家に押しかけて居座るなど、たびたび問題を起こすようになってしまう。
やがて放浪の果て、清次郎は巣鴨町庚申塚にある私立精神病院「保養院」に 収容された。このとき満二十五歳。
天才と呼ばれた青年作家は、精神病院の患者となった──。

忘れられた作家・島田清次郎。

☆『地上』(島田清次郎 新潮社出版 大正8年~)(第一部 地に潜むもの・第二部 地に叛くもの) 実質的な島田のデビュー作で、出版されるやいなや大正期の若者たちに熱狂的に支持され、清次郎は一世を風靡します。『地上』は大正期に最も売れた本のひとつといわれています。
http://www.navi-bura.com/special/taisyo100nen_05.php

☆映画・島田清次郎
http://www.geocities.jp/widetown/otona/otona_8040.htm

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