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2014年6月10日 (火)

『デイプノソプィスタイ(食卓の賢人たち)』アテナイオス

『デイプノソプィスタイ(食卓の賢人たち)』アテナイオス

舞台は二世紀頃のローマ。次々と出される料理を楽しみながら、その材料や料理法や食器や食べ方等々について、宴に招かれた客たちが競って蘊蓄を披露する。知ったところで役に立つとも思えぬ話も無類に面白い。この奇書の著者はその名アテナイオス以外ほとんど何も分っていない。
スフィンクスのなぞなぞ、道化ふざけ、音楽の功徳、疲労回復法、英雄と野菜、博学の料理人が大演説、賢人たちの宴は果てない。現在では失われてしまった多くの著作からの引用があり貴重な資料である。ギリシア・ローマの時代にはこんなことも知られていたと今更ながら驚かされる内容。四捨五入されてシンプルナイズ化された、我々の食卓はひょっとしたら退化しているのかもと空想する。


☆食卓の賢人たち☆ 目次

第一巻<要約>
序 列席者の紹介/序 ラレンシス讃/気前のよさは裕福な人のつとめであること/食道楽と教養/ピロクセノス/もうひとりのピロクセノス/アピキウス/ミュコノス人の貧しさと不評・押しかけ客/節制/飲酒/三度の食事/卓の置き方/取り分け/歌舞音曲/毬わざ、舞踊/笛/献酒/豪邸/ペネロペ遊び/香りと寝台/尿瓶/英雄たちの分別ある生き方/愚かしい贅沢/いろいろな芸人たち/世界の都市ローマ/舞踊/着物の着付け、歩き方など/アイスキュロスの劇の合唱隊の踊り/ふたたび舞踊について/ムセイオン/飲食に関するいくつかの語彙/疲労回復法/英雄と野菜・魚・鳥など/古い酒/イタリア各地の葡萄酒/ギリシア各地の葡萄酒、および特産品/島々の葡萄酒/椰子酒/このほかの各地の酒/一風変わった酒各種/神託/香料入りの酒/葡萄酒と栄養・健康/エジプトの葡萄酒/酔いざめのキャベツ

第二巻<要約>
葡萄酒をギリシア語でoinosと呼ぶ理由/薬としての酒/適量、度を過ごした酒/酒と人間の年齢/酒讃歌/「三段櫓船」と呼ばれる家――酔いの果ての狂気/酒と真実/葡萄酒を水割りにして飲むことの起源/酔って獣と化すこと/ネクタル/酒と詩人/精神を高揚させる酒、精神を鈍らせる酒/酒と神事/水――序/ホメロスに語られた水/さまざまな天然の水/特異な泉/酒を飲む人、水を飲む人/水しか飲まなかった人々/特別な水/食前の水、飲む前の水/カルマノイ人の奇習/よい水、悪い水/水・乳・蜂蜜の栄養/要約者の書き込み/喜劇に見られる食事に関する稀語/宴席の寝椅子の数/寝椅子・寝台の掛け布/三脚の卓/ダマスコス李/桜桃/桑の実/胡桃/アーモンド/ひよこ豆/ルピナス/ささげ/オリーヴ/二十日大根/松の実/卵/食前酒/ぜにあおい/西洋南瓜/茸類/水芹/松露/刺草/アスパラゴス/蝸牛/ボルボス/鶫/いちじくくい/花鶏/黒鶫/椋鳥/雀/豚の脳/胡椒/オリーヴ油/魚ペースト/酢/ペポン/ちしゃ/薊/カクトス/棗椰子の脳

第三巻<要約・原文>
エジプト豆の実/胡瓜/無花果/林檎/キュドニア林檎/ふたたび林檎/ペルシア林檎/シトロン/貝類/雲丹/主に牡蠣のこと/インドの牡蠣――真珠/水煮の肉類/子宮――ウルピアヌスとキュヌルコスの喧嘩/あらためて子宮/料理・食事の哲学/大海老/小海老/網膜/揚げ物用の小魚/パン/炙り焼きのパン/アタビュリテス/アカイネ/塩漬けの魚/水/碾き割り麦

第四巻
序/マケドニアの婚礼の宴/アテナイの宴の簡素さと、よその国の豪華さ/地方ごとの好み/口開け――食欲を増進させる食べ物/ホメロス風アテナイ式晩餐讃歌/アテナイの賢人たちの宴会観/スパルタの食事/スパルタ王クレオメネスの宴/クレタの宴/ペルシア人の宴/ピロクセノスの詩、『宴』/クレオパトラとアントニウスの宴/アルカディアの食卓/ナウクラティス(エジプト)の宴/ガリア(ゴール)人の宴/トラキア人の宴/ケルト人の宴/パルティア人の宴/ローマ人の宴/インド人の食事/宴会の余興としての剣闘勝負/パルメニスコス『犬儒派の饗宴』/犬儒派のキュヌルコスが豆スープのために弁じてストア派の哲学者と喧嘩したこと/ピュタゴラス派と称する人々/哲学者ペルサイオス/犬儒派――ディオドロス/キュヌルコスの反撃/羽目をはずした贅沢/調理道具/調味料/料理人以外の、食事に携わる人々/水力オルガンと管楽器/竪琴いろいろ

第五巻
序/ホメロスの宴会/ホメロス研究家に対する批判/ふたたびホメロスの宴会/アンティオコス・エピパネスの宴/プトレマイオス・ピラデルポスの宴/ディオニュソスの祭礼の行列/プトレマイオス四世・ピロパトルが建造した船/シュラクサイのヒエロンが建造した船/釜台/常軌を逸したシリアの宴/シリア王アレクサンドロス/ソフィスト・アテニオン/哲学者は史実を曲げること/口汚い哲学者/ゴルゴンの正体――宴会第一日、これにて終わり

第六巻
序/魚屋/漁師のわざ自慢/魚を買う人々を監視すること/pinaxと銀の器などについて/金・銀・銅・宝石など/パラシトス/パラシトス・食客・太鼓持ち/名を残した食客たち/太鼓持ちに関する雑録ひと束/パラシトスの類義語/おべっか使いパラシトス/支配者と追従者/ぶること/召使・奴隷/古きよき時代の話/キュヌルコスとウルピアヌスの喧嘩/ふたたび奴隷について/古代ローマの遺風

第七巻
一、二の祭礼のこと/魚についての序/鰹/快楽至上主義者たち/べら/アンティアス/雑魚/鱸/えい・あんこう/ボクス/ひしこ/ブレンノス/バイオン/平目――牛の舌/穴子/神様気取りの医者と患者/料理人の大言壮語/あらためて穴子について/鮫類/灰色はぜ/海神グラウコス/グナペウス/鰻/エロプス/べにうお/アンチョヴィ/小魚――ヘプセトス/ヘパトスまたはレビアス/エラカテネス/鮪/雌の鮪/馬の尾/馬/虹べら/鶫べらと黒鶫べら/いのししうおとクレミュス/キタロス/いもり/ざりがに/鮫の一種/鯔/コラキノス――小さい烏/鯉/はぜ/ほうぼう――カッコウウオ/犬鮫・カルカリアス/鱸/鱸――ナイル・ラトス/なめらかえい/うつぼ/ミュロス――うつぼ/マイニス/メラヌロス/モルミュロス/しびれえい/めかじき――ツルギウオ/はた類の魚/大鮪/鱈(ロバウオ)とオニスコス/蛸/いちょう蟹/めじ――鮪の幼魚/ペルカイ――オオグチ/ペルケ/だつ/つの鮫――ヤスリザメ/おうむべら/ヘダイ属/かさご――サソリウオ/鯖/サルゴス/サルペ――ラッパウオ/シュノドゥスあるいはシュナグリス/鰺――トカゲウオ/スケピノス/スキアイナ――にべ/シュアグリス/スピュライナ――かます類/甲烏賊/赤ぼら/タイニア――おびうお/鰺/[タウロピアス]/槍烏賊/大槍烏賊/ヒュス――いのししうお/ヒュケ/鯛/鱸――大口すずき/にべ/鯛――金眉魚/カルキス類/トリッサ/トリキス/エリティモス/トラッタ――トラキア女/平目

第八巻
序/魚奇談/快楽主義者批判/ドリオン――笛吹か魚料理研究家か/魚好き人名録/美食/デモクリトスの締めくくり/キュヌルコス、話を横取りしてウルピアヌスを誹謗すること/竪琴弾きストラトニコス/動物学者アリストテレス/魚と健康(一)――ディピロスの説/魚と健康(二)――ムネシテオスの説/魚に贅沢をしない人/コロニスタイ、物集めの習わし/都市にまつわる魚の伝説/「踊る」という意味の語/宴という意味の語/神々を祀る儀式での食事、寄付をする食事など

第九巻
芥子/つけ合わせ皿/もも肉・臀肉・ハム/野菜/蕪/キャベツ/砂糖大根/人参/「頭」葱/南瓜/鶏/豚/料理人の自慢話風大演説/鵞鳥/豚の頭、その他いろいろ/雉/やつがしら/鷭/ポルピュリス/鷓鴣/みみずく/鶉/白鳥/もり鳩/鴨/パラスタタイ/蒸し煮の肉/まだ乳を吸っている仔豚/のろじか/孔雀/腰の肉/乳房/下腹/兎/猪/仔山羊/喜劇に出てくる食事風景/豆と豆スープなど/手すすぎの水


第十巻
大食い名士銘々伝/体育競技会批判/ふたたび大食い名士名鑑/大食いの種族/控えめな飲食を心がけた人々/宴席でのジョーク/宴会での騒ぎ、争い/腹と口/食事を表わす用語若干/酒を和える(割る)こと/酒酌み役、酒吟味役など/酒の割り方/乾杯、コッタボスなど/酒は節度をもって飲むべきこと/アルカイオスの詩、ふたたび酒の割り方/いろいろな飲み方/飲みたい欲望/酒豪アレクサンドロスとその父ピリッポス/酒好き名士一覧/プラトンの、酒を慎めという勧め/女性と酒/酒好きの町、酒好きの種族/酩酊/「飲む」ということば/ビール/葡萄酒の恵み/なぞなぞ/言葉遊び風作詩法/その他のなぞなぞ/昔のなぞなぞ/なぞが解けない者への罰

第十一巻
酒杯/歓をつくすこと/土器の杯/もの狂い/アテナイのディオニュソスの祭り/ふたたび酒杯について/酒杯のカタログ/回し飲み/プラトンに対する非難

第十二巻
序/快楽/贅沢な国民——ペルシア人/贅沢で有名な人々/肥満とスパルタ人の肥満対策/痩せた人/贅沢にまつわる奇談/花や季節の果物をもって歩くこと/美わしき尻のアプロディテ/狂気のおかげで贅沢になれた人

第十三巻
一夫一婦、一夫多妻、側室/遊女/喜劇に出てくる人妻/女は戦争の原因である/エロス/少年愛/髭を生やすのと髭を剃るのと/美男美女を礼讃すること/ポルノグラフィア・娼婦/高級な遊女/他

第十四巻
笑わせ屋(道化)/ふざけ/駄洒落その他/笛/笛と竪琴の合奏/笛の曲の種類/さまざまな歌/ラプソドスなど/後れて来た客/音楽の功徳/踊りいろいろ/ふたたび音楽論議/音楽、昔と今/他

第十五巻
コッタボス/花冠/教訓詩人たちが語る冠用の花のカタログ/香油/喜劇に出てくる香油/香油の値段、香油の効果/花冠の由来にまつわるヤヌス神話/宴の終わり—神々に盃を献ずる/他

訳者あとがき
人名索引・出典索引


岩波文庫は抄訳であり、消失してしまった分も含めると、全体の1割5分に過ぎない。全体を訳出したら4000頁にもなり驚くしかない。著者アテナイオスは、平和で暇な王様の道楽に仕えた奇人だったのかも知れません。フェリー監督映画『サテリコン』の番外編映像を勝手に思い描いてしまいました。

http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%9F%E5%8D%93%E3%81%AE%E8%B3%A2%E4%BA%BA%E3%81%9F%E3%81%A1

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    兆しを理解して現実なるものを深くたのしく感知する訓練カードです。 タロットを機能させるには慣れ親しむことからはじまります。 まだ目には見えていない物事や潜在的な事柄を導き出す道具でもあります。 各アイコンをクリックすると、21のカードが観れます。