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2016年3月15日 (火)

『万物照応(コレスポンダンス)』

実践詩作と象徴主義

『万物照応(コレスポンダンス)』
エリファス・レヴィ 

目に見える言語で形づくられた
この世は神の夢だ。
神の言葉は、この世のもろもろの象徴をえらび、聖霊は、この世を神の火で満たしたもうたのだ。
愛の、栄光の、はたまた恐怖の
この生きた書物をイエスが我らのためにふたたび見出し給うた。
それというのも、あらゆる秘密の学問は
エホバの聖なる名前から発した文字にほかならないからだ。

自然の法則を解しうる者にとって、
自然の一切は決して沈黙してはいない。
星々には文字があり、
野の花々には声がある。
闇夜に輝く言葉、
数のように厳正な語句、
すべての音が一つの反響でしかない声、
かつて祭司たちの叫び声が
エリコの城壁を震動させたように
ありとあらゆるものを動かす声。
【澁澤龍彦・訳】

悪の華にある同名の「万物照応」は澁澤龍彦『悪魔のいる文学史』(中公文庫)によると、詩としてボードレールの作品のほうがはるかに優れているという。
レヴィの具象として実践した作品に対して、ボードレールの詩が抽象的な表現は「象徴主義」の起点となった。「世界」は「象徴の森」であるというのが象徴主義の基礎的な姿勢であった。


『万物照応』ボードレール

「自然」とは一つの神殿 立ち並ぶ柱も生きていて
ときおりは 聞き取りにくい言葉を漏らしたりする。
人間がそこを通れば 横切るは象徴の森
森は親しげなまなざしで彼を見守る。

長いこだまが遠くから響きかわして
闇のように光のように広大無辺の、
暗い奥深い一体のうちに溶け合うのに似て、香りと、色と音とが互いに答え合っている。

たとえば子供の肉のようにさわやかで、
オーボエのように甘く、牧場のように緑色の香りがある。
---それにまた、腐った、豊かな勝ち誇った匂い、

どこまでも限りなく広がって行く、
龍涎や、麝香や、安息香や、薫香のように、精神と五感の熱狂を歌い上げる匂いがある。
【安藤元雄 訳詩】

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