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2016年5月 9日 (月)

『魔術師』ジョン・ファウルズ

ある女から逃れるため、ギリシアの小さな島に教師として赴任する。そこで出会った老富豪・コンヒスに惹かれ交際を始める。老人に招待されたときから、ニコライは彼の巧妙な罠にはめられていく。

老人から語られる彼の過去は、どこまでが真実なのか? ニコライが嘘を暴き出して、真実にたどり着いたのもつかの間、その向こうには驚くべきことが待っていた。

「もしも私設動物園を持つ人間がいるとした場合、その人間の関心は動物たちを逃さずにおくことであって、檻の中の動物に一々行動を指示することではあるまい。<中略>
彼は自分の仮面劇にハイゼンベルグの原理を応用しているかもしれず、従って劇の大部分は観察者兼観淫者としての彼自身にも、被観察者である私たちにも不確定なのだ」(2-49 下巻p42)

心理サスペンスで男女の恋愛譚であり、ギリシアとイギリスを舞台にした、壮大な劇中劇中劇になる。

「私達は物体の世界を、それら自体の他の何ものにも所有されていない物体の世界を歩いていた。与えることと所有することは限りなく皮相で儚いことの様に思われた。」

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