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2017年2月 8日 (水)

『変身のロマン』澁澤 龍彦

日本幻想小説集の佳作『暗黒のメルヘン』と対をなす、澁澤龍彦が渉猟し偏愛した世界の代表的変身譚アンソロジー。魚、虎、白鳥から、奇態な花や植物、花の精、牧神、妖女、蝙蝠や蟇蛙、はては無機物までへと、なぜ人はその身を変じなければならなかったのか?
神話的寓意から人間の深淵を見据えた、古今東西の「身体変容」をテーマとする幻想小説、評論、童話の古典的傑作15編を収録。


上田秋成『夢応の鯉魚(雨月物語より)』
泉鏡花『高野聖』
中島敦『山月記』
太宰治『魚服記』
安部公房『デンドロカカリヤ』
中井英夫『牧神の春』
蒲松齢『牡丹と耐冬(聊斎志異より)』
オウィディウス『美少年ナルキッススとエコ(転身物語より)』
ジャック・カゾット『悪魔の恋』
ギョーム・アポリネール『オノレ・シュヴラックの失踪』
ジョン・コリアー『みどりの想い』
カフカ『断食芸人』
アンデルセン『野の白鳥』
花田清輝『変形譚』

『暗黒のメルヘン』と姉妹編となるアンソロジー。これら15編の前後には編者である澁澤龍彦の考察された解説がついている。メタモホルセスを主題として一冊に編集されると、読んできた作品の印象もまた変わるのに関心した。文庫化するにあたり、旧漢字、旧仮名遣いが読みやすい現代仮名遣いと漢字になっている。どこから読んでも物語の不思議さがギッチリと収納されている。
見事に切れ上がった極上の編集ぶりと、本当に自分がほしい書物を構成と分析して解説しているのも絶句する。宝の小箱のような煌めく変身譚世界である。
澁澤龍彦
1928年、東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。サド、ユイスマンス、マンディアルグら異色のフランス人作家の作品を翻訳するかたわら、シュルレアリスム、オカルティズム、エロティシズム、異端文学にいたるまで、本質を鋭く見据えた論考を次々に発表。一方で、『唐草物語』(泉鏡花賞)、『高丘親王航海記』(読売文学賞)、などの幻想小説を執筆するなど幅広く活躍した。1987年、逝去。享年59歳。
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