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2017年3月12日 (日)

ビートたけし氏は自著『テレビじゃ言えない』(小学館新書)

 そもそも寄付もボランティアも自分の意思でやることなんで、他人や世間がアレコレ言うべきことじゃない。いくら売名だと言われようと、身銭を切っているのは事実だ。寄付自体が立派なことなのは間違いないよ。

 だけど、そもそもなぜ「誰がいくら寄付したか」みたいな情報がここまで世間に知れ渡っているのかって疑問はある。昔から寄付だとかボランティアってのは、世間にバレないようにコッソリやるのが当たり前で、それが美徳だったと思うけどな。寄付するのはかまわネェけど、「私は寄付しました」っておおっぴらに名乗るのは、何だか違う感じがするね。

 ニッポン人の「粋」ってのは、昔からそういうもんだったはずだぜ。時代劇なんか観てたってそうじゃない。人助けをして「おじさん、お名前は?」って聞かれても、「名乗るほどのもんじゃねェよ」って去っていくのがいい話だったわけ。誰かを助けるときには「オレからカネをもらったなんて絶対に言うなよ。みっともないから」っていうのが基本だったんだよな。

 それが今じゃ、振込用紙をネットにアップして「寄付しました~」ってアピールしてるバカがいる。せっかくいいことしてるのに、あんまり下品だから損しちゃうんだよね。

 そもそもボランティアってのは「気持ち」が大事なはずだからさ。「500万円」なら褒められて、「50円」だったらバカにされるってもんでもない。スポーツ新聞やらで、有名人の寄付の額がガンガン報じられるのも、なんか違うぞって気がするね。

 そういえば東日本大震災のときの寄付って、キチンと被災者のために使われてるんだろうか。オイラもそれなりに寄付したけど、その使い途がどうなってるのかまったくわからない。慈善団体にはもうちょっとわかりやすくカネの行方を教えてほしいもんだよな。じゃないと、今後同じようなことがあったときに「あれじゃあ役に立つのかわからない」「誰かが途中で抜いてるんじゃないか」って思われちゃうよ。

 ◇ビートたけし/著『テレビじゃ言えない』(小学館新書)より◇

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