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2017年3月 7日 (火)

「人工知能に仕事を奪われ職に就けるのはたった1割!?」

『人工知能と経済の未来――2030年雇用大崩壊』井上智洋(文春文庫)

将来汎用AIが普及することで、作家などのクリエイティブ系、経営者などのマネージメント系、介護師、保育士などのホスピタリティ系を除く仕事は機械が奪って、大部分の人は失業してしまう。
その利益を一部の資本家だけが独占するのか、共存するのか経済学から考察する。

第1、2章では人工知能(AI)のテクノロジーが現状どのようになっているのかを解説して、第3章でAIが雇用を奪うのかどうか、第4章では「第4次産業革命」が第2の「大分岐」をもたらす可能性、純粋機械化経済における雇用の未来について、第5章でベーシックインカムの導入によるユートピアについて展望している。

もしも純粋機械化経済が人間の仕事を肩代わりして、生産力が上がってベーシックインカムで、悠々自適に暮らせるのなら、「希少性の経済学」が没落して「過剰性の経済学」が支配する未来が開ける。クリエイティヴィティ系(創造性)、マネージメント系(経営・管理)、ホスピタリティ系(もてなし)の分野が、人工知能とどのように関わりのか興味深い。

『人工知能と経済の未来』<目次>
はじめに
第1章  人類vs機械
第2章  人工知能はどのように進化するか?
第3章  イノベーション・経済成長・技術的失業
第4章  第二の大分岐~第四次産業革命後の経済
第5章  なぜ人工知能にベーシックインカムが必要なのか?
おわりに


後書きでは有用性にしか尊厳を見出せない、近代人をジョルジュ・バタイユが批判した例「天の無数の星々は仕事などしない。利用に従属するようなことなど、なにもしない」ことに触れている。
バタイユの経済学は「経済」の枠を超えて、広い社会-経済の領域をその範疇に捉えている。

「過剰とは、世界が至高なありようをしているときにはどのようであるかを示す徴、突然強調されて現れる徴なのだ」(バタイユ『内的経験』)。

「まず自由なエネルギーが放出される。これは太陽エネルギーである(地球のエネルギーでもある)。この自由なエネルギーは、一つまたは複数のシステムで獲得できる。このシステムは最後にはエネルギーを再び放出する。こうして、植物は太陽エネルギーを吸収し、動物に食べられ、動物は人間のための仕事をし、やがて人間に食べられる。エネルギーと同じように、人間の糧は労働のうちでもたらされる。」(バタイユ「1941年から1943年の構想と断章」)

人間の思考のあり方を問い、その限界の彼方を指し示したバタイユは、西欧文明の理性体系に対して、「非知」「好運」を掲げて果敢に挑んだ。

人工知能とベーシックインカムがかたちづくるユートピア『人工知能と経済の未来』著者、井上智洋氏インタビュー
http://synodos.jp/newbook/18674Img_7574


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