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2017年3月26日 (日)

レベッカ・ブラウン『三角州で』

レベッカ・ブラウン『三角州で』
柴田元幸さんの訳も素晴らしい短編。

《以下あらすじ》
ナスクワリ川から私たちは筏に乗って、森から出て、海峡が視界に広がっている。三角州で大気と日光のなかに、賢い私の犬と立っている。
やがて水の中に丸くて黒いものが見え、何か音を立てながら、ぐんぐん大きくなっている。ウナギの大群でも、サメでもなさそうだ。
クルルと心配気に、私の犬が喉を鳴らしている。黒光りする群れの渦巻きの中に、私たちはいる。ギラギラした歯の群れに、恐怖した犬の背は震えた。

岸にいる男が、こちらの様子を見ている姿に気がついた。こっちへと言っているようにも見え、犬は反応して私の顔を伺う。私たちが水の中に入ったら、溺れる間もなく八裂きにされ、黒い渦の中に沈むだろう。

男は私が岸に来るのを待っている。忠犬とともに私は筏を降りて、水面の黒い背中を歩いていくのを頭に描いた。
どうして来れないのか、男は簡単なことなのにと言っている。

しかし私には出来ない、いまや犬は私よりも怖がっている。どこまでも忠実で何が分かっているにせよ、私を置き去りにして見捨てないだろう。
どうして私なんかの許に留まるのか、私にはわからない。

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レベッカ・ブラウン(Rebecca Brown, 1956年 - )アメリカの女性小説家。
ピュージェット湾近郊の文学コミュニティで文学活動や教鞭する。シアトルの非営利団体リチャード・ヒューゴー・ハウスでも文学の授業開く。
1994年出版『体の贈り物』で、ラムダ文学賞を受賞他、ボストン書評家賞も受賞。作品は基本的に同性愛が主題が多い。レズビアンだと公表したが誕生日は不明。

 

 

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