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2017年7月 4日 (火)

アンリ・ミショー「みじめな奇蹟Ⅱメスカリンととも」より

「熱帯の海の岸べ、目に見えぬ月の銀色に輝く光の、無数のまばゆい閃きの中、絶え間なく変化しながら、揺れ動く波のうねりの中に・・・沈黙のうちに砕け散る波、閃く水面のかすかな振動の中に、光の班点に苦しめられながら往復する急速な運動の中に、輝く輪と弓と線とによって引き裂かれる中に・・・私の冷静さが、振動する無限世界の言語によって千度も冒され、無数のひだを持つ巨大な流動状の線の群によって正弦曲線状に侵蝕されるなかに、わたしはいた」

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内部のヴィジョンの登場。
突然、だが、先駆者としての一つのことば、伝令としての一つのことば、人間に先んじて地震を感じる猿のように、行為に先んじて警報を受けとる私の言語中枢から、発せられた一つのことば、《眩しく目をくらませる》ということばにすぐ続いて、弾道のような何本もの長いナイフ
眩しく輝く何本ものナイフが、空虚の中を、すばやく耕す。

突然、一本のナイフが、突然千のナイフが、稲妻を嵌(は)めこみ光線を閃かせた千の大鎌、いくつかの森を一気に全部刈り取れるほどに巨大な大鎌が、恐ろしい勢いで、驚くべきスピードで、空間を上から下まで切断しに飛び込んでくる。激しく引き裂かれる殉教者。

わたしは内心ひそかに苦悩しながら、滅茶苦茶に引き裂かれる苦悩。それはあたかも、自分の中で、いくつもの細胞が、その弾性の限界に達するまで、その恐ろしい加速度に自分を合わせてついていくことを、強いられているような苦しみだ。(細胞自身の痙攣そのものが加速度の原因でないとしたら)

それらのナイフや大鎌と同じ速度の耐え難いスピードに自分を合わせ、ますます激しくバラバラに裂け、解体し、狂気へと陥ってゆきながら、ある時はそれらのナイフや大鎌と同じく途方もない高さにまで、それから忽ち、すぐ次の瞬間には、それらと同じく深海の深さまで、ついてゆくことを強いられる・・・・・・それにしても、一体これはいつ終わりになるのだろうか・・・・・・それがいつかは終わりになるとして?
終わった。遂に終わった。
(アンリ・ミショー「みじめな奇蹟Ⅱメスカリンととも」により)

Kitazawa011

第一巻 アンリ・ミショー集 I 
1 わが領土
2 夜動く
3 遠き内部
4 プリュームという男
5 試練・悪魔祓い
6 魔法の国にて
7 閂に向きあって

 第二巻 アンリ・ミショー集 II  
8 みじめな奇蹟
9 荒れ騒ぐ無限
10 砕け散るものの中の平和
11 アンリ・ミショー詩集
12 アジアにおける一野蛮人

メスカリン実験の巨人でフランスの詩人・画家のアンリ・ミショー。
http://koinu2005.seesaa.net/article/139112051.html

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