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2017年9月 6日 (水)

ネルヴァルの傑作

「狂気の発作以後のネルヴァルの文学活動は、一貫した目的のため順次採用されていった探究の諸相を歴然と示している。この探究の本質は、①人間の条件をなすもの(結局は時間と空間)の根本的な拒否、②超越的状態の実現による純粋な愛の充足への熱望、の二点によって性格づけられていた。
今日ネルヴァルが十九世紀後半から現代に至る偉大な詩人たちの先駆と目されているのは、彼の後半生が、この問題の解明のための死をかけた格闘そのものだり、そこに生み落された作品が、それらを彩る神秘的あるいは個人的諸要素のかなたで、美の源泉に深く貫通していたからに他ならない。」入沢康夫


ネルヴァルの傑作は死ぬ直前の5年間にすべて集中している。『東方の旅』『シルヴィ』『火の娘たち』『幻想詩篇』『オーレリア』。最後の日々は『オーレリア』を書きながら、住まいもなくパリ市中を転々として首を吊った。『オーレリア』全編はノートル・ダム寺院での葬儀のあと刊行された。


「どうして自分はかくも長い間,自然の外に,自から自然に同化せずに存在し得たのであろう。万物は生き,万物は動き,万物は呼応している。私自身又は他の人々から放射する磁気線は,創造された事物の無限の連鎖を,何ものにも妨げられず貫通する。それは世界を覆うある透明な網目であり,その細い糸は次から次へと惑星へ,さらに恒星へとひろがっている。今は地上に囚われの私も,わが悦びとわが苦しみをともにする星々の合唱に和するのだ。」(ネルヴァル『オーレリア』Ⅱ・6)

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