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2018年3月17日 (土)

『黒いハンカチ』小沼丹(創元推理文庫)

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A女学院のニシ・アズマ先生の許にちょっとした謎が持ち込まれたり、先生自ら謎を見つけ出すと、彼女は鋭い観察眼と明晰な頭脳でそれを解き明かす。
飄飄とした筆致が光る短編の名手による連作推理十二編。昭和三十二年四月から一年間、〈新婦人〉に「ある女教師の探偵記録」と銘打って連載された短編集の初文庫化。
静かで味わい深い作風の小沼丹による異色ミステリー。
「婆さんは、ニシ・アズマが太い赤い縁のロイド眼鏡なんか掛けているのを見ると、狼狽てて呼び留めて、 その眼鏡を掛けると先生の器量が三分の一は割引されるから止めた方がいい、と毎度の忠告を繰返した。事実、美人とは云えぬが愛嬌のあるニシ・アズマの可愛い顔にその眼鏡は似合わなかったが、ニシ先生は一向に平気らしかった」

癒し系ミステリの魅力は、殺害動機などの生臭い、どろどろした部分の叙述が、不自然でなく巧妙に避けられている。昭和30年代はじめの女子校の言葉使い「ですってよ」「そうじゃなくて?」などと、服装その他の風紀などが味わえる。持ち前の明るさとウィットと知恵で、難事件を颯爽と片付ける気持ちの良い展開。清く正しく美しい乙女が活躍する日本ミステリー世界。

https://youtu.be/_3NLOGCoVVA

【収録短編】
 指輪
 眼鏡
 黒いハンカチ
 蛇
 十二号
 靴
 スクエア・ダンス
 赤い自転車
 手袋
 シルク・ハット
 時計
 犬

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