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2018年4月 2日 (月)

ル・クレジオが仏難民政策を再び批判

ル・クレジオが4月1日付日曜週刊紙ジュルナル・デュ・ディマンシュ紙上のインタヴューで、再びマクロンの難民政策を批判。

1月にロプス(L'Obs)誌にル・クレジオが寄せたトリビューンで「耐え難い人間性の否定」と糾弾したのに対して、マクロンは「知識人たちの"偽善的好意 faux bons sentiments"」と揶揄するコメントを出している。カレーなど現地での難民/移動民へのフランス内務省指示による非人道的な冷遇は改善の兆しがない。ル・クレジオは「マクロンどの、Améliorez-vous!」と呼びかける。

http://webronza.asahi.com/politics/articles/2018012900003.html

****(JDD紙4月1日号より)****
JDD ー あなたは2018年1月ロプス(L’Obs)誌上の論壇でエマニュエル・マクロンの避難民に関する政策を激しく非難しました。
ル・クレジオ「私はエマニュエル・マクロンの政敵ではないし、そのロプス誌の(マクロンの顔を鉄条網で包んだ)表紙にはショックを受けた。私は避難民の問題に関する自分の意見を表明したかっただけで、(党派や運動の)スポークスマンをしたかったわけではない。私は今でも内務省の指令による避難民の取り扱い方に憤激している。それは毅然とした方策であることをうたっているが、現地では毅然をはるかに通り越した強硬策になっている。彼らは無防備な人々に対して手酷い扱いをし続けている。国境を閉ざすか開くかは、ひとつの問題として議論の余地があるが、ひとたびこの人々がフランスの地にいるかぎり、彼らにひどい処遇を課すことは容認できない。私は国境の開放に賛成する。私は理想主義的にすぎるのか? 世界中のいたるところで、私たちは恐怖に支配されることに甘んじている。バラク・オバマは天使の慈愛に満ちたような大統領ではではなかった。不法移民の強制追放の件数が最も多かったのは、オバマ在任中であった。私はエマニュエル・マクロンが大統領選挙でマリーヌ・ル・ペンを退けたことには感謝しているが、マクロンはもっと不遇な状態にある人々のことを考慮に入れるべきだ。私はその大統領の役目においてエマニュエル・マクロンに失望はしていないが、彼には修正しなければならないことがたくさんある。マクロンさん、もっと良くおなりなさい!(Améliorez-vous, monsieur Macron !)」
JDD ー エマニュエル・マクロンは避難民に対する知識人たちの「偽善的好意」という言葉で語っていますが。
ル・クレジオ「私は自分のナイーヴさを指摘されることには慣れているし、私は子供の時からナイーヴな人間扱いされてきた。私はモーリシャス島的環境で育てられたし、ニースにあっても私は乞食に食べ物を運んでやるのはごく当然のことだと思っていたが、学校仲間たちは乞食に石を投げつけていた。私は植民地の自由も擁護していたのだから、私は群れの中にはいない習慣があったということだ。私はナイーヴではない。私は単に物ごとを違うように見ているだけだ。私は政治家よりも芸術家を好む。しかし私は論戦から逃げたりしないし、しっかりと自分の立場を守る。私の家系的な過去、それはブルターニュとモーリシャスに起源をもつもので、その血は私に分配/共有を優先するよう私を導いている。だから、必要とあらば、私は避難民の冷遇に抗議するトリビューンを新たに書くことになろう。(JDD紙4月1日号部分訳)

ル・クレジオ
Le Clézio, Jean-Marie Gustave
フランスの小説家。ナイジェリアに勤務するイギリス人の医師とフランス人の母のもとに生まれ,ニースで育ち,同地の文科大学で学んだのち,イギリスのブリストル大学に留学。第一作『調書』 Le Procès-verbal (1963) によってルノドー賞を受け,ヌーボー・ロマンの陣営に加わった。ことばによって現実を模索するための唯一の手段として,エクリチュールのもつ意義を強調。
短編集『発熱』La Fièvre(1965)『大洪水』Le Déluge(1966)『戦争』La Guerre(1970)『黄金探索者』Le chercheur d'or(1985)など,ほかにエッセー『物質的恍惚』L'Extase matérielle(1967)『悪魔祓い』 Haï(1971)など。2008年ノーベル文学賞受賞。

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