磯田秀人『きっかけ屋アナーキー伝: 昭和♡平成企画屋稼業♡ジャズもロックも本も映画も』
◯この本について
著者は企画屋、世に言うところのプロデューサー。
ふだん何気なく読んだり観たり聴いたりしている本や映画やCDやレコードは、ただ単に作家とか映画監督とか演奏家がいれば出来るわけではない。
筆者はシカゴやサンタナ、横尾忠則、細野晴臣、原田眞人、カール・セイガン、開高健、鴻上尚史、三谷幸喜、山下洋輔、村松友視、梅沢富美男、綾辻行人、ポール・ウィンター、綾戸智恵、牧野持侑、告井延隆たちとの「仕事」を通して、その悲喜こもごもを僕たちに伝えてくれる。
しかしながらプロデューサー業は過酷でもある。過去に映画を1本プロデュースした筆者は「映画創りの夢の代償として当時の年俸以上の借金を背負うことになった」(本文より)。
家屋敷を手放す覚悟がなければプロデューサーなんて出来ない・・・のかもしれない。それでも、時代を面白くするのは、こんな人がいるからだ!!
だから「アナーキー伝」なんだ。
こういう掟破りのヒトがいないと世の中に新しい波なんて起きないってこと。
◯筆者からのコメント
御年71歳、八白土星、太陽星座アクエリアスの磯田秀人です。
「無名の新人にしては写真と装丁がかっこいいな」と表紙に注目してくれる人がいるかもしれないね。小澤忠恭さん(写真)、野村高志さん(表紙デザイン)、ありがとうございます。
この本は50年近いぼくの仕事のあれこれを綴った本です。
本と映画と音楽を扱う娯楽全般のプロデューサーですが、ぼくは自分が面白いと思うことしか仕事にしません。ここ数年はクリスタルボウルのCDやイベントのプロデュースもやっていて、健康関連と癒やしにも興味の矛先が向いています。
昔ある人に「磯田は企画屋というより『きっかけ屋』だよな」って言われました。
以来、心の中ではスターティング・プロデューサー、きっかけ屋だと自認しています。そしてまた、若い頃からぼくはおせっかいなオススメ屋でした。
こんなジジイの生き方が、これからの時代を創る人の起爆剤にならんことを期待しています。
磯田秀人さんのページ
https://www.pinpoint.ne.jp/pinupboard/2019/04/01/post_98.php
◯目次
・はじめに。
・突然眼の前に働きたい会社が現れた~CBS・ソニーレコード~
・刃渡り30センチの蛮刀を突きつけられた~丸野正孝さん~
・クラブ活動じゃない、ここは会社だぞ~堤光生さん~
・なんでレコード会社の人はぺこぺこするんだ~亀渕昭信さん~
・原稿料3000円ですか?考えさせて下さい~植草甚一さん~
・新潟の高校一年生と40年目に初対面~シカゴと伊藤秀世さん~
・『ロータスの伝説』~横尾忠則さんとカルロス・サンタナさん~
・エリート・サラリーマンを無職にさせてしまった~高平哲郎さん~
・同級生にプロデュースをお願いする~細野晴臣さん~
・昼夜逆転して283時間スタジオで作業したレコード~四人囃子~
・文化遺産を2枚録音させてくれた大学の先輩 ~間章さん~
・処女監督と処女プロデューサーの船出~原田眞人さん~
・どこからも原稿執筆の依頼がないんですか?~竹本健治さん~
・私はUFOを信じていません~カール・セイガンさん、野田昌宏さん~
・北欧を一周してアイドル・カメラマンに転身~小澤忠恭さん~
・カイコウさんという方から電話がありました~開高健さん~
・ぼくの演劇事始め~鴻上尚史さん、三谷幸喜さん~
・ジャズの聖地に落とし前をつけた道場破りの旅~山下洋輔さん~
・驚天動地とはこのことだ~モーツァルトとの出会い~
・響きのいい空間がその後の人生を決めた~久が原に建てた家~
・耳をそばだてて聴く音楽との出逢い~つのだたかしさんとタブラトゥーラ~
・そのアタッシェケース拾ったと思われませんか?~村松友視さん、梅沢富美男さん~
・新本格ミステリ誕生秘話と作家エージェント~綾辻行人さん~
・マンハッタンの大聖堂でバッハを録音~ポール・ウィンターさん~
・ビーサンをはいたオバハンが突然歌い始めた~綾戸智恵さん~
・めまいを止めたのは医者や薬ではなく水晶だった~牧野持侑(じゅん)さん~
・世界で一番悲しいビートルズの思い出。
・たった一人でビートルズを再現~告井延隆さん~
・斬新なサウンドでアイヌの神謡を蘇らせたユニット~イチオン~
・100年も前にサウンドセラピー童話を書いた人~宮沢賢治さん~
・すべては夢の中。
◯こんな方々も登場します(順不同・敬称略)。
糸井重里、橋本伸一、都倉俊一、菅野ヘッケル、J.W.ガルシオ、鈴木智雄、石川博明、ジェームス・パンコウ、ロバート・ラム、井出情児、マハヴィシュヌ・ジョン・マクラフリン、田島照久、白木哲也、中西優一、奥成達、糸川英夫、間章、ミルフォード・グレイブス、デレク・ベイリー、タージマハール旅行団、清水美樹夫、市橋茂満、阿部薫、近藤等則、高木元輝、土取利行、デビッド・ベイカー、殿山泰司、南伸坊、大森一樹、川谷拓三、コシミハル、浅野温子、伊地智啓、崔洋一、紅谷愃一、秋山協一郎、我孫子武丸、歌野晶午、大友克洋、鏡明、ロバート・トゥルーアックス、ジョン・ヤング、アンナ・フィッシャー、小川義文、北島敬三、生田朗、阿部勤、小川格、岩澤良泰、キシン君、ゲンキチ君、宗像和男、佐々木節夫、玉木宏樹、島田荘司、宇山秀臣、上田紀行、佐藤蓬、金子夏枝、さとううさぶろう、石黒謙、あがた森魚・・・。
2019/4/28発売
株式会社ピンポイント
映画や音楽制作に関心ある人には、役立つきっかけとなるかも知れない本書ですね。
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