『対極』アルフレード・クービン
『対極』〔あらすじ〕
ジソギスーカソの末裔である碧眼の種族が隠れ棲む天山山脈の麓に、秘かに建設された「夢の風」現代文明に安住できず、その進歩から取り残された精神的・肉体的な疎外者を住民とするこの国の首都ペルレでは、人々はヨーロッパ各地から運んできた前世紀の廃屋や遣物の中で時代遅れの衣裳を着、独得の奇習に閉じこもって暮らしている。外界との交流を叙重に規制するこの国の建設者パーテラは、謎の力によって人びとの身も心も呪縛している至上の支配者で、彼の一驚笑はそのまま、暗黙のうちに人びとの運命を左右する。彼の内面の絶望と苦悩を反映するかのように、ペルレの空に!陽も月もなく、低く垂れこめた雲の下に、限りなく単調な灰色の世界がひろがっでいる。
ジソギスーカソの末裔である碧眼の種族が隠れ棲む天山山脈の麓に、秘かに建設された「夢の風」現代文明に安住できず、その進歩から取り残された精神的・肉体的な疎外者を住民とするこの国の首都ペルレでは、人々はヨーロッパ各地から運んできた前世紀の廃屋や遣物の中で時代遅れの衣裳を着、独得の奇習に閉じこもって暮らしている。外界との交流を叙重に規制するこの国の建設者パーテラは、謎の力によって人びとの身も心も呪縛している至上の支配者で、彼の一驚笑はそのまま、暗黙のうちに人びとの運命を左右する。彼の内面の絶望と苦悩を反映するかのように、ペルレの空に!陽も月もなく、低く垂れこめた雲の下に、限りなく単調な灰色の世界がひろがっでいる。同業の画家は夜盗に成り下って死にい老教授は絶望して入水自殺する。狂気はとめるすべもなく、ついにペルレは火の海と化し、言語を絶する地獄絵図心中で倒壊する(第三部夢の国の没落)。
外部の世界からロシア・軍が進駐してきたとき、瓦瞳の山と化したペルレに生存ていたのは、「ぼく」とベルとX皇女のほか数人に過ぎなかった。外の世界の人びとは、そこに夢の国があったことも、ベルが投石で倒した宿敵パーテラが、実は呪いのこもる蝋人形であったことも、だれも信じようとしなかった。
『対極』クービン〔あらすじ〕 より
アルフレート・クービン(1877-1959)
挿絵画家、イラストレーター、版画家であり、小説家として活動した。
幻想的な作品は作者の名以上によく知られて、さまざまな企画展が開催される。ポーなど有名な小説の挿絵で、友人のワシリー・カンディンスキーやパウル・クレーたち表現主義画家と共に、「青騎士」と呼ばれる芸術運動にも名を連ねた。
クービンにはデッサンは象徴的なアートとして映り、実際に見えるのに関わらず、絵画よりも詩や音楽に近い作品が多い。
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