『吉田 知子選集』景文館書店
パンクロッカー町田康との共通点や、語り口の異能さに触れられる選集となっている。
のうてんふぁいら、だよ、お前は。まるきり、のうてんふぁいらだ、と言った。(「脳天壊了」より)
吉田知子選集Ⅰ
脳天壊了(のうてんふぁいら)
脳天壊了「新潮」1977年5月号
ニュージーランド「世界」1977年8月号
乞食谷 「季刊藝術」1971年第19号
寓話 「静岡県民文芸」1961年
東堂のこと 「潮」1970年10月号臨時増刊
お供え 「海燕」1991年7月号
常寒山 「文學界」1993年7月号
巻末/町田康
杢平は川竹には目もくれない。松を見る。空地には何本か松がはえているが、杢平が見ているのは、その中の一本だけだ。杢平の狭い視野に全体がうつるのは、その松しかない。
見ているうちに、杢平はそれが木だという気がしなくなる。中瀬が立っている。中瀬が杢平を見おろしている。杢平に襲いかかろうとする。(p.7)
吉田知子選集Ⅱ 日常的隣人
日常的母娘 「野生時代」1978年7月号
日常的夫婦「野生時代」1978年10月号
日常的嫁舅 「野生時代」1979年1月号
日常的二号 「野生時代」1979年4月号
日常的親友 「野生時代」1979年7月号
日常的レズ 「野生時代」1979年11月号
日常的隣人 「野生時代」1980年1月号
日常的先生 「野生時代」1980年6月号
日常的美青年「野生時代」1980年9月号
日常的患者 「野生時代」1981年4月号
人蕈 「季刊文科」2002年10月号
巻末/町田康
吉田知子選集Ⅲ そら
泥眼 「現代詩手帖」1974年3月号
静かな夏 「ゴム」1967年6月号
箱の夫 「文學界」1997年1月号
艮 「新潮」1993年1月号
穴 「新潮」2000年6月号
犬と楽しく暮らそう 「荒土」1999年4月創刊号
幸福な犬 「文學界」1970年9月号
ユエビ川 「紅爐」1969年19号~70年20号・21号
そら 「新潮」1971年9月号
巻末/町田康
(景文館書店)
吉田知子、1934年浜松生まれ。
名古屋市立女子短大経済科卒業
1970年「無明長夜」で第63回芥川賞を受賞、1984年「満州は知らない」第23回女流文学賞、1992年「お供え」第19回川端康成文学賞、1999年「箱の夫」第27回泉鏡花文学賞 ほか「天地玄黄」「生きものたち」「聖供」「蒼穹と伽藍」「千年往来」「日本難民」など作品・著書多数。
2000年第53回中日文化賞受賞。
【吉田知子作品について作家が書いた文章に関心があったら】
「小説とはなにか」(三島由紀夫『小説読本』)
『大好きな本』川上弘美
『小川洋子の偏愛短篇箱』小川洋子
『気になる部分』岸本佐知子
『お供え』講談社文芸文庫、荒川洋治解説
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