『新実存主義』マルクス・ガブリエル (岩波新書)
心と脳は同じものなのか。心はすべて物理的な理論で説明がつくのか。心と脳はなぜ「サイクリングと自転車」の関係に似ているのか――。
『世界はなぜ存在しないのか』で「世界」を論じた気鋭の哲学者がつぎに切り込むのは「心」。脳科学全盛の時代に、実存主義と心の哲学をつなげ、21世紀のための新たな存在テーゼを提示する。

■内容紹介(第5章抜粋)
1 人間は本質なき存在であるという主張
2 人間とは、自己理解に照らしてみずからのあり方を変えることで、自己を決定するものであるという思想
哲学的思考における来たるべきポスト自然主義の時代――その時代の選択肢のひとつとして、新実存主義を育んでいこうという本書の私の論考は、こうした実存主義のスローガンが心の哲学にとって何をもたらすかを明らかにすることに狙いがあった。心の哲学の中心問題を立て直そうという目論見だ。哲学者のあいだにいまもはびこる自然主義的世界観の行き詰まりや病を思えば、それは緊急の課題と言わなければならない。
■目次
序論 穏健な自然主義と、還元論への人間主義的抵抗 ジョスラン・マクリュール
第1章 新実存主義――自然主義の失敗のあとで人間の心をどう考えるか マルクス・ガブリエル
第2章 ガブリエルによる論駁 チャールズ・テイラー
第3章 心は「存在する」のか? ジョスラン・ブノワ
第4章 人間の生とその概念 アンドレーア・ケルン
第5章 四人に答える マルクス・ガブリエル
原注 訳注 訳者あとがき 文献一覧
著者マルクス・ガブリエル Markus Gabriel 1980年生まれ。
ボン大学教授.著書に『なぜ世界は存在しないのか』『「私」は脳ではない――21世紀のための精神の哲学』(ともに講談社選書メチエ),Der Sinn des Denkens (Ullstein),『神話・狂気・哄笑――ドイツ観念論における主体性』(スラヴォイ・ジジェクとの共著,堀之内出版)など。
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