100分で名著「マルクスの資本論」
AIをはじめとする「イノベーション」で、さまざまなことが便利になった現代。つらい労働は機械に任せて、人間は快適で充実した人生を送れるようになるはずだった。しかし、現実は「ブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)」といわれる労働だけが増え続け、逆に労働者の負担は減るどころかますます増えるばかり。
いったいなぜこんなことが起こるのか? 資本主義下、企業間の競争が激化する中でのイノベーションは、効率化を求めるあまり過度な分業化を推し進めてしまう。その結果、本来豊かな労働を「構想」と「実行」に分離、創造的な「構想」のみを資本家が奪い、単純労働のみを労働者に押し付けるといった過酷な状況が構造的に生じてしまうという。
第三回は、「資本論」を読むことでイノベーションの矛盾を浮かび上がらせ、本来あるべき豊かな労働を取り戻すには何が必要かを考える。
【ETV「100分で名著 マルクスの資本論」より】
「100分で名著」は再放送が何度かあるので、ETVを観ましょう。
ブルシット・ジョブとは、被雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある有償の雇用の形態である。とはいえ、その雇用条件の一環として、本人は、そうではないと取り繕わなければならないように感じている。
◇ブルシット・ジョブの主要5類型
1. 取り巻き(flunkies):だれかを偉そうにみせたり、偉そうな気分を味わわせたりするためだけに存在している仕事
2. 脅し屋(goons):雇用主のために他人を脅したり欺いたりする要素をもち、そのことに意味が感じられない仕事
3. 尻ぬぐい(duct tapers):組織のなかの存在してはならない欠陥を取り繕うためだけに存在している仕事
4. 書類穴埋め人(box tickers):組織が実際にはやっていないことを、やっていると主張するために存在している仕事
5. タスクマスター(taskmasters):他人に仕事を割り当てるためだけに存在し、ブルシット・ジョブをつくりだす仕事
『ブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)の理論』David Graeber(岩波書店)より
「本人でさえ正当化できないくらい完全に無意味・不必要で有害でもある有償の雇用の形態であるが、本人はそうではないと取り繕わなければならないように感じている仕事」
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