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燐寸図案

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    兆しを理解して現実なるものを深くたのしく感知する訓練カードです。 タロットを機能させるには慣れ親しむことからはじまります。 まだ目には見えていない物事や潜在的な事柄を導き出す道具でもあります。 各アイコンをクリックすると、21のカードが観れます。
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2021年6月22日 (火)

天声人語 ファイアマン出動

天声人語 ファイアマン出動               2019年06月22日(土)

 英語でファイアマンは消防士だが、SF作家ブラッドベリの『華氏451度』に出てくるファイアマンたちは、本を焼き払うのが仕事だ。読書してあれこれ考えるのは有害無益だと、本の所有が禁じられた未来社会である

▼本を隠している家に踏み込み、火炎放射器を向ける。任務を遂行しながら、彼らは考えてしまうことがある。本にはいったい何が書いてあるのだろう? その一人が何冊かをひそかに持ち帰ったことで物語が動き出す

▼話は、金融庁審議会の報告書である。麻生財務・金融相が受け取りを拒否し、なかったことにした。完全な焼却処分はできなかったようで、ネットで検索すると原案が見つかる。拍子抜けする内容だ

▼年金水準の低下が「中長期的に見込まれる」と書かれたのが問題にされたが、今の年金制度を直視したにすぎない。全体は資産形成の勧めをやさしく書いた印象だ。年金の額に見合った暮らしを、という発想が全くないところに金融業界臭さを感じるが

▼などとあれこれ考える材料とするには悪くない。にもかかわらず「民は知らしむべからず」とでも思ったか。かえって視線が集まったのは皮肉であろう。同じことは財務省の審議会の意見書から「年金水準低下」が削除された件でも言える

▼先の小説では本の害悪がこう語られる。「いかにばかげたものか、いかに人を落ち着かない気分にさせるか」。そういえば我が首相は、「金融庁は大バカ者だな。こんなことを書いて」と漏らしたそうな。

【天声人語 2019年06月22日(土)】


三年前の天声人語が、今はさらに別の華氏451度が燃えたぎる日々。

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