芥川賞・直木賞作品の発表
第166回芥川賞・直木賞の選考会が1月19日、築地の料亭「新喜楽」で開かれて、芥川賞は砂川文次さんの「ブラックボックス」(群像8月号)になった。
直木賞は今村翔吾さんの「塞王の楯」(集英社)と米澤穂信さん(43)の「黒牢城」(KADOKAWA)に決まった。
芥川賞の受賞した砂川文次さんは大阪府生まれ31歳。大学卒業後に自衛官になったあと小説を書き始めて、2016年に「市街戦」で文芸誌の新人賞を受賞してデビュー。現在は東京都内の区役所に勤めながら創作活動を続けていて、芥川賞は3回目の候補での受賞。
受賞作「ブラックボックス」は新型コロナウイルスの感染が拡大している世の中で、荷物を自転車などで運ぶ「メッセンジャー」として働いている男性が主人公。これまで職を転々としてきた主人公が日々感じている他人や世間への不満、そして、“なぜ、突発的に怒りの感情を爆発させてしまうのか”という自身への問いかけが、独白のように淡々と書かれている。芥川龍之介賞の候補作
・石田夏穂『我が友、スミス』(『すばる』11月号)
・九段理江『schoolgirl』(『文學界』12月号)
・島口大樹『オン・ザ・プラネット』(『群像』12月号)
・砂川文次『ブラックボックス』(『群像』8月号)
・乗代雄介『皆のあらばしり』(『新潮』10月号)
3回目の候補入りとなる砂川・乗代がベテラン勢で、石田・九段・島口が初ノミネートとなる。
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