« 女性画家ジョージア・オキーフ | トップページ | 『名画感応術―神の贈り物を歓ぶ』横尾忠則(光文社文庫) »

2022年9月11日 (日)

『日のあたる白い壁』江國香織〈集英社文庫)

出会った絵について書くことは、でも勿論私について書くことでした」ドラクロワ、ゴッホ、マティス、荻須高徳、小倉遊亀、オキーフetc.。古今東西の27人の画家の作品をとりあげ、「嫉妬しつつ憧れつつ」自由に想いを巡らした、美しくユニークなエッセイ集。愛らしい小品から名作まで、画家たちの様々な作品を鑑賞しながら、江國香織その人に出会う―二重の楽しみが味わえる、宝物のような一冊。

オキーフの絵の透明感は「空気の澄み方におどろく。深呼吸をしたら、肺がつめたくなりそうだ」

ゴッホの絵は「じかに胸を打たれる感覚は音楽に近く」

ホッパーは「観るものをひきこんで疎外する」。

D1b375781f344bea95578dd2678d632a

目次 : ゴーギャンのオレンジ―ゴーキャン「オレンジのある静物」完璧に保存される物語―カリエール「想い」体の奥がざわめくなつかしさ―ホッパー「海辺の部屋」祖父の家―児島虎次郎「睡れる幼きモデル」ボナールのバスタブ―ボナール「浴槽」ポケットに入れて―ドラクロワ「花の習作」うつくしいかたち―東郷青児「巴里の女」あの怠さ―パスキン「昼寝」意志的な幸福―カサット「劇場にて」ユトリロの色―ユトリロ「雪の積った村の通り」宗教のような、音楽のような―ゴッホ「夜のカフェテラス」同化するということ―荻須高徳「カフェ・タバ」セザンヌのすいか―セザンヌ「すいかのある静物」過渡期の人・マネ―マネ「海にとび込むイザベル」あるべき場所のこと―グレコ「聖アンデレと聖フランシスコ」ひらがなのちょうちょ―ルドン「ちょうちょ」豪胆さと繊細さ―小倉遊亀「家族達」プリミティブという力―ムンク「お伽の森の子供たち」かつて持っていたくまのぬいぐるみ―ワイエス「グラウンドホッグ・デイ」豊かさ、幸福さ、まっとうさ―マティス「ヴァイオリンのある室内」インタレスティングということ―カラヴァッジョ「聖トマスの懐疑」見知らぬ絵―カーシュテン「赤い台所」ほかオキーフの桃―オキーフ「桃とコップ」


2eeadd4e09ed415eae6ad6920b9d7563


「この美術館にあるなかで、どれでも好きな絵を一枚もらえるとしたら、どれがほしい?」

ただし絶対飾らなきゃいけないんだ。売るとか、財産として所有するとか、そういうんじゃなくね。真っ白い壁の、広いきれいな家に住んだら、とかいうのも駄目で、いま住んでいる家に、必ず飾らなきゃいけない。(本書より)

3216fc1b584e4332ae71cec6196145bd

« 女性画家ジョージア・オキーフ | トップページ | 『名画感応術―神の贈り物を歓ぶ』横尾忠則(光文社文庫) »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

2025年3月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ

燐寸図案

  • 実用燐寸
    実用燐寸レッテルには様々な図案があります。 ここにはコレクション300種類以上の中から、抜粋して100種類ほど公開する予定。 主に明治、大正、昭和初期時代の燐寸レッテルの図案。

ペンギンタロットの原画

  • 0の愚者から21の宇宙(世界)まででひとつの話が結ばれる
    兆しを理解して現実なるものを深くたのしく感知する訓練カードです。 タロットを機能させるには慣れ親しむことからはじまります。 まだ目には見えていない物事や潜在的な事柄を導き出す道具でもあります。 各アイコンをクリックすると、21のカードが観れます。

最近のトラックバック

フォト