『日本にある世界の名画入門―美術館がもっと楽しくなる』赤瀬川 原平(知恵の森文庫)
ドガ、モディリアーニからピカソ、ミロ、クレー、マグリットまで、いちばん面白い時代のこんな名画が日本にあった。「元祖ヘタウマ」のルソー、寂しい、でもなぜか懐かしいキリコ、シャガールは家庭で揚げる天麩羅だ―ユニークな視点で「近代絵画」の見方を伝授する。巻末に美術館ガイドを収録。
光文社(2006/10発売)
【目次】
モディリアーニ「おさげ髪の少女」―絵画が“自我”に目覚めはじめた(名古屋市美術館)
ピサロ「ポン・ヌフ」―パリの心地よさを美味しく味わう(ひろしま美術館)
ルソー「要塞の眺め」―素人に描けて、玄人に描けない絵(ひろしま美術館)
ドガ「浴後」―写真と浮世絵で掴んだ“現代”とは(ブリヂストン美術館)
ピカソ「腕を組んですわるサルタンバンク」―身銭を切って買いたいかどうか(ブリヂストン美術館)
シャガール「ヴィテブスクの眺め」―家庭で揚げる天麩羅との付き合い(ひろしま美術館)
スーティン「セレの風景」―汚ないけど美味い餃子屋の魅力(名古屋市美術館)
マルケ「レ・サーブル・ドロンヌ(オロンヌの浜)」―野獣派マルケに何が起こったのか(国立西洋美術館)
キリコ「ヘクトールとアンドロマケーの別れ」―不安をかき立てる「影」のパワー(大原美術館)
マグリット「王様の美術館」―現代にフィットするCM感覚の妙(横浜美術館)
ボナール「ヴェルノン付近の風景」―印象派を乗り越えた色遊びの快楽(ブリヂストン美術館)
ミロ「パイプを吸う男」―絵は「立派」じゃないといけないか(富山県立近代美術館)
ダリ「ガラの測地学的肖像」―正常の極にあるスリリングな異常
クレー「セイレーンの卵」―絵のどこに“虫の動き”を感じるか(セゾン現代美術館)
レジェ「佇む女」―世の風潮が消えた後に残る絵とは(池田20世紀美術館)
【解説】南伸坊
「この本に出てくるのは、ちょうど絵のリニューアルと自我の膨張がぐいぐいとはじまったばかりの時代の、いちばん美味しい、いちばん面白い、いわば活劇の場面の美術史である」
赤瀬川原平[アカセガワゲンペイ]
1937年、横浜市生まれ。武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大学)中退。’60年代「ネオ・ダダイズム」の前衛芸術家として活躍。その後、尾辻克彦のペンネームで小説を執筆。’81年『父が消えた』で芥川賞受賞。
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