スバンテ・ペーボ博士「古代ゲノム学」領域開発
2022年のノーベル医学生理学賞を独マックスプランク進化人類学研究所教授スバンテ・ペーボ博士(67)に授与発表。
沖縄科学技術大学院大でも客員教授を務める。「絶滅したヒトのゲノムと人類の進化に関する発見」で「古代ゲノム学」という領域を開拓した。
現代の地球に生きている人類「ホモ・サピエンス」に対して、現代人の祖先「ネアンデルタール人」は約3万年前に絶滅したと考えられている。
ペーボ教授は発掘された古代の人骨などから遺伝子に当たるDNAを抽出して解析する方法を確立して、古代の骨からネアンデルタール人の遺伝子配列を世界で初めて解読した。
ホモ・サピエンスとネアンデルタール人が共存している間に交配して、ヨーロッパ系とアジア系の現代人の遺伝子は、約1~4%がネアンデルタール人由来でだと突き止めた。
シベリアの洞窟「デニソワ」で発見された指の骨の遺伝子を解読して、これまで知られていなかったヒト族を明らかにして「デニソワ」と名付けた。
現代人との共通の遺伝子が判明し、絶滅した近縁種の古い遺伝子配列が現代人にも影響しているのが分かった。
これらの研究で新型コロナウイルス感染症などへの免疫反応に関する遺伝子の一部を、ネアンデルタール人から受け継いでいる。
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