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2023年7月31日 (月)

『人を呼ぶ湖』『人を呑むホテル』

『人を呑むホテル』夏樹 静子(光文社文庫)

「クローズの晩に泊まると誰かが行方不明になる」という奇怪な噂が伝わるホテル精進湖。

赤司行彦の恩師・坪坂教授と夫人が、その日に宿泊して行方不明になった。行彦は婚約者の畑野テオリとともに、閉鎖中のホテルへ忍び込むが収穫はない。

その後、坪坂の首吊り死体が山中で発見されるが、夫人は

死体移動の謎と愛憎の揺れ動きを描く、恐怖サスペンス巨編。80年代の週刊誌連載小説。

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富士五湖周辺で温泉もあり、旅行気分に浸れる舞台背景で、ヒロインであるテオリの心揺れ動く展開。


あとがきによれば、『人を呼ぶ湖』という小説を雑誌で読んだ印象が強くあって、そこから本書のイメージを浮かべたという。


『人を呼ぶ湖』ベルサ湖には若い女性を、入水自殺に引き込む伝説がある。スイス大富豪の令嬢も湖に誘い込まれてしまった。巨額の資金をなげうって娘の死体の捜索をして、湖の恐ろしいさが徐々に明らかになっていく。

巨大な水藻が生い茂って、無数の女性の死体が絡まっている湖。潜水夫たちは恐ろしさで、失神して次々に埋没する。ついに大富豪は湖水をポンプで吸い出して、湖の底を捜索する力業を実行する。

そして湖底の中にもう一つ深い湖が、冷たい口を開けてまっていた。壮大で美しい幻想に圧倒される。

(「少女の友」1951年に連載されで、藤崎彰子名義で発表された。橘外男『人を呼ぶ湖』(中公文庫)に収録)


『人を呑むホテル』を書く時に、ベルサ湖底の冷たく壮大なイメージがあったというから、作品あらすじを並べてみた。

「つまるところ、われわれは何者か陰の人物にあやつられて行動していたようですな」

2023年7月30日 (日)

『長崎殺人事件』内田康夫

「殺人容疑をかけられた父を助けてほしい」。作家の内田康夫のもとに長崎から浅見光彦宛の手紙が届いた。早速、浅見に連絡をとると、彼は偶然、長崎に。名探偵・浅見さえも翻弄する意外な真相とは。

港街の横浜と神戸ときたら、歴史ある長崎でしょう。魅力ある異国情緒ある舞台です。

原作はドラマ化されているので、読み比べるのも面白いかと。しかし取材が三泊とは残念な創作体制である。むーん。テレビスタッフさんは三泊で終わらないでしょう。

魅力ある長崎を舞台にしてるのに、ほとんどが室内での会話シーンとは。浅見光彦の推理が行き当たりばったりで、頼りない名探偵ぶりとなってしまった。港シリーズでは個人的に最下位。

本書では主人公の浅見光彦がなかなか登場しない。作者が冒頭から出ているにも関わらず長崎での事件となっている。

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TBSドラマ】

長崎の数ある観光名所の一つ、眼鏡橋の下で、男が殺された。男はカステラ連合組合の会長・山岡(仙波和之)で、その胸には凝った彫り物を施した懐剣が突き刺さっていた。ルポライターの浅見光彦(沢村一樹)は「長崎の食と歴史」をテーマにした取材に出ることになった。だが、うっかり朝の食卓でそれを話したために、母の雪江(加藤治子)も同行することに。市内観光でべっ甲細工の店を訪れた二人が店の若夫人・紗綾子(野村真美)の説明を聞いていると、紗綾子の笑顔が急にこわばった。店の外から自分を見つめるジャンパーの男に気づいたのだ。紗綾子は男を追うように店を出ていくが、その二人の後を、若い女が尾行していた。その後、取材先のカステラ店・松風軒を訪ねた光彦と雪江は、先刻のジャンパーの男が店主の松波(林隆三)で、その後をつけていた若い女が娘の春香(宝生舞)であることを知る。


【出演】沢村一樹、加藤治子、村井国夫、林隆三、宝生舞、黒田福美、野村真美、新井康弘、岡本信人、ラサール石井 ほか

プロデューサー 矢口久雄、大高さえ子

監督 山内宗信

原作 内田康夫

脚本 石原武龍、橋塚慎一

2004年テレパック/TBS


【フジテレビ】

ルポライターの浅見光彦(中村俊介)あてに長崎の老舗のカステラ屋「松翁軒」の娘、松波春香(前田亜季)から、助けてほしいという手紙が「旅と歴史」編集部に届いた。春香の父、公一郎(長谷川哲夫)が、機械による大量生産のカステラ屋「山庄」の山岡庄次(諏訪太朗)を殺害した容疑で長崎南署に逮捕されたという。凶器の短刀から公一郎の指紋が採取されたというのだ。浅見は兄、警察庁刑事局長の陽一郎(榎木孝明)から、大学の同期で長崎県選出の稲垣代議士からの、行方不明の人物を探してほしいという依頼に便乗して、長崎に行くことになった。長崎は「神の島」にレジャーランドを作る観光開発計画があり、賛成と反対で真っ二つに分かれている。稲垣代議士は推進派だが、行方不明になった後援会幹部の荒井省三(柴田林太郎)は開発計画に反対だったという。
 浅見は荒井省三の資料がそろうまでの時間を利用して、山岡が殺された事件の捜査本部を訪ねた。被害者の山岡は開発計画の賛成派の急先鋒で、容疑者の公一郎は反対だった。浅見は「松翁軒」を訪ね、手紙の主、春香と会う。春香は父の無実を信じているが、事件当日、眼鏡橋で公一郎が島原の造り酒屋の山崎柚紀子(音無美紀子)と密会しているのを見たという。浅見は新たな殺人事件に遭遇する。グラバー園の蝶々夫人像の左手人さし指にぶら下がった、銀の鎖の十字架のペンダントの意味とは?


<出演者>

浅見光彦:中村俊介

松波春香:前田亜季

水島刑事:小野武彦

松波公一郎:長谷川哲夫

竹田:冨家規政

山崎柚紀子:音無美紀子

浅見陽一郎:榎木孝明

浅見雪江:野際陽子

ほか


<スタッフ>

原作:内田康夫

企画:成河弘明

プロデューサー:小林俊一、金丸哲也、大下晴義

脚本:峯尾基三

演出:林憲昭

音楽:渡辺俊幸

制作:フジテレビ/彩の会

2023年7月29日 (土)

『神戸殺人事件』内田康夫

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「赤い寺 白い犬」神戸・三宮で浅見光彦がヤクザから救った女性は、この紙片を残して、忽然と姿を消した。その夜、現場に居合わせた元船長松村が神戸港で殺され、アリバイのない浅見に嫌疑が……

一方、芦屋の海運会社会長宅・小野田家を訪れた客2人が相次いで殺される。消えた女との接点は何か? 小野田家の孫娘亜季は、浅見光彦に救いを求めた!

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プロローグとなる新神戸駅裏になる布引の滝や、源平一の谷の合戦における鵯越えのなど地域が良く描写されて期待もてる導入部となっている。しかし会話が神戸の人になっておらず、推敲の時に神戸言語に詳しいスタッフは必要だったと感じた。

取材が三泊とは短くて、港街神戸について随分と大雑把な体現のようだ。芦屋令嬢を中心とした資産家に麻薬やヤクザが三宮で絡んだりでは、折角神戸の舞台も台無しである。この辺は神戸に詳しい作家の筒井康隆さんには敵わない。と言うか実在する舞台に対するドキュメント不足だろう。シリーズ化して売れっ子作家になると、取材日程は困難だったのだろう。プロットなどの構成に頼らないで、キャラクターの生きた展開を重視する小説にするためにも、魅惑ある港街をもっと歩いて欲しかった。神戸牛より三田牛のほうが、俄然旨いことは現地人では知れたこと。地域の上辺だけを点描するより、芦屋と神戸港に絞って展開するほうがよかった。作者のなかで魅力あるキャラクターたちが生きてるので、不完全なことになってしまった。まるで浅見光彦が都内のスタジオで演じているような気分ににさせられた。

『横浜殺人事件』に比べてドラマ化されてないようなのは、原作が行き当たりばったりが映像企画にされなかった原因かと思われる。

神戸舞台なのにドラマになってないのは、実に残念なことである。

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童謡『赤い靴』と『青い眼の人形』について

童謡『赤い靴』

作詞 / 野口雨情 作曲 / 本居長世

赤い靴 履いてた 女の子

異人さんに 連れられて 行っちゃった

横浜の 埠頭(はとば)から 汽船に乗って

異人さんに 連れられて 行っちゃった

今では 青い目に なっちゃって

異人さんの お国に いるんだろう

赤い靴 見るたび 考える

異人さんに 逢うたび 考える


「赤い靴」の女の子のモデルが明らかになったのは、昭和48年11月の新聞の夕刊に掲載された、『野口雨情の赤い靴に書かれた女の子は、まだ会った事も無い私の姉です。』という「岡その」さんの投稿記事がきっかけでした。この記事を当時北海道テレビ記者だった菊池寛さんが知り、5年余りの歳月をかけて女の子が実在していたことをつきとめました。


童謡『青い眼の人形』

作詞 / 野口雨情 作曲 / 本居長世

青い眼をした お人形は

アメリカ生れのセルロイド 

日本の港へ ついたとき

一杯涙をうかべてた

「わたしは言葉が わからない

迷ひ子になつたら なんとせう」

やさしい日本の嬢ちやんよ

仲よく遊んでやつとくれ


『赤い靴』と同様に異国情緒をかもし出す童謡である。大正1012月『金の船』(キンノツノ社)に発表された。雑誌掲載時のタイトルは『靑い目の人形』。

1923年の関東大震災が起こった時は海外からも多くの募金が寄せられたが、アメリカでも義援金を募る際にこの『青い眼の人形』が歌われた。第二次世界大戦中では、童謡『赤い靴』と同じように、敵国の歌とみなされて歌う事が禁じられた。『青い眼の人形』はキューピー人形から発想を得て作られた歌で、昭和初期にアメリカから日本に贈られた友情人形が「青い目の人形」といわれたのはこの歌に因んでいる。

どうやら童謡『赤い靴』と『青い眼の人形』は、対になった創作であるようだ。

2023年7月28日 (金)

『浅見光彦シリーズ横浜殺人事件』内田康夫

横浜テレビの看板レポーター・山名めぐみの絞殺死体が発見された。取材に訪れ事件に遭遇した浅見光彦は、めぐみの最後の仕事となったVTRが事件の鍵を握ると直感する。一方、金沢八景では会社員・浜路恵一の死体が―!

めぐみの仕事仲間・紅子、浜路の遺児・智子と二つの事件の接点を追う光彦は、外国人墓地へ。港町・横浜を舞台に冴える光彦の名推理。

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取材してる小説だけに横浜テレビの描写やテレビスタッフの過酷な労働が詳しく書かれている。作家と編集者とのコラボレーションについて、あとがきでふれられていた。

この原作が同じ月日の同じ時間帯で、偶然なのだろうか再放送された。

202372812時頃から14時頃までBSフジとBSTBSにて放送。TBSのほうはドラマがだいぶ脚色されて放送局のポリシーを感じる。


【フジテレビ】1996/05/17~放送

横浜の女の取材中、ルポライター浅見光彦(榎木孝明)は逆に横浜テレビのレポーター山名めぐみに、童謡「赤い靴」の女の子は異人さんに連れられてどこへ行ったと思うかと街頭インタビューされる。ところがそのめぐみが、その夜自分のマンションで絞殺された。前日には金沢八景・八角堂で物産会社の課長が服毒変死。警察ではこれを自殺と見たが、光彦は他殺と疑い、テレビプロデューサー藤本紅子(国生さゆり)とともにこの二つの殺人の接点をさがす。何と事件を解くカギは「赤い靴」の童謡にひそんでいた

【以上、BSフジ広報資料より引用】  


【出演者】

浅見光彦:榎木孝明

浅見雪江:野際陽子

浅見陽一郎:西岡徳馬

吉田須美子:西尾まり

藤本紅子:国生さゆり

多田刑事:沼田爆

宮田直介:小野武彦

岡松静江:東恵美子

ほか

<スタッフ>

企画:遠藤龍之介、小林義和

プロデューサー:小林俊一、大下晴義、中曽根千治

脚本:大久保昌一良

制作:フジテレビ/彩の会

ロケ協力:横浜人形の家、財団法人帆船日本丸記念財団、キョーエーメック。番組協力:テレビ神奈川(TVK)「ザ・ホテル・ヨコハマ」。


TBS2009年製作

野口雨情の詩、本居長世の作曲「赤い靴」。この詩に登場する赤い靴の女の子は何処へいったのか?波止場から異国へと思いを馳せ、開港150年に沸く横浜。光彦の母・雪江は、横浜のとある老舗のバーで秀麗な紳士が奏でる「赤い靴」の調べに聞き入っていた。カウンター内では、雪江の竹馬の友・山名雄三が寡黙にグラスを磨いていた。
ルポライターの光彦が、横浜の魅力を探るための取材だったが、雪江は、懐かしい友と語らいの時間を過ごすための同乗だった。意外と空気の読めない光彦を、雪江が早々に追い返したことから事件は始まる。光彦が中華街から路地に入ると、美しい女性・山名めぐみが顔を隠した黒ずくめの男に追われていた。

【出演者】
浅見光彦沢村一樹
浅見陽一郎風間杜夫
浅見和子黒田知永子
吉田須美子原沙知絵
桐山道夫田中幸太朗
山名雄三津川雅彦
谷本咲江市毛良枝
山名めぐみ前田愛
多田刑事相島一之
谷本清飯田基祐 ほか

製作:テレパック/TBS2009


横浜殺人事件 ロケ地ガイド

http://loca.ash.jp/show/1996/e1996_yokohama.htm

『いえない時間・夏樹静子ミステリー短編傑作集』夏樹静子(光文社文庫)

男女のすれ違いと愛憎、人生に待ち受ける思わぬ陥穽、驚愕の結末――夏樹静子氏がその作品でミステリー界に残した足跡はあまりに大きい。本書は弁護士・朝吹里矢子、検事・霞夕子の人気シリーズから、夫婦の心の機微を絶妙に切り取るショートショート作品まで、初収録の作品のみで編んだ短編集。褪せることのない夏樹ミステリーのエッセンスと輝きを楽しめる一冊。


2016119日発売 定価:748円(税込み)光文社文庫


「不作為の罪」朝吹里矢子法律事務所に平ちえみから、父の平昌臣61才が三浦半島の浦賀の近くの海で、後妻の恵利と泳いで溺れて亡くなったという。その時に父が溺れている傍まで、運転していた萩尾がクルーザーから身を乗り出して溺れている父を見て行ってしまった。死因は溺死だが、クルーザーが救助してくれていたら助かったかもしれない。運転していた萩尾は罪にならないのか。朝吹里矢子は後妻の恵利が、泳ぎに出る前に昌臣に睡眠薬を飲ませていた、そして萩尾と協力して昌臣を殺そうしてたのをつきとめる。

「現行犯」資産家の有馬巌の息子・真吾の妻・由美乃は、ほっそりとした美しい女である。巌は由美乃を強姦した。由美乃は二世帯住宅に同居する義父に、いつ襲われるかと恐れている。それを高校の二年先輩で、占いがあたると評判の青山でスナックをしている泉亜子に相談する。義父を痴漢で現行犯逮捕する計画を持ち掛けられる。その裏で泉は巌を痴漢を装って殺して、由美乃から2億円を脅しとるのを考え実行した。警察では事故として扱われたが、朝吹里矢子が謎を解くことができるか。

「いえない時間」スナック「えり華」の雇われママ大塚君江25才が刺殺されて、学芸大学駅で中華料理店を営む笠貫完治54才が110番した。犯人として大学三年生の牧口元裕が逮捕されたが、言うことがあれこれ変わる。

取り調べを担当する任官4年目の霧生朝美検事と、上司で釧路地検帯広支部長から二か月前に再び東京地検へ異動になった霞夕子副部長は事件を調べなおすと、7年前に牧口の親友・沢井陽平が君江の運転する車にはねられて亡くなっていたのが分かる。同乗者は笠貫で、君江は犯罪を証明できなくて不処分となったが、霧生はこの判決に違和感を覚えて真相究明にのりだす。中編小説のボリュームがある二転三転する謎解き。

「熱い骸」主婦・津川美秋は熟睡している夫に、水に溶かした睡眠薬を口から少しずつ点滴して犯行を遂行しようとするのだが。

「二つの炎」妻の死を利用して、愛人を葬る計画をする。妻の火葬許可書をなくしたと、偽り再発行してもらう。一枚を使って妻の実家へ、愛人の死体を運んで葬儀をする。そして帰って来て妻の火葬を行なうのだった。

「丁字路」隣のベットで眠っている夫が「メルメル、メル!」と聴いた妻は疑念を抱く。犬を手がかりにして、近隣の土地を探索するうちに、メルと呼ばれている犬を連れている不倫相手を突き止める。

そして飼い犬アンを愛する夫婦は、アンをどうするか話し合い、道の両側に分かれてどちらにアンが来るかで決める。だがアンはどちらにもいかず、これまで通りの暮らしがいいと答えるように、マンションの玄関へ向かって走っていくのだった。

「リメイク」今西隆平と妻・冬子は、山本宝石店に行くと店長が、「いやあ、この間はどうもありがとうござ……」と言って、途中で冬子の存在に気が付いて挨拶がとまった。冬子は夫がこの前に何を買ったのか気がかりだった。そして夫の愛人である辻香苗を知って、夫婦の亀裂が始まって行くのだった。

2023年7月27日 (木)

『雨に消えて・夏樹静子ミステリー短編傑作集』夏樹静子(光文社文庫)

 ある朝、ルリ子を起こしにいったらベビーベッドはカラだった。窓から誰かに連れ去られたのか……。自分を責めて探し回る母親は、度々家に遊びに来る女子高校生の存在に思い至る。しかし、彼女は学校を無断欠席しており、見つかったときには――。(表題作) 愛する我が子へ、様々な思いに翻弄される母親たちの姿を描いたミステリー、光文社文庫独自編集の傑作短編集。


【収録作品】

「雨に消えて」

「陰膳」

「水子地蔵の樹影」

「火の供養」

「砂の殺意」

「ガラスの絆」


本書は親と子に関わる事件を母親から描いてる。乳児がベビーベッドから消える「雨に消えて」、乳児の正体に慄然とさせられるが、子供のいない主婦の悲哀が胸に沁みる。

砂山に埋もれて死亡した息子の事件の真相を知ろうと母親が捜索する「砂の殺意」、犯人を追い詰める母親の執念が印象的で、復讐する無意味さが描かれる昭和な出来事。

2023年7月26日 (水)

■『表現者ちあきなおみ ジャンルを超えた魅惑の歌声』

BS-TBS 2023/8/1(火)21:0022:54


圧倒的な歌唱力と歌心。不滅の歌声と謳われるボーカリスト、ちあきなおみ。

平成41992)年 9 月、歌手活動を休止して以来、長い沈黙を続けている。 マイクを置いて 30 年。だが、その存在は今も多くの人を魅了している。

その証として、折々に発売されるCDアルバムは本人不在にもかかわらず、 売り上げチャートの上位にランクイン。202210月に発売されたコンセプトアルバム「残映」は、週間アルバムランキング演歌・歌謡曲部門で1位を獲得した。

アイドル歌手としてデビューし、キャリアを積み「喝采」で日本レコード大賞を受賞、やがて、自らの歌の世界を構築。その思いは日本の歌だけにとどまらず、世界へ広がり、新たな道を歩いた。 時代を超え人々の心に生き続け、絶頂期を知らない世代にとっても、リスペクトされているちあきなおみ。歌謡曲、演歌、シャンソン、ファドとジャンルを超えたボーカリストの歌声を、TBSや所属事務所に残る貴重映像を中心にあますことなく紹介する。


紹介予定曲

雨に濡れた慕情

四つのお願い

+Y=LOVE

恋した女

禁じられた恋の島

喝采

劇場

夜間飛行

円舞曲(ワルツ)

あいつと私 

恋挽歌 

役者

紅とんぼ 

ルージュ 

サーカスの唄 

人生の並木路

祭りの花を買いに行く 

部屋 

ひとりしずか   ほか


番組ページ

https://bs.tbs.co.jp/music/chiakinaomi2023/

2023年7月24日 (月)

果実と冷菓🍋

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葉室麟 「蜩ノ記」

葉室麟 「蜩ノ記」

『小説NON』(祥伝社)にて201011月号から20118月号まで、「秋蜩」のタイトルで連載された。第146回直木三十五賞受賞作。

「受賞に値する作品」(渡辺淳一)、「深い素養がなくてはかけない作品」(宮部みゆき)、「定められた命を感情表現に頼らずに写し取った技は秀逸」(浅田次郎)、「若い作家ではこうはいかない」(伊集院静)


【映画化】

2014104日より全国東宝系にて公開。テレビ東京開局50周年記念作品。

監督を務めるのは、黒澤明に師事しその遺作シナリオを引き継いだ初監督作品『雨あがる』でヴェネツィア国際映画祭・緑の獅子賞など多くの賞を受賞した小泉堯史[4]。撮影は岩手県遠野市などを中心にオールロケで行われた。映画用フィルムの製造減少に伴い、本作は国内最後のフィルム映画になるとみられる。主演の役所広司と岡田准一は本作が初共演となり、武術に精通する岡田は撮影に備え2012年冬から居合の道場に弟子入りし、初めて時代劇で本格的な殺陣に挑戦した。


全国330スクリーンで公開され、4日・5日の2日間で観客動員128647人、興行収入153624900円を記録し、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第2位となった。

Wikipedia


《キャスト》

戸田秋谷 - 役所広司

檀野庄三郎 - 岡田准一

戸田薫 - 堀北真希

水上信吾 - 青木崇高

戸田郁太郎 - 吉田晴登

万治 - 小市慢太郎

源吉 - 中野澪

原市之進 ‐ 綱島郷太郎

万治の妻 ‐ 大寶智子

法性院(お美代の方) ‐ 川上麻衣子

播磨屋吉左衛門 ‐ 石丸謙二郎

矢野郡奉行 ‐ 矢島健一

庄屋 - 渡辺哲

松吟尼(お由の方) - 寺島しのぶ

三浦兼通 - 三船史郎

慶仙 - 井川比佐志

中根兵右衛門 - 串田和美

戸田織江 - 原田美枝子


《スタッフ》

原作 - 葉室麟 「蜩ノ記」(祥伝社刊)

監督 - 小泉堯史

脚本 - 小泉堯史、古田求

製作 - 市川南、田村明彦

音楽 - 加古隆

撮影 - 上田正治、北澤弘之

編集 - 阿賀英登

題字 - 星弘道

製作プロダクション - 東宝映画

配給 - 東宝


【映画予告編】

https://youtu.be/PvpQQAy-iIs

前代未聞の事件を起こした罪で10年後の夏に切腹すること、その日までに、藩の歴史である「家譜」を完成させることを命じられた戸田秋谷。檀野庄三郎は、家譜編纂の作業から秋谷が逃亡せぬよう監視せよとの藩命を受け、見張り役として秋谷の妻・織江、娘・薫、息子・郁太郎と生活をともにし始める。過酷な運命が待つにもかかわらず、一日一日を大切に家譜づくりに勤しむ秋谷。夫に深い愛情と信頼を寄せ、家族に尽くしながら日々を過ごす、妻の織江。両親の背中を見ながら、強い心で生きようとする薫と郁太郎。秋谷の揺るぎない姿、支える家族の姿に感銘を受けた庄三郎は、秋谷が切腹となった事件に疑問を抱き、彼を救うべく、真相を探り始める。やがて庄三郎は、事件の真実を暴き藩政を揺るがす、重大な文書を入手する。果たして、秋谷と庄三郎、織江と薫に待ち受ける運命とは


映画「蜩ノ記(ひぐらしのき)」は黒澤明氏に師事し「雨上がる」「博士の不思議な愛した数式」などの作品を勤めた小泉尭史監督と黒澤映画を支えてきた名スタッフの元で製作された。

いずれ来る死の時を思い恐れ怯えるのか、それとも享楽的に過ごすのか。それとも死までの間の日々を大切に生きるのか。映画は清楚に人の生死を感じさせる。


「蜩ノ記」の舞台は府内藩の隣藩、羽根藩、海に面し3つの港を持つとある。そのモデルは臼杵藩だろうか。
藩祖は神奈川の三浦氏としている。この臼杵藩の藩祖は稲葉貞通で、関ヶ原の戦いで西軍から東軍に寝返って武功を挙げて、美濃国郡上八幡4万石から加増移封された。斎藤道三や織田信長に仕え、西美濃三人衆の一人として名を馳せた稲葉一鉄の息子。

「蜩ノ記」は葉室麟の最高傑作といわれ、最後まで力を抜かず描き切った。

2023年7月23日 (日)

NHK版金田一シリーズ一挙放送 NHK BSプレミアム、BS4K

NHKが制作したドラマ「金田一耕助」シリーズが、8月から9月にかけてNHK BSプレミアム、BS4Kにて4週連続で放送される。


獄門島

2023818日(金)20:15


悪魔が来りて笛を吹く

2023825日(金)21:00


八つ墓村

202391日(金)20:15


犬神家の一族

前編 202398日(金)20:15~後編 202398日(金)21:44


2016年に放送された長谷川博己が金田一役を務める「獄門島」は、奥田瑛二、仲里依紗らも出演し、封建的な島でおこる怪奇な連続殺人の謎に挑む物語。

そして志田未来、中村蒼が出演する「悪魔が来りて笛を吹く」、2019年放送の「八つ墓村」、今年放送され衝撃のラストが話題を呼んだ「犬神家の一族」では、吉岡秀隆が金田一を演じている。

2023年7月22日 (土)

日曜劇場『VIVANT』二宮和也サプライズ登場!衝撃の第一話を再び!

二宮和也サプライズ登場の第1話ほぼノーカット版!さらに、二宮のインタビューを緊急収録!今夜VIVANTの意味がわかる大考察SP!7/23日13:30〜15:00

早くも超話題沸騰、謎に包まれた日曜劇場「VIVANT」が遂にベールを脱いだ!日本のドラマ映画史上最高峰キャストが大共演!堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司に加え、二宮和也が謎の青年役でサプライズ登場!果たして何者なのか???誰が敵で誰が味方かわからない人間模様、逆転、裏切り、騙し合い、それとも支え合い? 

さまざまな関係が緻密に重なり合う第二話は日曜日夜9時放送。

日本が誇る豪華共演に、歌舞伎、宝塚、ミュージカル、そして興収130億超えの大ヒットアニメ「名探偵コナン」シリーズの声優など、日本のエンターテイメント界のスター、そしてスパイダーマンの俳優も参戦!

【出演者】堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、竜星涼、迫田孝也、飯沼愛、山中崇、河内大和、馬場徹、渡辺邦斗、古屋呂敏、内野謙太、富栄ドラム、林原めぐみ、二宮和也、櫻井海音、Martin Starr、真凛、水谷果穂、井上順、林遣都、高梨臨、林泰文、吉原光夫、内村遥、井上肇、市川猿弥、市川笑三郎、平山祐介、珠城りょう、西山潤、檀れい、濱田岳、坂東彌十郎、橋本さとし、小日向文世、キムラ緑子、松坂桃李、役所広司、

Barslkhagva Batbold、Tsaschikher Khatanzorig、Nandin-Erdene Khongorzul、Erkhembayar Ganbold 

『音楽】千住明

【スタッフ】

プロデューサー:飯田和孝、大形美佑葵、橋爪佳織

原作・演出:福澤克雄

演出:宮崎陽平、加藤亜季子

脚本:八津弘幸、李正美、宮本勇人、山本奈奈

◇番組HPhttps://www.tbs.co.jp/VIVANT_tbs/

◇twitter @TBS_VIVANT https://twitter.com/TBS_VIVANT/

@tbs_vivant

https://www.instagram.com/tbs_vivant/

土曜お昼のミステリー『梓川清流殺人事件』

2023722() 1130分~1330

 

【あらすじ】

   旅行作家・茶屋次郎は、週刊誌の連載のため、長野県・梓川流域を探訪する旅に出かけていた。上高地、穂高と梓川の流れが美しい場所を取材した茶屋は、その日、逆巻温泉に宿泊。そこで茶屋は、彼のファンだという女性・浅沼瑞江と知り合い、夕食をともにすることになった。

 若い女性との食事に、酒も加わって気分の良くなった茶屋は、瑞江に梓川の話をする。だが、瑞江は梓川の話を聞くと、途端に表情を曇らせ、かかってきた携帯電話に対応しながら、部屋を出ていってしまう。

 翌朝、茶屋は河原に朝日が降り注ぐ美しさに魅せられ、梓川の写真を撮ろうと宿を出る。ところが河原の岩陰で、茶屋は信じられないものを目撃してしまう。なんと昨晩ともに食事をした瑞江が、後頭部から血を流して死んでいたのだ。

 茶屋は第一発見者でありながら、松本署の刑事たちから重要参考人として取り調べを受けることになってしまう。自分は仕事で紀行文を書くために梓川を訪れただけで、瑞江と知り合ったのも偶然だと言う茶屋の主張を刑事たちはなかなか聞き入れてくれない。

 茶屋は連載する週刊誌の副編集長・山倉に連絡。事件に巻き込まれたために今回の取材は中止せざるを得ない旨を伝えるが、山倉は逆にそれを利用して、殺人事件の緊急ドキュメント記事を書こうと言い出す。

 一方的な山倉の提案に途方に暮れる茶屋であったが、地元新聞の美人女性記者・小口葉子から事件の真相を突き止めてほしいと懇願され、調査を始めることを決意する。実は葉子と瑞江は女子大時代の先輩後輩の間柄であった。それが一年ほど前、突如瑞江から葉子に「調べたいことがある」と連絡が入り、以降、月に一度は瑞江が信州を訪れていたという。

 茶屋は瑞江が殺される前の晩、彼女の携帯に電話をかけてきた人間がいたことを思い出し、その相手が事件に関係しているとにらむ。そして葉子から、瑞江が「黒川渡・奈川渡・島々・山形・今井」という地名を口にしていた事実を聞き出して、その地点を結ぶルートが何かを表しているのではないかと推測する。 

 さらに茶屋は葉子から新たな情報を得る。瑞江が最初に信州を訪れたのも、殺された前日と同じ一年前の五月二十日であったのだ。五月二十日は何か意味がある日にちがいないと考えた茶屋と葉子は、瑞江の行動を洗い始める。そして十二年前に、瑞江の父親も、梓川で謎の死を遂げている事実をつかむのだった……


【原作】「信濃梓川清流の殺意」祥伝社

【脚本】長谷川康夫

【監督】富永卓二

【キャスト】橋爪功 久本雅美 角野卓造 細川ふみえ

2023年7月21日 (金)

『笑う警察』佐々木譲(ハルキ文庫)とテレビドラマ

『笑う警察』佐々木譲(ハルキ文庫)

札幌市内のアパートで、女性の変死体が発見された。遺体の女性は北海道警察本部生活安全部の水村朝美巡査と判明。容疑者となった交際相手は、同じ本部に所属する津久井巡査部長だった。やがて津久井に対する射殺命令がでてしまう。捜査から外された所轄署の佐伯警部補は、かつて、おとり捜査で組んだことのある津久井の潔白を証明するために有志たちとともに、極秘裡に捜査を始めたのだったが。北海道道警を舞台に描く警察小説の金字塔、「うたう警官」の文庫化。(「BOOK」データベースより)


 北海道警察内で2つの事件が起きる。1つは盗品売買・関税法違反事件で、容疑者を逮捕した。もうひとつは女性殺害事件で、町田警部補らが出動する。いずれの事件も道警本部扱いになってしまう。  


 女性殺害事件の方は、被害者が現役の女性警官で、殺害場所は警察が借り上げている秘密のアジトだった。

 犯行現場から逃走したのは、現役の津久井卓巡査部長とされる。本部は拳銃を所持しているため、「射殺もやむなし」との通達をだして、姿をくらました津久井の包囲網ができる。

 

 被害者・水村朝美は23歳。道警本部生活安全課に勤務していて、津久井と恋仲であった。被疑者・津久井巡査部長は、おとり捜査で佐伯宏一警部補とコンビを組んだことから、津久井は犯人ではないという佐伯の直感があった。

 

 津久井から佐伯の携帯に連絡が入り「やっていない」という。津久井は明日開催される道議会に招聘されて、北海道警察の内情について、答えなければならない。本部の裏金マニュアルの存在は、マスコミで報じられて、本部としては隠しとおさなければならない。

 

 どんなことをしても北海道警察本部は、津久井の口を封じなければならなかった。必死で津久井を追い、佐伯は津久井を守り、道議会・百条委員会に出席させたいと思う。その日は明日に迫って、津久井を守るためメンバーを集めた。小島百合、佐伯の部下の新宮と植村、初動捜査にあたった町田警部補たちが、プロジェクトメンバーとなる。

 

 警察内部の腐敗を証言させまいとする本部。仲間を無実から守ろうとする仲間たち。壮絶な闘いがはじまる。残された時間はわずか。スリリングな知恵くらべが展開される。



〈テレビドラマ化〉

財前直見主演。直木賞作家・佐々木譲の人気小説「道警シリーズ」をドラマ化した「北海道警察」の第2弾。警察組織の暗部と戦うため、財前演じる北海道警察大通署生活安全課の小島百合巡査部長が奔走する。
ある警官が殺された。そしてその容疑者として名前が挙がったのは、北海道道議会が設置した百条委員会に現役警察官の証人として出席する予定の津久井(池田政則)だった。同期の津久井に頼られた百合は上司や本部の目を盗みながら一連の事件の真相を追う。津久井にかけられた濡れ衣を晴らし道警の闇を白日の下に晒すことはできるのか!?
共演は鈴木一真、松本莉緒、川崎麻世、松尾貴史、高田純次ほか。


「北海道警察」2、笑う警察
ある日、北海道警察大通署管内のマンションで爆発事故が発生した。被害者は道警本部の女性巡査。現場に急行した大通署刑事課の佐伯(鈴木一真)と渡辺(松田悟志)は道警本部の刑事部長・杉田(川崎麻世)から捜査は本部だけでするから所轄は手を引けと恫喝される。
翌日、杉田は大通署の署員を集め、容疑者は道警本部の津久井(池田政典)だと発表した。生活安全課の百合(財前直見)は津久井を擁護するが課長の長沼(高田純次)に止められる。誠実な津久井が殺人などするはずがない。思いをめぐらせる百合に後輩のサキ(松本莉緒)が声を掛けた。児童養護施設に不審者が出没したと通報が入ったという。施設を訪れた百合の携帯に公衆電話から着信が。その電話は津久井からだった。津久井は無実を主張するものの詳細は話せないという。百合は同級生の早苗(北原佐和子)が女将をしているホテルで落ち合うことに。その頃、道警本部に呼び出された長沼は、道警本部の統括部長・石岡(新井康弘)から百合の動向を監視しろと命令されていた


【出演】財前直見、鈴木一真、松本莉緒、川崎麻世、松尾貴史、池田政典、北原佐和子、新井康弘、松田悟志、高田純次 ほか

【プロデューサー】吉田由二

【監督】小久保利己

【原作】佐々木譲

【脚本】土屋保文

2013年制作

スイート・ベイジル/TBS

2023721BSTBS再放送

2023年7月20日 (木)

NODA・MAP最新作『兎、波を走る』(作・演出:野田秀樹)公演中

脱兎を追って不思議の国に行ってしまったアリス(多部未華子)と、娘を探し続けるアリスの母(松たか子)の物語という主線と、潰れかかった遊園地の物語が、2本の平行世界のようにして走っていく。

遊園地は不動産業者のシャイロック・ホームズ(大鶴佐助)によって競売にかけられてる。元女優ヤネフスマヤ(秋山菜津子)はこの場所で幼い頃、ママと見た「アリスの物語」を再現したくて、第一の作家?(大倉孝二)に脚本を書かせている。

だがそれは、幼い頃に楽しんだ物語とは違っていて、気に入らないヤネフスマヤは第二の作家?(野田秀樹)にも依頼する。

https://spice.eplus.jp/articles/319416


CAST

高橋一生 松たか子 多部未華子

秋山菜津子 大倉孝二 大鶴佐助 山崎一 野田秀樹


秋山遊楽 石川詩織 織田圭祐 貝ヶ石奈美 上村聡 白倉裕二 

代田正彦 竹本智香子 谷村実紀 間瀬奈都美 松本誠 的場祐太

水口早香 茂手木桜子 森田真和 柳生拓哉 李そじん 六川裕史


東京芸術劇場 プレイハウスで730日まで

https://youtu.be/0eXQlbFwuMA

第169回芥川賞、直木賞の選考発表

169回芥川賞・直木賞の選考会が719日、築地「新喜楽」にて開かれ、芥川賞は市川沙央『ハンチバック』(文學界5月号)』に決まった。

直木賞は垣根涼介『極楽征夷大将軍』(文藝春秋)、永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』(新潮社)が選ばれた。


今回選考を務めたのは(50音順・敬称略)、芥川賞の選考委員(五十音順)は小川洋子、奥泉光、川上弘美、島田雅彦、平野啓一郎、堀江敏幸、松浦寿輝、山田詠美、吉田修一。直木賞の選考委員(五十音順)は、浅田次郎、伊集院静・角田光代・京極夏彦(新任)・桐野夏生・髙村薫・林真理子・三浦しをん・宮部みゆき。


 芥川賞を受賞した市川沙央は、1979 年生まれ。早稲田大学人間科学部(通信教育課程)卒。2023 年に『ハンチバック』で第 128 回文學界新人賞を受賞しデビュー。市川は先天性の難病をもつ重度障害者で、人工呼吸器や電動車いすを使用。デビュー作『ハンチバック』で、芥川賞受賞という快挙となった。

  

平野啓一郎の講評「最初の投票から選考委員会ら圧倒的な支持を得て、最初の投票で決まりました。作品としての強さが選考委員から語られました。

本作の主人公は特殊な困難を抱えて生きています。重度の障害をもつ作者の実際の状況と作品、社会との関係が高いレベルでバランスがとられた稀有な作品として支持を集め、受賞が決まりました。否定的な評価は無かったが、解釈に関してはいろいろな意見が提示されて議論が盛り上がり、2作受賞の可能性も検討しましたが、最終的には1作のみの受賞となりました。作者が今後どのような作品を書くのか、期待する声も大きかったです」


  芥川賞の受賞会見での市川沙央「訴えたいことがあって、去年の夏に初めて書いた純文学が『ハンチバック』です。芥川賞の会見の場にお導きいただいたことを嬉しく思います。受賞は姉に真っ先にLINEしました。私にとって自信になると思います。小説を書き始めて20年の中で、芥川賞を目指してはいなかったので驚いています。会見はニコニコ動画で最近予習していましたので、感慨深いです」


  直木賞を受賞した垣根涼介は、1966 年、長崎県諫早市生まれ。筑波大学卒。2000 年「午前三時のルースター」で第 17 回サントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞し、デビューした。これまで、『ワイルド・ソウル』で第 6 回大藪春彦賞、第 25 回吉川英治文学新人賞、第 57 回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)受賞。『君たちに明日はない』で第 18 回山本周五郎賞受賞。『光秀の定理』で第 4 回山田風太郎賞候補。『室町無頼』で第 6 回本屋が選ぶ時代小説大賞受賞、第156 回直木賞候補、第 7 回山田風太郎賞候補。『信長の原理』でも第 160 回直木賞候補となっている。


永井紗耶子は、1977 年、神奈川県横浜市出身。慶應義塾大学文学部卒。2010 年『絡繰り心中』で第 11 回小学館文庫小説賞を受賞し、デビュー。『商う狼 江戸商人杉本茂十郎』で第 40 回新田次郎文学賞、第 10 回本屋が選ぶ時代小説大賞、第 3 回細谷正充賞受賞。『女人入眼』で、第 167 回直木賞候補。今回の受賞作『木挽町のあだ討ち』は、第 36 回山本周五郎賞受賞を受賞している。


169回芥川賞 候補作
石田夏穂『我が手の太陽』(群像5月号)
市川沙央『ハンチバック』(文學界5月号)

児玉雨子『##NAME##』(文藝夏季号)
千葉雅也『エレクトリック』(新潮2月号)
乗代雄介『それは誠』(文學界6月号)

169回直木賞 候補作 冲方丁『骨灰』(KADOKAWA
垣根涼介『極楽征夷大将軍』(文藝春秋)
高野和明『踏切の幽霊』(文藝春秋)
月村了衛『香港警察東京分室』(小学館)
永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』(新潮社)

2023年7月19日 (水)

樹木を見て涼む

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植物は宇宙とつながるイメージがあります。

2023年7月18日 (火)

『SONGS 伊藤蘭 ~キャンディーズから50年~』 NHK総合 2023年7月20日(木)午後10:00 ~ 午後10:45

NHK総合『SONGS』に伊藤蘭が初登場。『SONGS 伊藤蘭 ~キャンディーズから50年~』は7月20日(木)放送。キャンディーズの貴重映像満載。今だから語れる懐かしエピソードや解散コンサートの舞台裏。さらに夫・水谷豊が語る「歌手・伊藤蘭」の素顔も。

■『SONGS 伊藤蘭 ~キャンディーズから50年~』
NHK総合 2023年7月20日(木)午後10:00 ~ 午後10:45
再放送:NHK総合 2023年7月24日(月)午後11:50 ~ 翌・午前0:35

1970年代に圧倒的な人気を誇った伝説のアイドル「キャンディーズ」。わずか4年あまりの活動期間に「年下の男の子」、「春一番」、「暑中お見舞い申し上げます」など、数多くのヒット曲を生み出した。今年はデビューから節目の50年を迎える。今回、SONGSに伊藤蘭が初登場、キャンディーズ時代の懐かしいエピソードやいまや伝説と語り継がれている後楽園球場で行われた『解散コンサート』など、アイドル時代の思い出を責任者・大泉と語り合う。

また、今回の見所がNHKに残る貴重なアーカイブス映像。デビュー前の貴重なラン・スー・ミキの初々しい歌声、懐かしの「紅白歌合戦」や「レッツゴーヤング」でのパフォーマンスなど、永久保存版!?のレア映像を大放出する。

伊藤蘭は、8月から全国各地で50周年記念コンサートを開催するなどソロシンガーとしても精力的な活動を続ける。そんな彼女をいつも支えているのが夫・水谷豊だ。今回、水谷さんだからこそ知っている「歌手・伊藤蘭」の素顔を語ってくれた。俳優として、歌手として、母として…輝き続ける秘訣とは―。また、奥田民生やトータス松本も参加した新曲「春になったら」のレコーディングにも密着し、最新パフォーマンスもお届けする。

【出演】 大泉洋、伊藤蘭 【VTR出演】 奥田民生、トータス松本、水谷豊

番組ページ
https://www.nhk.jp/p/songs/ts/7QRYY2G3VN/

なると巻き、くるくる。

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「鳴門巻」は魚肉のすり身を主原料とする断面が渦巻模様の蒲鉾の一種。

「鳴門の渦潮」にちなんで名付けられた。

その由来は定かではないが、江戸時代後期の「五色巻」の赤巻だけが独立して残ったものという。

「きっと、今日もくるくると、なると」

2023年7月17日 (月)

『火垂るの墓』『戦争童話集』NHK-FM「朗読の世界」

野坂昭如さんの戦地を舞台にした、市民視線のドラマが放送される。この戦争が止まらない時世に、コロナ禍で制作された意義は大きいと感じる。

7/17〜8/25. 月から金21:1521:30放送。


「火垂るの墓」全6

7/17()7/21()7/24()

21:1521:30 朗読:松尾貴史

アニメ映画『火垂るの墓』の原作を朗読する。太平洋戦争末期、兵庫県神戸市〜西宮市近郊を舞台に、戦火の下で親を亡くした14歳の兄と4歳の妹が終戦前後の混乱の中を必死に生きようとするが、その思いも叶わず栄養失調で悲劇的な死を迎える。愛情と無情が交錯する中、蛍のように儚く消えた2つの命の悲しみと鎮魂を描く。1967年直木賞受賞作。

ーーーー

『戦争童話集』(中公文庫)は、どの作品も「昭和二十年、八月十五日」から始まっています。童話というファンタジーをまとっているため、その残虐性は緩和されていますが、その実、戦争の悲壮感は強く心に残ります。

鯨、オウム、象、狼、あぶら虫・・・。動物たちと人間のふれあいの中から戦争の悲劇、悲惨さ、虚しさ、愚かさが描かれているこの物語を、ウクライナ戦争未だ止まない七月後半から八月十五日の「終戦の日」に向けて放送します。(24回)

テキスト:「戦争童話集」中公文庫(2018年改版)

朗読:宮澤エマ 松尾貴史

月から金21:1521:30放送。


◎戦争童話集

『小さい潜水艦に恋をしたでかすぎるクジラの話』7/27()7/28()

『干からびた象と象使いの話』8/2()

『年老いた雌狼と女の子の話』8/8()8/9()

『ぼくの防空壕』8/14()8/15()

『馬と兵士』8/18()8/21()

『焼跡の、お菓子の木』8/24()8/25()


『戦争童話集』は以前に吉永小百合さんの朗読があった。吉永小百合さんが企画した作家・野坂昭如氏の戦争童話集 沖縄篇「ウミガメと少年」。


【公式サイト】

https://www.nhk.jp/p/roudokusekai/rs/YR96XR51MZ/

2023年7月16日 (日)

レヴィンソン&リンク劇場 『皮肉な終幕 』(海外文庫)

推理ドラマのクリエイター・コンビが贈る ミステリーの愉しさあふれる小説集。 

『刑事コロンボ』『ジェシカおばさんの事件簿』等の推理ドラマで世界を魅了した名コンビが、ミステリー黄金時代に発表した短編小説の数々。

郵便配達人が知った大事件の秘密を描くデビュー作「口笛吹いて働こう」を筆頭に、コロンボの原型となった殺人劇「愛しの死体」など、田舎町からショウビズ界まで、さまざまな舞台で展開される、多彩な犯罪物語や怪談といった、謎と興趣に富んだバラエティあふれる作品を収録。 

あざやかな筆致とひねりのきいた結末をお楽しみください。 


〈解説・小山 正〉


リチャード・レヴィンソ(1934-1987) 

ウィリアム・リンク(1933-2020) 

学生時代から親交を結び、2人でペンシルヴァニア大学在学中に短編「口笛吹いて働こう」でデビュー。 

小説の他、演劇、TV脚本を執筆。 

「刑事コロンボ」「ジェシカおばさんの事件簿」等、多数のドラマを製作し、エミー賞や3度のエドガー賞など多数の受賞歴を持つ。


レヴィンソン&リンク『皮肉な終幕』収録短篇「愛しい死体」

「愛しい死体」はいわゆる倒叙もので犯人の側から事件を描いて、罪の告発をから逃げ延びるまで謎解きに関する興味で牽引する犯罪小説。主人公のチャールズ・ロウが妻ヴィヴィアンの死体を見下ろしている場面からこの短篇は始まる。たった今、スカーフで彼が絞殺したばかりなのである。ロウは少しも慌てずに家を出て、タクシーで空港に向かう。途中で拾った女性・スーは彼の愛人である。スーにヴィヴィアンのなりすましをさせてアリバイを作るというのが彼の計画なので、実際よりも犯行時刻を遅く見せかけるというトリックである。計画は完璧で、ロウは休暇を満喫した後にニューヨークの自宅へと帰ってくる。

よれよれのレインコートを着た風采の上がらない警部が出てくるスチェーションとして楽しめる。


この短篇が書かれたのはコロンボ・シリーズの始まりよりもはるか前の1960年だから、残念ながらそれは実現しない。でも代わりに「これといって特徴のない小柄な男」と描写される四十五分署のフィッシャー警部補なる人物が、ロウの前に現れるのである。

作者リチャード・レヴィンソン&ウィリアム・リンクは〈刑事コロンボ〉〈ジェシカおばさんの事件簿〉などのミステリー・ドラマを数多く制作したことで知られる脚本家チームだ。「ミステリマガジン」などのバックナンバーを引っくり返してみればわかるのだが、彼らは脚本だけではなく小説執筆にも手を染めている。

Ellery Queen's Mystery Magazine195411月号に短篇が掲載され、作家デビューを果たしている。自身もコンビ作家であったエラリー・クイーンが二人の才能を見出したというのがおもしろい。

 そのデビュー作「口笛吹いて働こう」は郵便配達の男を視点人物とした犯罪小説。彼の職業に不満を持つ妻から悪口雑言を聞かされるために鬱憤が溜まる一方だが、それでも日々懸命に働き続けている。ある日のこと、彼が手紙を配達した家の女性が何者かに殺害されて、というお話である。推理の緻密さではなく、筋立てのおもしろさ、結末のひねりで読ませるタイプの短篇だが、灰色の眺めが一気に明るくなる落ちが皮肉で、たしかに才能の冴えを感じさせる。


『皮肉な終幕』はレヴィンソン&リンク作品を収めた日本独自編纂の短篇集である。解説は屈指の映像ミステリー研究者としても名高い小山正である。レヴィンソン&リンク入門として読めるのでこの解説は非常にいい。収録された10編は発表順に並べられており、巻末の「最後の台詞」は1962年の作品だ。1962年といえばドラマ〈刑事コロンボ〉の原型となる戯曲『殺人処方箋』が上梓された年で、それを元にしてTVムーヴィーが製作されることになる。以降に起きた人気の爆発については改めて書くまでもないだろう。つまりコロンボ前夜のレヴィンソン&リンクを収めた作品集。

 それぞれの分量はあまり多くないので、前情報なしで読んだほうが楽しめる短篇集だと思う。それでも書いてしまうが、小山解説によれば冒頭で紹介した「愛しい死体」こそは後のコロンボ・シリーズにつながる重要な意味を持った作品なのだという。フィッシャー警部補の立っている場所にコロンボ警部がいたら、という感想はやはり的を射ていたのだ。詳しくは書かないので、本篇を楽しんだあとで解説をどうぞ。

 10篇のうち半分が本邦初訳である。既存の訳がある短篇ではなんといっても「ジョーン・クラブ」がお薦め。名訳者・浅倉久志の手による作品だからである。浅倉の手がけた『ユーモア・スケッチ傑作展』を思わせる小品で、タイトルの意味がわかるとニヤリとさせられる。既出の作品では少年が遭遇したやるせない夏の日々を描いた「子どもの戯れ」と、老警官を主人公にしたことで寸劇の中に深みが出た「ある寒い冬の日に」がいい。初訳のお気に入りはなんといってもデビュー作である「口笛吹いて働こう」なのだが、悪夢を見ているような気分にさせられる「ジェシカって誰?」もいいな。


 実を言うと収録作の中には別のアンソロジーで私が狙っていたものもあるのだが、こうやって本としてまとめてもらったことは実にめでたい。「あのころのミステリマガジン」に掲載された短篇が好きだったオールド・ファンにはもちろんお薦め。若い才気の詰まった短篇集というのはやはりいいもので、読んでいると執筆の傍ら議論を重ねている二人の声が聞こえてくるようである。とてもチャーミングな短篇集だ。

(杉江松恋)


べそかきアルルカンの詩的日常

http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/

べそかきアルルカンの銀幕の向こうがわ

http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

『刑事コロンボ13の事件簿 黒衣のリハーサル』

『緋色の判決』

暴行事件を起こしたケニーの裁判での無罪判決が出た夜、殺害されたケニー。現場はケニーを弁護した弁護士のバックマンのオフィス。バックマンのアリバイと犯行動機の謎。友人との会食に着替えて参加したバックマンの上着に隠された秘密。


『失われた命』

何者かに犬の散歩中に轢き逃げされたトムリンスン医師。事故か殺人か?近所に住むヤンガーが飼っていた犬が車にひき殺された事件。視力の弱かったトムリンスン医師。


『ラモント大尉の撤退』

自殺に見せかけてラモント大尉を殺害した元部下のマニー。イラク戦争でラモント大尉が指揮した部隊の生き残りたちの証言。ラモント大尉の握っていた拳銃に残された指紋。


『運命の銃弾』

大統領の暗殺に失敗し近くにいた女性を射殺してしまったハマーシールド。出所の当日殺害されたハマーシールド。ハマーシールドに婚約者を殺害されたアッシュのアリバイを証言する女たち。女に寄生し生きてきたアッシュの本気の恋。


『父性の刃』

息子であるニールの婚約者ナンシー・クックを刺殺したマルヴィン。犯行当日息子がパーティーに行ったことでアリバイを作るマルヴィン。パーティーから途中で帰宅しアリバイのなくなったニール。発見された凶器から出てきた指紋。コロンボの罠。


『最期の一撃』

かつて自分が試合で負けたボクサーのウォッシュバーンを射殺したグラッソ。一緒にはしっていたスパーリングパートナーも撃つが死には至らず。緊張すると吸い出すタバコから発覚する犯行。


『黒衣のリハーサル』

自分を強請るレイ・マトスを射殺した女優キャシー。マトスを自分のストーカーとして殺害。マトスの部屋での細工。パパラッチのピグノッティからの強請り。マトスの家から出てくるキャシーの写真。ピグノッティも葬るキャシー。指紋の無いキャシーの写真に疑問を持つコロンボ。強請られた金に残された秘密。


『禁断の賭け』

殺害されたロサンゼルス市警の刑事チャーリー・ビヴァンス。第一発見者で同僚のメイスン・キンケイド。発見当時のキンケイドの行動。消えた凶器の拳銃。キンケイドが作っていた私書箱に隠された秘密。


『暗殺者のレクイエム』

夫の殺害を殺し屋のジャックに依頼したアリソン。犯行現場でジャックを殺害し強盗との相打ちを演出したアリソン。アリソンとジャックの会話を録音したと強請りをかけるジャックの妹の殺害。


『眠りの中の囁き』

警察のチャリティーイベントで催眠術をかけられたマクラミン刑事。かれが第一発見者になった殺人事件。マクラミンに催眠術をかけた催眠術師ウィットフィールドの妻の殺害事件。犯行時刻に妹といっしょにいたとのしょうげん。嘘発見器で証明された妹の証言の秘密。


『歪んだ調性』

ホテルで殺害された演奏者のエレイン・モリサキ。夫のアーサーとエレインの死で代役としてやってきた弟のニール。事件直前のアーサーの行動と証言。


『写真の告発』

夫の交通違反の写真に写っていた愛人。夫であるスコットを殺害したアイリス。遺失物を夫が密会に使用していたペントハウスに運ぶアイリス。スコットの愛人である赤毛の女に容疑をかけさせようとするが。凶器の拳銃を埋める場面を隣人に目撃されたアイリス。隣人の強請り。


『まちがえたコロンボ』

コロンボに逮捕され刑期を終えたマルド。自分が殺したはずの男が生きているとコロンボを連れ出すマルド。コロンボが男を見た直後に焼かれてしんだ男。無くなっていた傘の秘密。

2023年7月15日 (土)

森村誠一サスペンス「魔性の群像 刑事・森崎慎平」BSTBS 2023年7月15日昼13時から15時放送

小泉孝太郎主演。通り魔事件で妻を失った過去を背負いながら、粘り強く捜査に取り組む刑事・森崎慎平の活躍を描いた「魔性の群像 刑事・森崎慎平」シリーズ第1弾。

中学時代の恩師の変死現場に急行した森崎は、事故に間違いないと捜査員が結論を出しかけたが、小さなことにこだわり捜査を続ける。すると信じられない現実が浮かび上がる。共演は加藤剛、長山藍子ほか。

【ストーリー】

6年前に妻を亡くして、元検察官の義父・朝比奈(加藤剛)の家で暮らす警視庁捜査一課の刑事・森崎慎平(小泉孝太郎)。

その森崎の中学時代の恩師・本木雄一(小笠原良知)が変死体で発見された。死因は石油ストーブによる一酸化炭素中毒。刑事たちは「事故」との見方を強めるが、森崎には腑に落ちない点があった。動物アレルギーの本木の部屋に動物の毛が落ちていたのだ。さらに調べていくと、本木には消費者金融に多額の借金があった。

本木はある教え子の借金の連帯保証人になっていたらしく、森崎の旧友たち、特に当時の問題児ばかりを訪ね、金の無心をしていたこともわかった。森崎は親友の前原(田中壮太郎)からも事情を聞くが、本木からは連絡がなかったと言う。事件の臭いが色濃くなっていった矢先、本木の胃に残っていた睡眠薬が普段から彼が常用しているものと違う薬であることが判明した。そんな折、本木の教え子の一人・黒田(田中美央)が一酸化炭素中毒で死亡した

過去にも同じような中毒死亡があった新聞記事のコピーを、黒田の部屋で森崎は見つけた。

「水があふれそうになっているコップのように。それがなんらかのことで」


【出演】小泉孝太郎、長山藍子、田中壮太郎、加藤頼、小笠原良知、荒木真有美、田中美央、堀内正美、加藤剛 ほか


プロデューサー古賀伸雄

監督 中野昌宏

原作 森村誠一

脚本 石原武龍 宮崎健

2013年制作 俳優座/TBS

病院の治しかた スペシャル・BSテレ東

20201月に突如現れた新型コロナウィルスは、瞬く間に世界中に広がり、各地で深刻な医療崩壊を引き起こした。日本の地方病院である有原病院も例外ではない。院内クラスターへの恐れから一斉に「受診控え」が起こったのだ

院長・有原修平(小泉孝太郎)と事務長の倉嶋亮介(高嶋政伸)はまたも経営危機に頭を悩ませていた。しかし、そんな苦境を救ったのは、意外にも3年前に始めた小さな「有原みなみ病院」だったのだ。
当時の有原病院は、高齢の軽症患者が多く、まるで老人用の療養施設と化していた。医療点数の高いオペが激減し、収益が上がらずに慢性的な赤字体質に陥っていた。そこで一計を案じた修平は、地域初の退院支援・在宅医療支援の機能を持つ新病院を設立することを決断する。
資金難の中、そのアイデアはあまりに無謀で、当然ながら反対意見が続出したのだが、それが未来に「希望の光」を灯すことになる。何とかコロナ禍を乗り切った有原病院だったが、ひと息つく間もなく、次の災難が降りかかる。
政府が推進する「病院の再編統合」だ。同じ医療圏内に大規模病院の新設が発表され、小さな病院は潰れてもかまわないと強引な政策が進められる。修平は待ったをかけ、必死で抵抗するのだが


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【出演】小泉孝太郎、高嶋政伸、加藤シゲアキ、小西真奈美、稲葉友、浅田美代子、角野卓造

【脚本】山本むつみ
【監督】清弘誠
【音楽】羽毛田丈史
【プロデューサー】稲田秀樹(テレビ東京)志村彰(The icon)木村綾乃(The icon
【製作】テレビ東京 BSテレ東 The icon


https://www.tv-tokyo.co.jp/premiere8_drama/lineup/naoshikata_sp/

2023年7月15日BSテレ東 再放送

2023年7月14日 (金)

『思ひ出 抒情小曲集』 北原白秋

思ひ出

抒情小曲集

北原白秋


この小さき抒情小曲集をそのかみのあえかなりしわが母上と、愛弟 Tinka John に贈る。

Tonka John.

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わが生ひたち


…………時は逝く、何時しらず柔らかに影してぞゆく、

    時は逝く、赤き蒸汽の船腹の過ぎゆくごとく。

                    (過ぎし日第二十)



 時は過ぎた。さうして温かい苅麥のほめきに、赤い首の螢に、或は青いとんぼの眼に、黒猫の美くしい毛色に、謂れなき不可思議の愛着を寄せた私の幼年時代も何時の間にか慕はしい「思ひ出」の哀歡となつてゆく。

 捉へがたい感覺の記憶は今日もなほ私の心を苛だたしめ、恐れしめ、歎かしめ、苦しませる。この小さな抒情小曲集に歌はれた私の十五歳以前の Life はいかにも幼稚な柔順しい、然し飾氣のない、時としては淫婦の手を恐るゝ赤い石竹の花のやうに無智であつた。さうして驚き易い私の皮膚と靈はつねに螽斯

の薄い四肢のやうに新しい發見の前に喜び顫へた。兎に角私は感じた。さうして生れたまゝの水々しい五官の感觸が私にある「神秘」を傅へ、ある「懷疑」の萠芽を微かながらも泡立たせたことは事實である。さうしてまだ知らぬ人生の「秘密」を知らうとする幼年の本能は常に銀箔の光を放つ水面にかのついついと跳ねてゆく水すましの番ひにも震いたのである。

 尤も、私は過去追憶にのみ生きんとするものではない。私はまたこの現在の生活に不滿足な爲めに美くしい過ぎし日の世界に、懷かしい靈の避難所を見出さうとする弱い心からかういふ詩作にのみ耽つてゐるのでもない。「思ひ出」は私の藝術の半面である。私は同時に「邪宗門」の象徴詩を公にし、今はまた「東京景物詩」の製作にも從ふてゐる。從てその一面をのみ觀て、輕々にその傾向なり詩風なりを速斷せらるゝほど作者に取つて苦痛なことはない。如何なる人生の姿にも矛盾はある。影の形に添ふごとく、開き盡した牡丹花のかげに昨日の薄あかりのなほ顫へてやまぬやうに、現實に執する私の心は時として一碗の査古律に蒸し熱い郷土のにほひを嗅ぎ、幽かな芙藍の凋れにある日の未練を殘す。見果てぬ夢の歎きは目に見えぬ銀の鎖の微かに過去と現在とを繼いで慄くやうに、つねに忙たゞしい生活の耳元に啜り泣く。さはいへ此集の第三章に收めた「おもひで」二十篇の追憶體は寧ろ「邪宗門」以前の詩風であつた。まだ現實の痛苦にも思ひ到らず、ただ羅漫的な氣分の、何となき追憶に耽つたひとしきりの夢に過ぎなかつた。さりながら「生の芽生」及「Tonka John の悲哀」に輯めた新作の幾十篇には幼年を幼年として、自分の感覺に抵觸し得た現實の生そのものを拙ないながらも官能的に描き出さうと欲した。從つて用ゐた語彙なり手法なりもやはり現在風にして試みたのである。畢竟自叙傳として見て欲しい一種の感覺史なり性慾史なりに外ならぬ。實際私は過去を全く今の自分から遊離したものとして追慕するよりも、充實した現在生活の根底を更に力強く印象せしめんが爲に、兎に角過去といふわが第一の烙印を自分で力ある額の上に烙きつけようと欲したのである。とはいふものゝ、私はなほこの小さな詩集の限りある紙面に於て企畫した事の十分の一も描寫し得なかつたのを悲しむ。幼ない昔は兎に角秘密多き少年時代の感情生活はまだ/\複雜であり神經的である。私はなほ何らかの新らしい形式の上にその切ないほど怪しかつた感覺の負債が充分に償ひ得べき何らかの新らしい機會の來らんことを待つ。

「斷章」の六十一篇は「邪宗門」と同時代の小曲であつてその以後の新風ではない。それは恰度強い印象派の色彩のかげに微かなテレピン油の潤りのさまよふてゐるやうに彼の集のかげに今なほ見出されずして顫へてゐたものである。私はかの私の抒情の「歌」とゝもにこの「斷章」のやうな仄かな藝術品が「邪宗門」や「東京景物詩」やその他の異なつた象徴詩の間にも、なほ純なるわかき日の悲しみを頼りなく伴奏しつゝあつた事をせめて首肯して欲しいのである。

 私は兎に角、可憐なさうして手ごろの小さい抒情小曲集を、私のなつかしい人々の手に献げたいと思つて、なるべく自分に親しみの深い、穉い時代の「思ひ出」を茲に集めた。從て私の生ひたちなり、生れた郷土の特色なり、豫め多少は知つて戴く必要がある。


【青空文庫】

https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/files/2415_45802.html

「浅見光彦殺人事件」フジテレビ

「浅見光彦殺人事件」フジテレビ

ルポライターの浅見光彦が難事件を解決する浅見光彦シリーズ第53弾は、原作ファンの中で映像化は難しいといわれる『浅見光彦殺人事件』。

シリーズ第15弾『金沢殺人事件』から浅見光彦を演じてきた中村俊介さんにとって、最後の主演作となる。

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ヒロイン・寺沢詩織(上原多香子さん)の母・美咲(山下容莉枝さん)が病床の末、いまわの際に言い残した「思い出のトランプの本を守って」という言葉。広島の出張先で「思い出のトランプの本」の謎が解けたと電話してきた後、非業の死を遂げた詩織の父・大輔(遠山俊也さん)。そして詩織の元恋人までもが九州・柳川で「思い出のトランプの本」の謎を解く鍵を見つけたと詩織に手紙を出した後に殺されてしまう。

「思い出のトランプの本」に隠された秘密とは?さらに今回は数々の難事件を解決してきた浅見光彦が死んでしまう!? 衝撃のシーンが!! 

その後の驚きの結末は、原作ファンだけではなく、原作を知らない方もびっくりなラストシーン。


<出演者>

中村俊介

上原多香子

田中健

山下容莉枝

遠山俊也

真瀬樹里

小倉久寛

榎木孝明

伊東四朗

野際陽子

ほか

<スタッフ>

原作:内田康夫 「浅見光彦殺人事件」(角川文庫刊)

脚本:岡崎由紀子

編成企画:橋爪駿輝 加藤達也

プロデューサー:小林浩司(彩の会) 吉田紀子(  ) 金丸哲也(東映)

演出:柿沼竹生

音楽:渡辺俊幸

2018年フジテレビ


【中村俊介さんインタビュー】

「『浅見光彦殺人事件』。最後にふさわしいタイトルですよね、これは。意味深なタイトルですが、視聴者の皆様に、楽しんでもらえるような作品になっていると思います」

「今回のヒロイン、詩織さんの頑張りですよね。詩織役は上原多香子さんで、初めて共演させて頂いたのですが、彼女の頑張りがないと成立しない作品でしたし、大変難しい役を頑張って演じて下さっています。どの作品でもそうですが、ヒロインがいて、犯人がいて、いろんな場所に行ったりおなじみのシーンがあったり、つくづくこのシリーズは楽しいシリーズでしたね」

「単なるではなかったですね。一つの作品、役柄を16年も演じ続けられるというのはそうそう経験できることではないですし、これから先あるとは思えないです。ある意味、自分の分身であり、一言で言い表せない大事な存在でしたね。例えば違うドラマの中で、犯人役などをすると、浅見光彦はそんなことはしない!と視聴者の方からおしかりを受けることもあるぐらい、どこで何をやっていても浅見さんと声をかけて頂けてそれはうれしかったです。
また、浅見光彦で一番すごいと思うことは<ファンクラブ>があることです。架空の人物にに<ファンクラブ>があるということに驚きましたし、またその会員の皆さんに撮影に参加して頂くというスタイルもとても画期的だと思います。小説のキャラクターがここまで愛されるのはまさに原作の偉大さであり、その浅見光彦16年も演じさせて頂けたことに、とても感謝しています」

「今まで応援して下さった皆さん、本当にどうもありがとうございました。僕は今回で卒業ということになりますが、皆さんの心の中にいつまでも浅見光彦として残っていけたらとてもうれしく思います。この先、原作はまだまだたくさんありますので、おそらく、3代目浅見光彦が生まれるのではないかと期待しています。これからも浅見光彦シリーズを応援して頂ければうれしく思います。本当に長い間ありがとうございました」


ミステリードラマSP『浅見光彦シリーズ53 浅見光彦殺人事件』はBSフジテレビで、714日に再放送された。

内田康夫「伊香保殺人事件」

湯けむり香る町で浅見は

坊ちゃま、助けて。浅見家のお手伝い・須美子が殺人容疑で群馬の警察に連行された?

助けに行った浅見光彦は温泉町・伊香保の夫婦怪死事件に巻き込まれる。会社重役の夫は焼死、妻は崖下に転落死。

事件には日本舞踊の後継者争い、晩年をこの地で過ごした竹久夢二の謎までが絡み。傑作旅情ミステリーです。


浅見 光彦(あさみ みつひこ)は、内田康夫の推理小説浅見光彦シリーズに登場する架空の人物。主役として登場する素人探偵で、本業はフリーのルポライターである。


初登場は『後鳥羽伝説殺人事件』。モデルは当時内田を担当していた廣済堂出版(『後鳥羽伝説殺人事件』を最初に刊行した出版社)の編集者。


名家の次男坊で、ブルゾン姿でトヨタ・ソアラを乗り回すという「清潔かつスタイリッシュにしてフランク」が特徴。これは「変わり者でアナーキーかつ不潔」(金田一耕助など)や「背広姿でピシッとキマりすぎている社会人として完全無欠なインテリジェンス」(明智小五郎)といった従来の日本の探偵像と一線を画して人気を得る。また、「長身かつ甘いマスクの33歳で独身貴族」といった設定が女性層の人気をつかみ、彼の登場する浅見シリーズはレディースコミックなどにおいて漫画化されているものも多数見受けられる。



【浅見光彦の作品と役者】

TBS

国広富之

『ザ・サスペンス』「後鳥羽伝説殺人事件」(1982821日)

辰巳琢郎

『月曜ドラマスペシャル』「浅見光彦シリーズ」・初代(1994425 - 2000327日)全13

沢村一樹

『月曜ドラマスペシャル』⇒『月曜ミステリー劇場』⇒『月曜ゴールデン』「浅見光彦シリーズ」・2代目(200094 - 201293日)全18

『水曜劇場』「浅見光彦〜最終章〜」(20091021 - 20091216日)全9回。合計全27

速水もこみち

『月曜ゴールデン』「浅見光彦シリーズ」・3代目(2013225 - 2016328日)全4

平岡祐太

『月曜名作劇場』「新・浅見光彦シリーズ」・4代目(20171030 - 20191月までに5作。

〈テレビ朝日〉

篠田三郎

『土曜ワイド劇場』「小樽殺人事件」(19861011日)

日本テレビ

水谷豊

『火曜サスペンス劇場』「浅見光彦ミステリー」(198798 - 199073日)全8

高嶋政伸

『火曜サスペンス劇場』「貴賓室の怪人」(200225日)

〈フジテレビ〉

榎木孝明

角川映画「天河伝説殺人事件」(1991316日公開)

『金曜エンタテイメント』「浅見光彦シリーズ」・初代(1991316 - 2002412日)全14作。合計全15

中村俊介

『金曜エンタテイメント』⇒『金曜プレステージ』⇒『赤と黒のゲキジョー』⇒『金曜プレミアム』「浅見光彦シリーズ」・2代目(2003228 - 2018329日)全39作[5]

〈テレビ東京〉

岩田剛典

『月曜プレミア8』「内田康夫サスペンス 浅見光彦 軽井沢殺人事件」(2022228日)  

〈Wikipedia参照〉

2023年7月13日 (木)

コッポラ監督がデジタル修復&再編集した最終版『地獄の黙示録 ファイナル・カット』放送

映画『地獄の黙示録』は何度かテレビでも幾つかのバージョンが放送されているが、ファイナルカットの放送は数少ないので録画した。現実にあったベトナム戦争を舞台にして、重い主題を描こうとして、あまりにも過酷な制作現状に監督が、途方もない映画を見失ってしまった作品であった。

映画メディアは元々90分くらいの上映が、適したものであった。そこへ活劇とか色気とか、ハリウッド映画が盛り込んで2時間くらいの上映するのがスタンダードなエンタメとなってしまった。しかし3時間を超える映画は困難であり、無理がある結果となる。

だいたいが短編から中短編へ脚色したものが、スマートな映画製作である。長編小説は映像制作には向いていない。

そこへチャレンジしたい意気込みは、ほぼ敗北か苦戦して終わる。映像メディアは情報量が多い機能なのだけど、物語を詰め込むと情緖や心情が希薄な展開となってしまうようだ。そういった意味では『地獄の黙示録』は壮大な個人制作の実験映画に等しい。

映画の企画を読んだスピルバーグ監督が、16ミリフィルムで撮影をしたらと、ドキュメント映像への演出アプローチをしていたのは興味深い。


「さんざんお金を使った挙句に監督自身がテーマが分からなくなっただなんて、お前は馬鹿かと一瞬思ったが、よく考えてみるとコッポラは、それくらい難しいものに挑戦していたんだな。これは腹のでかい男だと思い直した」萩原健一


713日(木)[BSプレミアム]午後1:004:03

https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=39166


【原題】Apocalypse Now

【監督】フランシス・フォード・コッポラ

【キャスト】マーロン・ブランド、ロバート・デュヴァル、マーティン・シーン、フレデリック・フォレスト、サム・ボトムズ、ローレンス・フィッシュバーン、アルバート・ホール、ハリソン・フォード、デニス・ホッパー


【作品概要】フランシス・フォード・コッポラ監督が1979年に発表して、カンヌ国際映画祭のパルムドールを受賞した。

膨大な製作費や過酷な撮影環境、壮大なスケールの映像など数々の伝説を残した『地獄の黙示録』を、監督自身が望むかたちに再編集した最終版。

1979年のオリジナル版より30分長く、2001年に発表された特別完全版より20分短いバージョンで、IMAX上映に向けて新たにデジタル修復も施された。


脚本はジョン・ミリアスとフランシス・フォード・コッポラの共同制作。撮影はビットリオ・ストラーロ、美術はディーン・タボウラリス、編集はリチャード・マークスが務め、音楽はカーマイン・コッポラとフランシス・フォード・コッポラが務めた。


【あらすじ】

ベトナム戦争末期、アメリカに一時帰国をしていたアメリカ陸軍空挺将校のベンジャミン・L・ウィラード大尉は、妻と離婚して再びベトナムへと戻ってきた。


サイゴンのホテルで指令を待っていたウィラードは情報司令部から呼び出される。司令部に行くと司令部のコーマン将軍と副官のルーカス大佐から任務を受ける。


その任務は元グリーンベレー隊長のウォルター・E・カーツ大佐の暗殺指令。カーツはかつては優秀な軍人だったが、ダブルスパイをしていたベトナム人4名を殺害した罪に問われ、軍部の命令を無視した挙句にカンボジアのジャングルに逃げて、王国を築き現地人から神として崇められていると聞かされる。


ウィラードは正気を失ったカーツを暗殺するために、海軍の河川哨戒艇でヌン川を上り、カーツの王国へ向かうよう命じられる。


ウィラードは作戦の目的を告げることなく、哨戒艇のメンバーであるジョージ・チーフ・フィリップス、元プロサーファーのランス・B・ジョンソン、ソース作りの修業をしていたジェイ・シェフ・ニックス、若兵のタイロン・クリーン・ミラーの四人とともにカンボジア国境付近へと向かう。


危険地帯を通過するため、ウィラード一行は空の騎兵隊と呼ばれているビル・キルゴア中佐に護衛を頼む。サーフィン好きであるキルゴアは一行の中にランスがいると、ヌン川の下流には良い波があるのを知り、依頼を受ける。


そしてサーフィンをするために、ベトコンの基地を襲撃する。大量のミサイルと銃弾、ナパームによる空爆で一方的な虐殺を行い、その狂気を目の当たりにしたランスとウィラードはキルゴアのサーフボードを盗んで逃げる。


一行はキルゴアに追跡されつつも、隠れながら川を上流していく。途中で米軍の関所に燃料を補給する為立ち寄ると、今夜ショーがあるから見ないかと誘われる。そのショーではプレイボーイによる慰安活動が行われた。

ショーに興奮した軍人たちが暴れて舞台に上がり、収集がつかなくなる前にショーは中断される。


その後に再び川を上流していくと、ベトナム人の船を発見する。ウィラードは放っておけというが、仕事に忠実なチーフは停船検査を始める。検査中にベトナム人女性が壺を隠そうと、抵抗したことに危険を感じたクリーンは船に乗っていたベトナム人全員を撃ち殺してしまう。

その壺に入っていたのは仔犬だった。チーフは虫の息のベトナム人女性を手当てをして、船に乗せようとするが、その偽善に嫌気が差していたウィラードは女性を撃ち殺してしまう。


川を進んでいくと、ド・ラン橋の米軍関所にたどり着く。そこで再び燃料を補給するためウィラードとランスは立ち寄る。だが指揮官不在の米軍兵士とベトコンとの戦闘が繰り広げられて、一行はなんとか補給を済ませて先へ進んだ。

ド・ラン橋を超えた先で敵襲に遭う。そこで母からのテープレターを聞いていたクリーンは銃で撃たれ死んでしまう。四人はクリーンの死を嘆きながらも先へ進む。

濃い霧の中で、先へ進むとフレンチ・プランテーションを営んでいるユベール・ド・マレに出会う。彼らはそこで農園を営んでいてベトコンから家族と土地を守って戦っていた。一行はクリーンの埋葬をしてもらい、ユベール一家と一夜を共にする。


第一次インドシナ戦争を経験しているユベールは「私たちは負け続けてきた。だからここでは勝つ。私たちは農園を守るために戦っているのにアメリカは何のために戦っているんだ。」といい、ベトナム戦争の原因はアメリカにあるとウィラードを責める。


農園を離れて先を進むと、カーツのいる王国が目前で原住民の襲撃に遭い、投げられた槍がチーフに当たり、ウィラードを睨みつけながら息を引き取った。


進むしかないとシェフが船を運転して、遂に三人はカーツのいる王国へと辿り着いた。王国ではアメリカ人報道写真家が出迎えてくれた。

カーツ大佐は仲間を引き連れて、ジャングルの奥地へ入っていったという。ここまできて帰るわけにいかないウィラードはカーツが王国に帰ってくるまで待つと決める。


一旦船に戻ったウィラードはシェフに「22時までに戻らなければ爆撃を要請してくれ」と頼み、王国内で待つ。そしてカーツが戻ってきて襲撃される。カーツはウィラードが暗殺するために来たと見抜いてウィラードを拘束する。


ウィラードが目覚めると、カーツはシェフの生首をウィラードの足の上におき叫けんだ。拘束を解き、自由になったウィラードはカーツを殺そうとするが、行動するに至らない。

自分自身が目の当たりにした地獄を語り、「地獄を知らないものに私を殺す資格はない」と告げ、息子に真実を全て伝えて欲しいと頼んだ。そして「必要な軍事行動は果断に、無慈悲に、怯むことなくやりとげなければならない」と告げる。

ウィラードはカーツが裏切り者ではなく、誇り高い軍人としての死を望んでいることを悟り、カーツ暗殺を決意する。そして原住民の儀式の日にウィラードはカーツを暗殺して、カーツは抵抗なく受け入れる。

そしてウィラードはカーツの手記を持ち、ランスと共に船に乗り川を下り、軍からの連絡が無線に入るが、応答することなく進んでいく。


2019 ZOETROPE CORP. ALL RIGHTS RESERVED.


The Doors 「ジ・エンド」

https://youtu.be/d3RJq4yT0Bs


個人的には『ワン・フロム・ザ・ハート』(One from the Heart)が、好きな映画ですね。

アナザーストーリーズ YMO 時代を超えた革命児たち [総合] 7月14日(金) 午後10:00 ~ 10:45(予定)

70年代、テクノブームを巻き起こし社会現象となったYMO。ジャパン・アズ・ナンバーワンの時代、日本発の音楽で世界を席けんした3人の天才による伝説の革命に迫る!

今年、高橋幸宏、坂本龍一のふたりが相次いで亡くなったYMO、イエロー・マジック・オーケストラ。細野晴臣の呼びかけで3人の天才が最新テクノロジーを使い、世界に向けて新たな音楽を発信しようと結成された。ジャパン・アズ・ナンバーワンと呼ばれた時代、先に世界でヒットし日本に逆輸入、テクノブームという社会現象を巻き起こした。3人の出会いが生んだ伝説のバンドの秘密を4人目のYMOほか関係者が解き明かす。


【司会】松嶋菜々子

【語り】濱田岳


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アナザーストーリーズ 運命の分岐点

放送

[総合] 金曜 よる10:00

再放送

[総合] 火曜 深夜11:50

https://www.nhk.jp/p/anotherstories/ts/VWRZ1WWNYP/

2023年7月12日 (水)

十津川警部シリーズ5「会津高原殺人事件」

2023/7/12()BSTBS午前9:59~ひる12:00

お馴染み十津川警部と亀井刑事が、初夏の会津高原を舞台に難事件に挑む

十津川警部シリーズ5「会津高原殺人事件」

◆キャスト

渡瀬恒彦十津川警部

中村あずさ橋本ひろ子

阿部寛高沢明(カメラマン)

湯江健幸日下警部

小野武彦矢田部刑事

鹿内孝夏川龍一郎(代議士)

佳那晃子青木怜子(精神科医)

伊東四朗亀井刑事

出光元大林厳三

鶴田忍堂本編集長

山村紅葉桂まゆみ

小沢象  ほか


東京上野で保護された記憶喪失の男の衣服には、夥しい血痕が付着していた。殺人事件に絡んでいると直観した十津川の詰問に、男は高沢明と名乗る事しか出来ない。一方、会津で高沢あきらという女性の他殺死体が発見され、明の衣服の血痕と彼女の血液型が一致した。十津川は、2つの関連事件が作為的ではという疑惑を抱く。十津川が明を潔白であると思い始めた矢先、明の元恋人・橋本ひろ子が現れた。明はひろ子と面会するが、記憶は戻らない。翌日、源氏名・高沢あきらこと、原田あかりの勤務していたクラブが判った。明はあかりが勤めるクラブの常連で、2人は出会ってすぐに意気投合し恋人関係になったと言う。

一方、明とあかりのマンションが判明するが、両方のマンションは何者かによって家財が取り払われたあと。数日後、十津川は捜査線上に浮かんだ代議士・夏川の調査を亀井に依頼する。そんな時、明が精神病院から脱走した。十津川は、同行を嘆願するひろ子を伴い、ある確信をもって会津にむかった。が、調査を続ける中、高沢明の名刺を所持した新聞記者と刑事が殺害されてしまった。 


◆スタッフ

プロデューサー

森下和清、樋口祐三、成合由香

監督 脇田時三

原作 西村京太郎

脚本 長坂秀佳

テレパック/TBS 1994


🔲 阿部寛がまだ演技が上手くなりつつあるかどうかの年代、記憶喪失者のカメラマンを演じている。

明、あきら、あかり、と紛らわしい名前が次々に登場してくる。

2023年7月11日 (火)

横山秀夫サスペンス「逆転の夏」BS TBS

2023/7/11(火)午前9:59~ひる12:00

不運にも殺人を犯してしまった男が、1本の電話によって再び迷い込む心の闇を描く

横山秀夫サスペンス「逆転の夏」

清掃サービス会社に勤める山本洋司は、かつては将来を嘱望されたエリート証券マンで、愛する妻・静江と幸せな家庭を築いていた。が、13年前、誘惑に負けて関係を持ってしまった女子高生から恐喝され、過って殺人を犯してしまった。事件直後に出産した静江とは服役中に離婚が成立、刑期を終え出所した山本は、罪の意識に苛まれながら地道に働いている。父親の友人を名乗り、身元引受人となってくれた及川を通じ、静江と息子へ仕送りする事だけが唯一の生きがいとなっていた。そんな山本のもとに、謎の男から「ある人物を殺して欲しい」と電話が入り、銀行口座には前金と称した大金が振り込まれる。自分と同じように騙されて援助交際したために恐喝されているという男の依頼を、初めは拒絶するものの、電話や送金は繰り返され、山本の心を激しく動揺させる。そんな中、仕事のミスをきっかけに過去の秘密が職場で公となり追いつめられた山本は、苦労をかけてしまった静江と息子を楽させたい一心で、徐々に誘惑へと駆られていく。

◆キャスト

佐藤浩市→山本洋司(元殺人犯)

床嶋佳子→酒井静江(山本の元妻)

伊東四朗→及川典雄(山本の身元引受人)

寺田農→串間義夫

鷲尾真知子→串間節子(山本に娘を殺害された両親)

近藤芳正→野崎道雄

斉藤陽一郎→堀口健太

池端絵美子/小池祥絵/河西健司/浜田晃/江良潤/山田百貴/斎藤あきら/吉田ばんせい/辻本晃良/永森英二/松原末成/藤田清二/牟田晧二/川口美博/大野けいこ/佐藤允美/武藤令子/篠崎理恵 ほか

◆スタッフ

原作:横山秀夫「逆転の夏(「動機」より)」(文藝春秋刊)

脚本:久松真一 監督:榎戸耕史

🔲 キャスティングが素晴らしく、切ないドラマへ説得力をあたえているように感じた。なかでも伊藤四郎さんの役作りが、正体がバレても一貫して見事であった。エンディング崖が舞台にならなくても、ミステリードラマは盛り上がることもある。

あと過去にあった回想シーンの誤った殺害だけ以外は、人が殺されてしまう場面がなかったのは救いでした。佐藤浩市さんが若くて、最後まで痛々しい演技をフル回転でありました。

日本は「ひとつではない」とはどういうことか。

「古代社会は統一された『ひと色の文化』のなかにあったのだろうかと疑問を抱く。そして『日本』がひとつではないことを描き出していった」と、「日本はひとつではない」という指摘を掘り下げている。

日本人が見落としてきた「庶民の歴史」の大きな意味。

https://share.smartnews.com/XZYVc

2023年7月10日 (月)

『誰知らぬ殺意』夏樹静子 ミステリー短編傑作集(光文社文庫)

秘密の愛に彷徨う女たちが最後にとった驚愕の行動―ミステリー界に大きな足跡を残した著者の魅力溢れる傑作短編集。

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「破滅が忍びこむ」密会現場から偶然、飛び降り事故を目撃した有名人の女医に忍んでくる恐怖。

同時刻に大学生である娘の車が、何者かによって盗まれて、事故を起こしたという。

自殺と思えた目撃を証言してほしいと、死んだ女の恋人の妹と名のる電話が何度もかかってくるのだった。そして女医はテレビに出演してることから、事故現場の階上から見られていたというのだ。 

「破滅が忍びこむ」密会現場から偶然、飛び降り事故を目撃した有名人の女医に忍んでくる恐怖。

同時刻に大学生である娘の車が、何者かによって盗まれて、事故を起こしたという。

自殺と思えた目撃を証言してほしいと、死んだ女の恋人の妹と名のる電話が何度もかかってくるのだった。そして女医はテレビに出演してることから、事故現場の階上から見られていたというのだ。 


「ベビー・ホテル」子どもをベビーホテルに預けた主婦が、自分の時間を手にしていく。

やがて若い不倫の相手と密会中に、子どもが行方不明になる。悪夢のような午後、さらに夫が予定より早く帰宅してしまうのだった。


「燃えがらの証」 雑誌記者・滝子には人形師の篠沢芳春という年下の恋人がいた。滝子は篠沢を日本一の人形師にしたかった。しかし肝心の篠沢は、重役夫人の佳江と不倫の関係を続けていた。ある日、佳江が殺されて、篠沢に疑いがかかる。現場には彫像展の案内状があり、篠沢の作品が展示内容に記されていたのであった。

歳上の人妻を選んだ篠沢の裏切りには、滝子はがく然とするが、自ら破滅する殺人を犯すはずはない、あってはならないと思うのであった。容疑者の篠沢は依然として行方不明になってる。


「二度とできない」三角関係が生んだ殺人計画と、もうひとつの未遂事件。良子は愛人の中井章に夫・敬三の殺人を依頼する。

綿密に練ったその日、中井の旅行中に敬三が背後から襲われる計画の行方は? 犯人サイドからドラマは描かれている。


「あちら側の人」公園で凍死して事故とされたが、彼の妻は多額の生命保険をかけていたのだった。夫には弟がいて兄の死には疑問があると、主人公の由美子は何度か相談受ける。やはり事故死ではない可能性が高くなっている。二重三重にも疑惑は進展して、由美子は巻き込まれていく。


「滑走路灯」愛人と会ったあと、出会った昔の恋人。妻殺しを告白する男のアリバイ作りに荷担してしまう。やがて愛した男のアリバイ成立を阻止しようと、女が空港で取った行動が緊張感に満ちている。


「誰知らぬ殺意」二十九歳の桐子は、求婚してきた吉森と萩の温泉に来ていた。だがその夜、桐子は宿を抜け出し別の温泉宿へと向かう。そこで待っていたのは過去五年間、秘密の関係を続けてきた妻帯者の湖島だった。桐子の胸に秘められた、ある決意とは


ミステリードラマになりそうな不倫の話が並んで、実際にテレビ番組になった原作小説がほとんどである。


夏樹静子

東京生まれ。慶應義塾大学英文科卒業。大学在学中に『すれ違った死』が江戸川乱歩賞候補になる。1970年『天使が消えていく』が再び江戸川乱歩賞候補。’73年『蒸発』で第26回日本推理作家協会賞受賞。2006年には第10回日本ミステリー文学大賞を受賞した。2016年没。

「夏樹静子サスペンス 揺らぐ灯」TBS

夏樹静子原作。高橋由美子演じる雑誌編集者の星実が、苦い思い出のある故郷・熱海で殺人事件に巻き込まれるサスペンスドラマ。星実を見守る婚約者・徹を船越英一郎が好演。そのほか、5年前に星実が故郷を出るきっかけになった事件を起こした星実の父親・憲三として近藤正臣が出演するなど、実力派の俳優たちが顔を揃えた。2003年作品。


【ストーリー】
雑誌記者の星実(高橋由美子)は5年前に父親・憲三(近藤正臣)が起こした事件をきっかけに当時の婚約が破談になって以来、故郷の熱海を離れていた。しかし今、彼女は徹(船越英一郎)という愛する婚約者を得て、彼とともに再び熱海に帰る決意を固めていた。休暇中に徹と熱海へ訪れた星実は、ホテルでエステティックサロン美麗の社長・滝井和佳子(新藤恵美)を見つけ、彼女を追いかける。熱海に来る直前、星実は滝井社長の依頼でエステティックサロンの広告を雑誌に載せたのだが、詐欺まがいの勧誘をされたなどと読者から編集部に抗議が殺到していた。星実はこの件について滝井社長を問いただすが、彼女はしらを切って逃げてしまう。翌朝、熱海の七半岸壁に滝井和佳子の死体があがった。警察の調べで、滝井社長は熱海で弟・小野寺志郎(モロ師岡)からの金の無心を断っていたことが明らかになる。警察に疑われた小野寺は、自分のほかにも姉と揉めていた女性がいたと星実の存在を示唆。また、徹も滝井社長と7年前に関わりがあったことが分かる。一方、星実はずっと許せなかった父・憲三の行方を訪ね歩いていたが


【出演】高橋由美子、近藤正臣、船越英一郎、喜多嶋舞、三浦浩一 ほか

2003年 東阪企画

【プロデューサー】堀貞雄、高橋喜久雄

【監督】廣瀬襄

【原作】夏樹静子

【脚本】洞澤美恵子

https://bs.tbs.co.jp/drama/yuraguhi/

🔲 意外な崖っぷちに立たされる主人公。信じていた人が主犯だったとは。犯人を演じてた近藤正臣さんが痛ましい。

2023年7月 9日 (日)

「カエルが鳴きだした日」

 気象庁が統一した基準で生物季節観測を始めたのは1953年のこと(厳密には気象庁誕生の3年前。当時は「中央気象台」と呼ばれた)。当時の観測指針を見ると、「桜の開花日」や「セミが初めて鳴いた日」「カエルが鳴きだした日」といった、動植物や昆虫の変化に加え、「夏服や冬服を着始めた日」や「こたつをしまった日」など、いったいどうやって調査したのか気になる事象も「生活季節」として観測している。

 気象庁の観測の対象は幅広く、一度でも観測したものを含めると約120項目に及ぶ。だが、同庁は21年、動物や昆虫の観測を全面的に取りやめ、対象を桜やアジサイ、イチョウなど6種類の植物に限定した。観測地点にしていた各地の気象台周辺で都市化が進み、対象の動物や昆虫などを見つけることが困難になったためだ。

 桜の開花日や、カエルが鳴き始めた日などは、暮らしの中でどのように使われてきたのだろう。国立環境研究所の辻本翔平・特別研究員によると、例えば、花が開き始めるのが早い年は、農作物の実りが悪くなるといった予測が立つ。受粉を助ける昆虫がまだ活動を始めないうちに咲き終えてしまう可能性があるためだ。「生き物の関係が崩れれば、われわれの生活にも影響する」と指摘した上で、「温暖化など、気候変動の影響が見え始めている今だからこそ、観測に大きな意味がある」と強調した。

【時事通信】

2023年7月 8日 (土)

土曜プレミアム「ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ」

フジテレビ系 2023年7月8日(土)21:00~23:10

厳しい全国一大オーディションを勝ち上がってきた総勢およそ60組が出場!その中から優勝の栄冠を勝ち取るのは一体誰だ?

<出演者>

石橋貴明 / アンタッチャブル

満島ひかり / 山田裕貴 / みちょぱ

ラパルフェ都留 / 博多華丸 / スパローズ森田 / スカチャン / スクールゾーン俵山 / MORIYAMA / 中村愛 / 河口こうへい / モリタク! / MAB / レイザーラモンRG / みほとけ / ダークホース山出 / 中垣みな / みる香 ほか

『アナザーストーリーズ YMO 時代を超えた革命児たち』

■『アナザーストーリーズ YMO 時代を超えた革命児たち』
NHK総合 2023年7月14日(金)午後10:00 ~ 午後10:45 (45分)

今年、高橋幸宏、坂本龍一のふたりが相次いで亡くなったYMO、イエロー・マジック・オーケストラ。細野晴臣の呼びかけで3人の天才が最新テクノロジーを使い、世界に向けて新たな音楽を発信しようと結成された。ジャパン・アズ・ナンバーワンと呼ばれた時代、先に世界でヒットし日本に逆輸入、テクノブームという社会現象を巻き起こした。3人の出会いが生んだ伝説のバンドの秘密を“4人目のYMO”ほか関係者が解き明かす。

【司会】松嶋菜々子,【語り】濱田岳

番組ページ
https://www.nhk.jp/p/anotherstories/ts/VWRZ1WWNYP/

2023年7月 7日 (金)

連続テレビ小説『らんまん』総集編(前編) <7月8日(土)午後4:35~ 総合>

4月の放送開始から3か月。第1週から第13週までのストーリーを振り返る総集編前編をお届けします。朝ドラ108作目『らんまん』は高知県出身の植物学者・牧野富太郎さんの人生をモデルとしたオリジナルストーリーで、主人公・槙野万太郎を神木隆之介さん、その妻・寿恵子を浜辺美波さんが演じています。

 

これまでの『らんまん』はこちらから

https://www2.nhk.or.jp/archives/movies/?id=D0009051549_00000

 

現在放送中の第14週では、万太郎と寿恵子の十徳長屋での新婚生活が始まりました。第1週で描かれた幼い万太郎がすっかり大人になりましたね。これまでもさまざまな出来事があった万太郎。第13週の万太郎と寿恵子の祝言、タキ(松坂慶子)との別れまで、ぜひ総集編前編で物語を振り返ってみてください♪ もちろん物語を見逃した方もまだ間に合います! この機会に動画&インタビューもあわせてご覧ください。 

 

<動画&インタビューで名シーンをプレーバック>

槙野万太郎役:神木隆之介さん

https://www2.nhk.or.jp/archives/articles/?id=D0009123148_00000

西村寿恵子役:浜辺美波さん

https://www2.nhk.or.jp/archives/articles/?id=D0009123164_00000

槙野綾役:佐久間由衣さん

https://www2.nhk.or.jp/archives/articles/?id=D0009123216_00000

幸吉役:笠松将さん

https://www2.nhk.or.jp/archives/articles/?id=D0009123184_00000

楠野喜江役:島崎和歌子さん

https://www2.nhk.or.jp/archives/articles/?id=D0009123179_00000

田邊彰久役:要潤さん

https://www2.nhk.or.jp/archives/articles/?id=D0009123232_00000

大畑イチ役:鶴田真由さん

https://www2.nhk.or.jp/archives/articles/?id=D0009123224_00000

2023年7月 5日 (水)

『グレーテルのかまど エリック・サティの白いお菓子』NHK Eテレ

『グレーテルのかまど エリック・サティの白いお菓子』

初回:NHK Eテレ 202373

再放送:NHK Eテレ 202377日(金)午後1:05 ~ 午後1:30 (25)

再放送:NHK総合 2023712日(水)午前11:05 ~ 午前11:30 (25)


『干からびた胎児』『嫌がらせ』

19世紀から20世紀にかけ花開いたベルエポックのフランスで活躍した作曲家、エリック・サティの作品タイトルです。斬新な曲を次々と生み出し、「奇人変人」と呼ばれた彼は、私生活も風変り。へのこだわりが強く、白い食べ物を好みました。どうしてそんなに白が好きだったのか。作品に結実するサティの切なる思いに迫るべく、ヘンゼルも白づくしのスイーツ作りに挑戦!


【声】キムラ緑子,【出演】瀬戸康史


NHKプラス 見逃し配信

配信期限 :7/10(午後10:24 まで

https://plus.nhk.jp/watch/st/e1_2023070316073


番組ページ

https://www.nhk.jp/p/kamado/ts/VNWVWYKX3Q/

2023年7月 4日 (火)

後光がさす!

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2023年7月 3日 (月)

『配達される女』逢坂剛

御茶ノ水署の迷コンビが恋に事件に大奔走!

斉木と梢田のもとに、とんでもなく優秀な堅物女刑事が配属された。3人の前に巻き起こる奇妙な事件の数々。人気ユーモアミステリシリーズ第2!(解説・池上冬樹)


内容(「BOOK」データベースより)

御茶の水署・生活安全課保安二係の斉木係長とヒラ刑事の梢田は、飲食店視察の名目でタダ酒にありつくような、お調子者コンビ。そんな二人のもとに、堅物刑事・五本松小百合が配属される。女で、しかも階級が上の後輩に頭が上がらない梢田。一方、斉木は町で見かけた、派手な厚化粧の女に恋心を募らせていくが―。お茶の水界隈で繰り広げられる、恋と事件の大迷走。人気ミステリシリーズ第二弾。


著者略歴 

逢坂剛

1943年東京生れ。80年「暗殺者グラナダに死す」でオール読物推理小説新人賞を受賞。87年「カディスの赤い星」で直木賞、日本推理作家協会賞をダブル受賞。


原作小説はユーモラスで軽妙なタッチなのに、テレビ二時間ドラマのほうは、切ない展開となっている。

 


ザ・ミステリー『神楽坂署 生活安全課』字幕放送

BSテレ東202373() 1256分~1456分再放送

情に厚い正義漢、神楽坂署生活安全課の班長・高岡英治(エイジ)。妻を亡くし、祖父母のもとに一人娘の洋子がいる。女房役の戸川六輔(ロク)とは幼稚園からの幼なじみで、迷コンビで市民の安全を守っている。

ある日、犬泥棒を取り調べるうちに、源田丈司という男がボウガンで殺されているという情報を得たエイジたち。さらに源田の知り合いの渋谷もボウガンで殺される。

あまりにはっきりと残された指紋と靴跡の意味に疑問を感じるエイジ。そして浮かび上がる過去

警視庁捜査一課、所轄の刑事課に邪険に扱われながらも、生活安全課の迷コンビが事件解決に挑む!


【出演者】

 高岡英治舘ひろし

 伍代茜南野陽子

 戸川六輔モト冬樹

 立花明古本新乃輔

 永江昇一郎金児憲史

 源田丈司鶴田忍

 渋谷美代治乱一世

 青野泰三新藤栄作

 千葉木村栄

 高岡洋子通山愛里

 吉川和男鹿内孝

 中村隆志誠直也

 横山正義清水章吾

 立花弘子中山忍

 石上賢ガッツ石松


【原作】逢坂剛『配達される女』(集英社)

【脚本】大野武雄

【監督】村田忍

2023年7月 2日 (日)

テリー伊藤の死にたくないテレビ #3:7月2日(日)21:00~21:54放送

テリー伊藤いわく、「何故死にたくないのか? それは、いつまでも恋していたいから


いくつになっても恋がしたい!そんなシニアのを応援する番組をテリー伊藤が企画・演出・出演。


BS日テレ72日(日)21:00~放送

女性芸能人がいつまでも忘れられない初恋の思い出を披露。その初恋の男性とデートが実現!?現れたのは意外な大物!当時伝えられなかった想いを「告白」する!
さらに、ドン小西が別れた妻への一途な想いを妻本人に告白する。
果たして、その結果は


MC:テリー伊藤
出演:麻丘めぐみ、瞳みのる、ドン小西


麻丘めぐみ(あさおか・めぐみ)/1955年、大分県生まれ。大阪府出身。3歳で初舞台を踏む。モデルを経て、72年に「芽ばえ」で歌手デビューし、レコード大賞最優秀新人賞に輝く。翌年の「わたしの彼は左きき」が大ヒット。結婚を機に引退したが、83年に復帰。女優として活躍し、2000年から演劇集団「シアタードリームズ・カンパニー」を主宰

2023年7月 1日 (土)

「世界のサカモト」坂本龍一さんの偉大な功績を振り返るNHK特番7・6放送 役所広司がナレーション

音楽家・坂本龍一さん(享年71)の軌跡をたどる特番『NHK MUSIC SPECIAL 坂本龍一 芸術は長く、人生は短し』NHK総合で7月6日(後10:00)放送。

 ソロ、YMO、映画音楽やプロデュース、俳優活動など、さまざまなジャンルで活躍され、「世界のサカモト」として国内外に音楽を届け魅了してきた。

亡くなってから3ヶ月経った今も、功績を称える声が絶えない創造世界を、NHKのアーカイブスをはじめ、貴重な映像の数々で振り返る。各時代のパフォーマンスや、番組出演時の肉声をまじえ、偉大な功績を放送。

番組のナレーションは、坂本さんとかねてから親交のあった俳優・役所広司が担当する。

◎2時間ドラマの断崖絶壁◎2時間ドラマの断崖絶壁

ドラマ終盤に犯人と推理が明かされるのに、「断崖絶壁」へ登場人物が集まるシーン。

2時間ドラマでは恐怖や不安を一緒に、体験した感情を持ちやすくする心理効果が演出される。「断崖絶壁」と恐怖や不安が、ドラマの緊迫感を高める効果がある。

海には波が動くので背景に変化があり、犯人も追い詰められてしまい、断崖絶壁が適している。

ドラマのエンディングとして室内で終わっては華がなく、大団円で集合して名所旧跡で終わるなどで盛り上がる。

これが二時間ドラマで使用されて、断崖絶壁は多様な演出がされている。

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