『笑う警察』佐々木譲(ハルキ文庫)とテレビドラマ
『笑う警察』佐々木譲(ハルキ文庫)
札幌市内のアパートで、女性の変死体が発見された。遺体の女性は北海道警察本部生活安全部の水村朝美巡査と判明。容疑者となった交際相手は、同じ本部に所属する津久井巡査部長だった。やがて津久井に対する射殺命令がでてしまう。捜査から外された所轄署の佐伯警部補は、かつて、おとり捜査で組んだことのある津久井の潔白を証明するために有志たちとともに、極秘裡に捜査を始めたのだったが…。北海道道警を舞台に描く警察小説の金字塔、「うたう警官」の文庫化。(「BOOK」データベースより)
北海道警察内で2つの事件が起きる。1つは盗品売買・関税法違反事件で、容疑者を逮捕した。もうひとつは女性殺害事件で、町田警部補らが出動する。いずれの事件も道警本部扱いになってしまう。
女性殺害事件の方は、被害者が現役の女性警官で、殺害場所は警察が借り上げている秘密のアジトだった。
犯行現場から逃走したのは、現役の津久井卓巡査部長とされる。本部は拳銃を所持しているため、「射殺もやむなし」との通達をだして、姿をくらました津久井の包囲網ができる。
被害者・水村朝美は23歳。道警本部生活安全課に勤務していて、津久井と恋仲であった。被疑者・津久井巡査部長は、おとり捜査で佐伯宏一警部補とコンビを組んだことから、津久井は犯人ではないという佐伯の直感があった。
津久井から佐伯の携帯に連絡が入り「やっていない」という。津久井は明日開催される道議会に招聘されて、北海道警察の内情について、答えなければならない。本部の裏金マニュアルの存在は、マスコミで報じられて、本部としては隠しとおさなければならない。
どんなことをしても北海道警察本部は、津久井の口を封じなければならなかった。必死で津久井を追い、佐伯は津久井を守り、道議会・百条委員会に出席させたいと思う。その日は明日に迫って、津久井を守るためメンバーを集めた。小島百合、佐伯の部下の新宮と植村、初動捜査にあたった町田警部補たちが、プロジェクトメンバーとなる。
警察内部の腐敗を証言させまいとする本部。仲間を無実から守ろうとする仲間たち。壮絶な闘いがはじまる。残された時間はわずか。スリリングな知恵くらべが展開される。
〈テレビドラマ化〉
財前直見主演。直木賞作家・佐々木譲の人気小説「道警シリーズ」をドラマ化した「北海道警察」の第2弾。警察組織の暗部と戦うため、財前演じる北海道警察大通署生活安全課の小島百合巡査部長が奔走する。
ある警官が殺された。そしてその容疑者として名前が挙がったのは、北海道道議会が設置した百条委員会に現役警察官の証人として出席する予定の津久井(池田政則)だった。同期の津久井に頼られた百合は上司や本部の目を盗みながら一連の事件の真相を追う。津久井にかけられた濡れ衣を晴らし道警の闇を白日の下に晒すことはできるのか!?
共演は鈴木一真、松本莉緒、川崎麻世、松尾貴史、高田純次ほか。
「北海道警察」2、笑う警察
ある日、北海道警察大通署管内のマンションで爆発事故が発生した。被害者は道警本部の女性巡査。現場に急行した大通署刑事課の佐伯(鈴木一真)と渡辺(松田悟志)は道警本部の刑事部長・杉田(川崎麻世)から捜査は本部だけでするから所轄は手を引けと恫喝される。
翌日、杉田は大通署の署員を集め、容疑者は道警本部の津久井(池田政典)だと発表した。生活安全課の百合(財前直見)は津久井を擁護するが課長の長沼(高田純次)に止められる。誠実な津久井が殺人などするはずがない。思いをめぐらせる百合に後輩のサキ(松本莉緒)が声を掛けた。児童養護施設に不審者が出没したと通報が入ったという。施設を訪れた百合の携帯に公衆電話から着信が。その電話は津久井からだった。津久井は無実を主張するものの詳細は話せないという。百合は同級生の早苗(北原佐和子)が女将をしているホテルで落ち合うことに。その頃、道警本部に呼び出された長沼は、道警本部の統括部長・石岡(新井康弘)から百合の動向を監視しろと命令されていた…。
【出演】財前直見、鈴木一真、松本莉緒、川崎麻世、松尾貴史、池田政典、北原佐和子、新井康弘、松田悟志、高田純次 ほか
【プロデューサー】吉田由二
【監督】小久保利己
【原作】佐々木譲
【脚本】土屋保文
2013年制作
スイート・ベイジル/TBS
2023年7月21日BSTBS再放送
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