『誰知らぬ殺意』夏樹静子 ミステリー短編傑作集(光文社文庫)
秘密の愛に彷徨う女たちが最後にとった驚愕の行動―ミステリー界に大きな足跡を残した著者の魅力溢れる傑作短編集。
「破滅が忍びこむ」密会現場から偶然、飛び降り事故を目撃した有名人の女医に忍んでくる恐怖。
同時刻に大学生である娘の車が、何者かによって盗まれて、事故を起こしたという。
自殺と思えた目撃を証言してほしいと、死んだ女の恋人の妹と名のる電話が何度もかかってくるのだった。そして女医はテレビに出演してることから、事故現場の階上から見られていたというのだ。
「破滅が忍びこむ」密会現場から偶然、飛び降り事故を目撃した有名人の女医に忍んでくる恐怖。
同時刻に大学生である娘の車が、何者かによって盗まれて、事故を起こしたという。
自殺と思えた目撃を証言してほしいと、死んだ女の恋人の妹と名のる電話が何度もかかってくるのだった。そして女医はテレビに出演してることから、事故現場の階上から見られていたというのだ。
「ベビー・ホテル」子どもをベビーホテルに預けた主婦が、自分の時間を手にしていく。
やがて若い不倫の相手と密会中に、子どもが行方不明になる。悪夢のような午後、さらに夫が予定より早く帰宅してしまうのだった。
「燃えがらの証」 雑誌記者・滝子には人形師の篠沢芳春という年下の恋人がいた。滝子は篠沢を日本一の人形師にしたかった。しかし肝心の篠沢は、重役夫人の佳江と不倫の関係を続けていた。ある日、佳江が殺されて、篠沢に疑いがかかる。現場には彫像展の案内状があり、篠沢の作品が展示内容に記されていたのであった。
歳上の人妻を選んだ篠沢の裏切りには、滝子はがく然とするが、自ら破滅する殺人を犯すはずはない、あってはならないと思うのであった。容疑者の篠沢は依然として行方不明になってる。
「二度とできない」三角関係が生んだ殺人計画と、もうひとつの未遂事件。良子は愛人の中井章に夫・敬三の殺人を依頼する。
綿密に練ったその日、中井の旅行中に敬三が背後から襲われる計画の行方は? 犯人サイドからドラマは描かれている。
「あちら側の人」公園で凍死して事故とされたが、彼の妻は多額の生命保険をかけていたのだった。夫には弟がいて兄の死には疑問があると、主人公の由美子は何度か相談受ける。やはり事故死ではない可能性が高くなっている。二重三重にも疑惑は進展して、由美子は巻き込まれていく。
「滑走路灯」愛人と会ったあと、出会った昔の恋人。妻殺しを告白する男のアリバイ作りに荷担してしまう。やがて愛した男のアリバイ成立を阻止しようと、女が空港で取った行動が緊張感に満ちている。
「誰知らぬ殺意」二十九歳の桐子は、求婚してきた吉森と萩の温泉に来ていた。だがその夜、桐子は宿を抜け出し別の温泉宿へと向かう。そこで待っていたのは過去五年間、秘密の関係を続けてきた妻帯者の湖島だった。桐子の胸に秘められた、ある決意とは…。
ミステリードラマになりそうな不倫の話が並んで、実際にテレビ番組になった原作小説がほとんどである。
夏樹静子
東京生まれ。慶應義塾大学英文科卒業。大学在学中に『すれ違った死』が江戸川乱歩賞候補になる。1970年『天使が消えていく』が再び江戸川乱歩賞候補。’73年『蒸発』で第26回日本推理作家協会賞受賞。2006年には第10回日本ミステリー文学大賞を受賞した。2016年没。
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